スマートフォンの「実質0円」による販売が禁止になったことで、中古スマホ市場がにわかに活気づいている。そこで、中古携帯電話・スマホ・タブレットの販売・買取を行う「ゲオ」の最新ランキングをチェックしてみた。
本稿で紹介するデータは、北海道から沖縄まで日本全国に展開しているゲオのデータを集約したもの。調査期間は6月13日から19日までの1週間である(データ提供:株式会社ゲオ)。
■“販売”数量ランキングは?
まずは中古スマホの販売数量ランキングから見ていこう。NTTドコモでは第1位が「iPhone 5s 32GB」、第2位が「iPhone 5s 16GB」、第3位が「Xperia A SO-04E」、第4位が「iPhone 5s 64GB」、第5位が「GALAXY S4 SC-04E」という順位となった。
2013年秋に発売されたiPhone 5sがよく売れるなか、Xperia Aも3位に食い込む健闘。ちなみに5位~10位は「GALAXY SIII SC-06D」、「Xperia acro HD SO-03D」、「ARROWS X LTE F-05D」、「ARROWS X F-02E」、「Xperia AX SO-01E」となっており、2011年から2013年5月までに発売されたAndroid勢が占めた。
中古良品の「中古A」の販売価格では1位、2位、4位のiPhone 5sがいずれも2万円以上の高値。それに対し3位、5位~10位のAndroidスマートフォンはいずれも1万円台かそれ以下となっている。人気のiPhoneか、安く買えるAndroidか。購入を前にして決断に迷う消費者の姿が見えてくるようだ。
auでは第1位が「iPhone 5 16GB」、第2位が「iPhone 5 32GB」、第3位が「iPhone 5s 16GB」、第4位が「iPhone 5s 32GB」、第5位が「iPhone 5 64GB」。auスマホでは6位の「Xperia Z1 SOL23」をのぞくと、10位までのうち9機種がiPhoneという結果になった。
ドコモと比較すると、auのランキングはiPhoneだらけという印象だ。何故だろうか。ドコモがiPhoneの取り扱いを開始したのはiPhone 5s/ 5c(2013年)から。それに対しauではiPhone 4S(2011年)から取り扱っている。このため、auユーザーには好きなiPhoneを選べる自由がある。こうした事情がランキングに影響していると見ることができるだろう。
ソフトバンクでは第1位が「iPhone 5 16GB」、第2位が「iPhone 5 32GB」、第3位が「iPhone 5s 16GB」、第4位が「iPhone 4S 16GB」、第5位が「iPhone 5s 32GB」。これはauスマホのランキング1位~5位とほぼ同じである。ちなみにソフトバンクでは1位から10位までをiPhoneが独占した。ソフトバンクにおけるユーザーの割合から考えて、これは至極当然の結果と言える。
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■“買取”数量ランキングは?
続いて、中古スマホの買取数量ランキングを紹介する。NTTドコモでは第1位が「iPhone 5s 32GB」、第2位が「iPhone 5s 16GB」、第3位が「iPhone 6s 64GB」、第4位が「Xperia A SO-04E」、第5位が「GALAXY S4 SC-04E」という順位になった。先述の販売数量ランキングの上位と照らし合わせると整合性がある。ゲオモバイルでは、よく売れているものをよく買い取れているわけだ。中古良品の「中古A」の買取価格では、iPhone 6s 64GBが46,000円と高値をつけた。
auでは第1位が「iPhone 5s 16GB」、第2位が「iPhone 6s 64GB」、第3位が「iPhone 6 64GB」、第4位が「iPhone 5s 32GB」、第5位が「iPhone 5 16GB」。ちなみに6位に「Xperia Z1 SOL23」、9位に「Xperia Z3 SOL26」、10位に「Xperia Z5 SOV32」がランクインしており、それ以外はすべてiPhoneという状況になっている。
ソフトバンクでは第1位が「iPhone 5s 16GB」、第2位が「iPhone 5s 32GB」、第3位が「iPhone 6 64GB」、第4位が「iPhone 4S 16GB」、第5位が「iPhone 5 16GB」。6位、7位に「iPhone 4」がランクインしているあたり、iPhoneの取り扱いに一日の長があるソフトバンクならではと言えるだろう。
中古スマホの買取数量ランキングから、ユーザーの“スマートフォンに対する愛着の深さ”のようなものを推量することは可能だろうか。例えば、ソフトバンクのiPhone 4(2010年発売)をこの6月に手放した人の中には「6年も愛用していた」という人がいるはずだ。逆にauの買取数量ランキングの2位、3位、8~10位に入った端末は、いずれも2014年9月~2016年に販売されたものだった。つまり購入から2年以内に手放されたスマホがこれだけあるわけだ。
■SIMフリー端末の販売・買取ランキングは?
最後に、SIMフリー端末である。まずは販売数量ランキングを紹介しよう。第1位が「ASUS ZenFone 2 Laser 16GB」、第2位が「Huawei Ascend G620S-L02」、第3位が「FREETEL Priori3 FTJ152A」、第4位が「Google Nexus5 LG-D821」、第5位が「FREETEL Priori2 FT151A」という結果になった。
続いて、買取数量ランキングを紹介する。第1位が「富士通 ARROWS M02 FARM0600F」、第2位が「Google Nexus5 LG-D821」、第3位が「FREETEL Priori3 FTJ152A」、第4位が「富士通 ARROWS M01」、第5位が「ASUS ZenFone 2 Laser 16GB」という結果になった。
また、ゲオモバイルでは格安SIMサービスとのセットで新品のSIMフリー端末も販売している。そこで、新品SIMフリー端末のランキングも紹介する。こちらでも人気があるのはプラスワン・マーケティングのFREETEL Prioriシリーズと、ASUSのZenFoneシリーズ。プラスワン・マーケティングではタレントの佐々木希さんが料金プランに因み「ニクキュー」を連呼する新テレビCMも開始するなど、いま勢いをみせているが、その影響がこちらのランキングにも反映されているようだ。
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近藤謙太郎