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格安SIMは女性に浸透するか?実店舗やイベントの意義

2016-04-14 16:10:14
 新規参入や既存事業者のサービス拡充が相次ぎ、年々市場規模が拡大しているMVNO(仮想移動体通信事業者)サービス。格安SIM、格安スマホといった言葉が広く聞かれるようになり、その認知度もかなり高くなってきている。しかし、実際にMVNOサービスを利用しているのは30~50代の男性が中心で、携帯リテラシーの低い層や女性にとって、利用のハードルは依然として高いままのようだ。

■女性向けイベントでアピール

 そんな中、MVNOサービス「mineo」を提供するケイ・オプティコムは3月末、約2万6千人の会員を持つコミュニティ・メディア「女子部JAPAN」とのコラボイベントを都内で開催。「脱・浪費女子」というテーマのもと、同社モバイル事業戦略グループ グループマネージャーの津田 和佳氏が登壇し、「女子部JAPAN」の女性会員に向けてMVNOの仕組みやmineoの特徴、一体どれだけ通信費を削減できるのかといったプレゼンテーションをおこなった。

 参加者が女性のみということで、MVNOの話題がどれだけ受け入れられるのかと少し心配もしていたが、通信費削減への興味・関心は想像以上に高く、イベントは終始盛況。「mineoへの変更で音声通話有りプランでも月額1000円台が実現できる」「条件次第では手持ちのiPhoneがそのまま使える」といった説明に開場からは驚きの声があがった。Web上にMVNOの情報は数多く上がっているが、なんとなく「格安=安かろう悪かろう」のイメージが先行し、あまり詳細を確認しない人が多いのかもしれない。

 今回の来場者は、「使っている端末や通信事業者は?」「現在どの程度の通信費を使っているのか」といった質問に答えながら話をきくことで、自分の状況と照らし合わせて理解することができたようだ。そもそもMVNOとは何なのか、何故大手3キャリアよりも安く提供できるのかといった少々込み入った話に関しては、大手キャリアの設備を借りていること、キャリアネットワークによる部分とMVNO事業者の責任部分があることなど、専門用語は極力避けつつも、別の何かに例えるのではなく真正面から説明。完全に理解するのは難しくても、ある程度は腑に落ちている参加者が多かったように思う。

 イベント終了後、津田氏に話を聞くと、都内でこうしたイベントを開催するのは初めてだが、対面だからこそ理解してもらえることもあると感じたという。女性層に関しては、MVNO業界全体としてまだまだアプローチができておらず、そこを開拓するにはこうした取り組みは大事になってくるとのこと。リアルイベントを通じて自分事として理解する人が増えれば、その人が別のコミュニティにそれを広げることも考えられる。地道に続けることで市場に与える影響は少なくないのではないだろうか。

■契約希望者が殺到する直営店

 対面での説明・販売でいうと、上記のようなイベントだけでなく最近は実店舗を構える事業者も増えてきた。ケイ・オプティコムも昨夏、大阪駅直結の商業施設グランフロント内に直営店舗をオープンさせている。昨年末からはSIMの即日契約にも対応した。津田氏によると既にかなりの反響があり、現状の人員では契約希望者を捌ききれなくなっているという。mineoの通信回線が即日開通できる店舗は現在この直営店のみで、2月には計1000件以上の契約(SIMの開通)を獲得。今後はスタッフの増員を予定しているほか、まだ詳細は決まっていないが直営店舗の新規出店も検討されているとのこと。

 mineoの契約者は冒頭でも述べたように30~50代の男性がその大半を占めているが、直営店での契約者に限ると、女性や高齢者の比率も多くなっているそうだ。先日、大阪へ出張する機会がありmineo直営店の様子をのぞいてみたが、平日15時の時点でその日の契約申し込み受付は終了していた。聞けば申込み希望者が多く、2~3時間待ちが常態化しているとのこと。そのため、店舗は20時まで営業しているが15時~17時頃には予約がいっぱいになり、その時点で当日分の受付は終了してしまう。この状態を見ると、早急な人員増、新店舗の開設が望ましいように感じるが、そこはコストとの兼ね合いもあり判断が難しいところだろう。

 MVNOが低価格でサービス提供可能な理由のひとつは、申し込みやサポートがWeb中心であること。実店舗の運営コストが膨らみ、利用料金が上がってしまっては本末転倒だ。とはいえ、このままWebを中心としたコミュニケーションに頼っていては、新規顧客の獲得は頭打ちになる。MVNOに興味を持つこと、契約してみようかと考えることの入り口として、リアルイベントや実店舗といった場所の意義は大きい。そうした場所を、コストとのバランスを見ながらいかに提供してくのか、今後の動きに注目していきたい。
白石 雄太

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