Page Top

アプリ版はこちら

楽天モバイルが「かけ放題」「海外SIM」を提供……5分までの国内通話が無料に

2016-01-28 17:20:48
 楽天モバイルは28日、新サービスに関する記者説明会を開催。MVNOとして初となる「5分かけ放題オプション」を同日より提供開始すると発表した。このほか「楽天モバイル 海外SIM」や「楽天メール」などの新サービスも順次提供を開始する。

■かけ放題で、楽天モバイルをメイン端末に

 記者説明会に登壇した、楽天 代表取締役 副社長執行役員の平井康文氏は今後の展開として「5分かけ放題オプション」のほか、「楽天モバイル 海外SIM」「楽天メール」「光回線セット」「100カ所展開」「楽天経済圏」の6項目を”公約”として掲げた。

 「5分かけ放題オプション」は、格安通話サービス「楽天でんわ」を通じて発信した1回5分以内の国内通話が、月額850円(税別、以下同)の定額で利用できるというもの。発信回数に制限はない。通話が5分を超過した場合は30秒あたり10円がかかる。「大手キャリアのプランと比較すると、楽天モバイルの5分かけ放題オプションは、月額にして約4,000円削減できる。これにより2台目としての利用ではなく、ご自身の第1の選択肢として楽天モバイルをお使いいただけるのではないか」と平井氏。

 「楽天モバイル 海外SIM」は、海外渡航者向けのプリペイドSIMカード。楽天モバイルの契約者でなくても利用可能で、3月10日から購入できる。世界190カ国以上に対応しており、現地で提携している通信網に自動でアクセスできるのが特徴だ。平井氏は「例えば、中国への2泊3日の出張なら日本向け通話を60分、データ通信を200MB利用したとしても5,676円で利用できる」と紹介。大手キャリアのサービスとレンタルWi-Fiルーターを組み合わせた、従来の使い方では13,010円もかかるとして、新サービスの魅力をアピールした。

 2016年1月の時点で、楽天モバイルの契約者のほぼ半数が20~30代だった。また、最近では家族での利用比率も上がっている。同社では新サービスを、これらの層に向けて訴求していきたい考えだ。平井氏は「これからも、皆さんのモバイルライフスタイルを演出していきたい」と話した。

■メール、光セット、店舗の拡大

 続いて、同社 執行役員 楽天モバイル事業 事業長の大尾嘉宏人氏が登壇した。「楽天メール」は、独自ドメイン@rakuten.jpが利用できるサービスで、28日より提供を開始した。15GBの容量を無料で利用できる。大手キャリアで提供している“キャリアメール”に代わるサービスとして位置付けられている。大尾嘉氏は「MVNOへの乗り換え時に不安を感じられていた方に、使ってほしい」と説明した。

 「楽天メール」と同様、「光回線セット」も大手キャリアのサービスを意識したものと言えそうだ。楽天モバイルのサービス提供元であったフュージョン・コミュニケーションズは、昨年12月に「楽天コミュニケーションズ」に社名を変更し、「楽天コミュニケーションズ光」を開始した。同サービスと楽天モバイルをセットで契約することで、楽天スーパーポイントが最大12,000ポイント還元されるなどの特典が用意されている。2月1日より提供が開始される。

 このほか、同社ではリアル店舗の拡大も計画。パートナー企業も増やすなどして、全国で「100カ所展開」を実現するという。

■楽天経済圏を活用したい

 続いて、同社 楽天市場事業 執行役員の河野奈保氏が登壇して「楽天経済圏」について説明した。同氏によれば、楽天会員数は累計で1億人を突破。楽天グループのサービスを2つ以上利用している会員は、昨年の9月時点で6割を超えたという。ちなみに楽天市場を中心とする楽天eコマース事業の取引の6割以上が、スマホからのアクセスとのこと。河野氏は「この楽天経済圏を活用した形で、楽天モバイルにしかできないユーザー様への付加価値提供を行っていきたい」と説明した。直近では、1月18日にスーパーポイントアッププログラムを開始。今後もポイントに絡めたキャンペーンなどが提供されていく見込みだ。

■通話定額は赤字にならないのか?

 質疑応答には平井氏、大尾嘉氏が対応した。

--- MVNOの競合他社では、通話定額の提供は厳しいと聞いていた。赤字にならないのか?

大尾嘉氏:楽天コミュニケーションズの中継網を利用した、楽天でんわを使うことで、提供できるサービスとなっている。

平井氏:さまざまな試算を繰り返した。結論としては、楽天でんわを利用すれば採算がとれると判断した。月額850円は大手キャリアの半額。お客様にご満足いただける価格帯に設定した。

--- MVNOでも、かけ放題や海外SIMを提供したい。そうした要望を受けて、いま大手キャリアにはデータベースの開放が求められている。そんななか、現状のままでそれらのサービスを提供する意図は?

平井氏:総務省のタスクフォースの行方を見守っている。他社さんと同様に「HLR/HSS連携機能」の開放に関心を持っている。しかしビジネス的にも、技術的にもまだまだ議論が必要だと考えている。海外ではフルMVNOの事業者が台頭している。ドイツでは携帯市場全体の35.2%をMVNOが占めている。日本でもMVNO事業者同士が協力して、最終的にお客様の満足につながるようなサービスが提供できれば。

 この後、両氏は囲み取材にも対応した。

--- 5分かけ放題の新サービスは、新規ユーザーの獲得にどう貢献する?

大尾嘉氏:大手キャリアさんと同じような通話サービスを望んでおられる方に喜んでいただけるのではないか。

平井氏:既存ユーザーも利用できる。通話額が下がった分、楽天市場でお買い物をしていただければ、楽天グループ全体のARPUを上げられる。また、楽天モバイルにしようか迷っているお客様の背中を押す一手にもなる。

--- 大手キャリアなら音声通話の着信にともなう接続料でペイできるが、楽天モバイルの場合は、接続料を払いっぱなしになるのでは?

平井氏:企業努力。ギリギリあと一歩を踏み込むという、楽天の企業文化を体現したサービスになっている。

大尾嘉氏:まずはお客様の満足度を向上したい。
近藤謙太郎

News 特集

 MM総研は9日、2015年における携帯電話(フィーチャーフォンとスマートフォン)端末の国内出荷台数に関する調査結果を発表した。総出荷台数は前年比6.6%減の3,577万台。2012年から3年連続で減少が続いている。 [...]
全て見る

Cars 特集

 ファナティックは9日、宮城県大和町にドローン・マルチコプター専用練習場「ブーメラン」をオープンすることを発表した。 [...]
全て見る

Trucks 特集

 MM総研は9日、2015年における携帯電話(フィーチャーフォンとスマートフォン)端末の国内出荷台数に関する調査結果を発表した。総出荷台数は前年比6.6%減の3,577万台。2012年から3年連続で減少が続いている。 [...]
全て見る

Equipments 特集

 Amazon.co.jp(アマゾン)は4日、「Amazonお酒ストア」内の「Amazonワインストア」において、 専門家がワインを選んでくれる新サービス「Amazonソムリエ」の提供を開始した。 [...]
全て見る