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テレビ、ラジオに続く“第3の放送”!? 新デジタル放送「i-dio」が開始へ

2016-02-29 18:00:07


 エフエム東京を中心としたグループが、テレビでもラジオでもない“第3の放送”と位置づける新デジタル放送「i-dio(アイディオ)」の配信を3月1日よりスタートする。チューナーを内蔵するスマートフォンで視聴できるほか、専用チューナーがあれば手もちのスマートフォンでも音楽・映像が楽しめる。通信料は不要。29日に都内で開催された記者説明会の模様をお伝えする。

■どのあたりが“第3の放送”?

 i-dioは、地上アナログテレビ放送の終了後に空いた周波数帯(VHF-Low帯=99MHz~108MHz)を利用した映像・音声放送サービス。福岡、大阪、東京において3月1日よりプレ放送をスタートさせ、その後は全国に対応エリアが拡大される。

 既存のラジオ、IPサイマル、音楽配信サービスとはさまざまな差別化が図られている。例えば、音質面では48kHz/ 320kbps(MPEG-AAC)に対応、デジタル地上波放送 最高音質をうたう。今夏にはHD Sound(ハイレゾ級音質)に対応させる予定だ。

 音声以外に、映像やデータを送ることもできる。クーポン、マイル、ゲームアイテム、Web認証データ、電子チケット、電子雑誌、電子チラシ、車の地図データなどの利用が想定されている。例えば、放送中に「このクーポンをご利用の方は、いますぐ画面をタッチしてください」のように案内することで、視聴者のみがクーポンを獲得できる仕組みなども検討されている。

 通信とは異なり、災害の発生時や大規模イベント開催時に、利用者が集中する時間や場所で輻輳が起きないのも特徴のひとつ。地域にピンポイントで情報を送ることができるほか、放送波を使って端末を強制起動させることも可能。こうした機能を活用した、防災情報配信システム「V-Alert」が用意されており、全国の自治体が利用できる。

 受信端末として、手持ちのiOS/ Android端末でi-dioが受信可能になる「i-dio Wi-Fiチューナー」、チューナーが内蔵された「i-dio Phone」、「車載用TunerBox」(仮称)なども順次提供される。東京マルチメディア 代表取締役の藤勝之社長は「i-dio Phoneは、家電量販店のほかFM東京の通販サイトShops.Love、Amazonなどで販売する。家電量販店では、春商戦における特別推奨機器として販売される予定。SIMフリー端末のなかで、イチオシの機種として紹介してもらう」と説明した。

 続いて登壇した、エフエム東京マルチメディア放送事業本部ゼネラルプロデューサーの森田太氏は「インターネットが普及した世界では、不可能なサービスを探すことの方が難しくなる。逆を言えば、インターネットが不得手なことが希少性を増す。ラジオのようなメディアでは、これまで人間味、体感、伝統、人間らしさといったアイデンティティを発揮してきた。こうした得意分野を背骨にしつつ、通信との融合も図ったのがi-dioとなる」と説明した。

■音声と映像の各チャンネルで開始

 i-dioでは音声5チャンネル、映像1チャンネルでスタートする。記者説明会には、コンテンツプロバイダの2名が登壇して放送内容を紹介した。乗用車のドライバーに向けた専用ラジオチャンネル「Amanek」を提供するアマネク・テレマティクスデザイン CMOの庄司明弘氏は、3.11の東日本大震災を振り返り「もっと救える命があったのではないか。乗用車を運転する人に、もっと新しい形でサポートできる放送を目指している。アナウンサーの音声とTTS(自動音声)を組み合わせた、人の体温が感じられるテレマティクスサービスにする」と説明。同チャンネルでは、厳選された高音質ドライブミュージック、毎時間15分先を伝える自動音声エリア天気予報、スポット情報に加えて夕焼けや星空情報なども提供される予定。

 TS ONEチャンネルを展開するTOKYO SMARTCAST 編成制作部長の砂井博文氏は「320kbpsの帯域を使った放送では、CDに近い最高音質を再現できる。小林克也さんをはじめとする、各業界の音楽愛好家がDJを担当する「PREMIUM ONE」、音楽ブランドBillboardと連携した番組「Billboard JAPAN HOT 100」などを予定している」と紹介した。

■ネットラジオとの違いは?

 「radiko.jp」のようなインターネットラジオでも、デジタル音源を放送に使用している。これとの違いについて聞かれると、VIPの仁平成彦氏は「従来の放送では、デジタル音源を圧縮して配信している。そのため、元もとの音を失っている。その何倍もの情報量で提供する320kbpsの音はクリアで奥行きがあり、原音に近い」と説明した。

 広告戦略を含め、今後の展開について藤氏は「NOTTVのようにテレビCMなどを打ちたいところだが、i-dioではまずコアな音楽ファンに訴えて、そこから浸透させていきたい。FMラジオでも紹介するほか、書店などでもお知らせしていく。i-dioチューナーを無償貸与したモニターは5万人に上る。ちなみにNOTTVは2万人だった。チューナーを増産して、最終的に10万人のモニターに配りたい。スタート時はiOS/ Androidのみに対応するが、第3四半期の頃にはWindows PCでも聞けるようにしていく考えもある」と説明した。

 会場では詳しい説明がなかったが、i-dioが視聴できるコンパクトな機器「防災ラジオ MeoSound VL1」が福岡県で配備されるなど、地方自治体の取り組みも進みつつあるという。これに関して藤氏は「この4~5年で、全国の自治体の1/3には採用していただける見通し。調査により、それだけのニーズがあることが分かった」と説明した。
近藤謙太郎

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