Page Top

アプリ版はこちら

【レビュー】プレゼンの強い味方!LTE&Android搭載「モバイルシアター」

2016-01-29 20:00:20
 「モバイルシアター(Spro2)」は中国のZTEが開発した製品で、昨年冬からソフトバンクセレクションが国内での販売をスタートさせた。本体に約5インチの液晶ディスプレイとAndroid 4.4によるプラットフォームを搭載したことで、まさしくスマートフォンのような使い心地と、アプリによる機能追加を実現している。ここまでなら、最近のガジェットとしてありえなくもない仕様だが、同機の場合はLTE対応の通信機能まで内蔵してしまったことが他製品と大きく違った特徴である。

 LTE/3Gによる通信機能は本体にSIMカードを挿してアクティベートする。国内ではソフトバンクセレクションで取り扱われるアクセサリー商品となるため、購入はソフトバンクショップの店頭、またはWebから。本体価格は86,400円(税込)と、ポータブルプロジェクターとしては少し高価にも感じられるが、ソフトバンクのスマホを使っているユーザーなら機種代金と、スマートデバイスシェアによる毎月のデータ使用料金を足して毎月2,940円(税込)の分割支払い購入ができる。ただし3年の縛り期間が発生する。

■LTE対応のモバイルルータとしてテザリング可能

 では、モバイルシアターの基本的な用途を整理してみよう。まずは当然ながらプロジェクター機能。最大150インチ/1280×720画素の映像をスクリーンや壁面に投写して、HDMIでつないだPCやBlu-rayレコーダーなどからのさまざまなコンテンツを大画面に表示できる。また大画面に映さなくても、プロジェクター本体にも5インチの液晶ディスプレイが搭載されているので、映画や写真を手元でコンパクトに楽しめるコンテンツビュワーにもなる。

 本体には6,300mAhの大容量バッテリーを内蔵。本体駆動用の電源としてだけでなく、背面のUSB端子につないだスマホやタブレットに給電ができるモバイルバッテリとしても役割を果たす。本体には16GBのストレージとSDカードスロット、イヤホン端子、スピーカーを装備しているので、少し大柄だがポータブルオーディオプレーヤーに活用する手もある。さらにはLTE対応のモバイルルータとしてテザリングができる機能も付いている。

■ビジネスでプレゼンに活用も

 プロジェクターとしての機能や使い勝手について、もう少し深く掘り下げてみよう。まずはどんなソースが表示できるのか。

 本体にはLTE/Wi-Fi経由でのネットワーク通信機能が内蔵されていて、Androidアプリも自在に追加できるので、例えばNetflixやApple Musicなど定額制の動画・音楽配信コンテンツのストリーミングを直接受けて単体で再生ができる。Android端末からのミラーリングにも対応しているが、同機はプロジェクター単体での通信から表示まで完結したかたちで対応できるので、Android端末のバッテリーを消費してしまうミラーリングよりも有利だ。

 PCにHDMI経由でつなげばオフィスでのプレゼンテーションにも活躍する。さまざまなファイルは本体の内蔵ストレージ、またはUSBスティックに保存した状態から読み込める。デジタルカメラでSDカードに記録した画像も、そのままプロジェクターのスロットに入れて読み込んで、大画面に映せるのも便利だ。

 本体の操作は天面のタッチディスプレイから直接行えるほか、Android/iOS対応の無料リモコンアプリ「Spro2リモコン」も提供されている。同じ宅内のWi-Fiルータに接続して、プロジェクターのメニューと同じ画面をスマホに表示しながらリモート操作ができる。レスポンスも快適だ。

 本体の電源起動とプロジェクターのランプのオン・オフは別々に起動させる。ランプを点灯させるための物理的なボタンは搭載されていないので、タッチパネルを3本の指でスワイプするか、またはホーム画面のプロジェクター操作のウィジェットにあるオン・オフボタンをタップして切り替える。

 5インチの液晶とプロジェクターの解像度はともに1280×720画素。プロジェクターの映像は、色温度調整をクール/通常/ウォームの3段階で変更したり、明るさも3段階で選べる。最大の明るさにするためには本体をAC電源につなぐ必要があるが、最も明るい150ルーメンの映像なら、昼間でも薄手のカーテンを閉めた室内で十分に映像が視聴できた。ただし、150ルーメンの最高輝度で投写する場合は、付属のACアダプターに本体をつないで給電しながら使う必要がある。そして本体のバッテリーを充電する際にもUSBからの充電は行えないため、外出先に持ち運ぶ際には念のためACアダプターを携行して出かけた方がよいだろう。

■最大120インチまで投影できる

 本体の設置はとてもシンプル。テーブルの上などに無造作に置いて、オートフォーカスでピントが合わせられるし、斜めの角度からスクリーンに映しても天地の平行を揃えてくれる台形補正も搭載されているからだ。

 例えばビジネスシーンで外出先に本機を携えて、クライアント相手にプレゼンテーションを行う際に素速くセットアップができるので、相手をイライラさせることも少ないはず。ただ、ズーム機能は搭載されていないので、壁面やスクリーンとプロジェクターを置く位置の間隔を調整して大きさを追い込んでいく必要がある。

 推奨されている最短投影距離は、幕面まで約55cmを確保すれば15インチの画面が投写できる。同機の最大画面サイズである120インチを得る場合は幕面まで約4.4mが必要だ。本体の底面に簡易なスタンドが付いているほか、三脚スクリューも設けられているので、簡易なテーブルトップ用の三脚など併用すれば設置の自由度は高まる。

■ビジネス、一人、グループなど利用シーンは豊富

 通信機能を内蔵する利便性は、ビジネスの現場でも発揮されそうだ。Dropboxのクラウドストレージに保存したPowerPointやPDFのファイルにプロジェクター単体でアクセスして、天面のタッチパネルでページをめくりながら大画面に映す。社内・社外でのプレゼンテーションがとてもスムーズにこなせると思う。

 Android対応のOfficeアプリもあるので、簡易なデータ修正がプロジェクター単体でもできてしまう。背面のUSB端子にマウスをつないだり、Bluetoothキーボードからも操作ができるので慣れてくればある程度の文書編集もプロジェクターで済ませられた。

 ホーム画面はタイル状のオリジナルなUIになっているが、操作性は普通のスマホやタブレットと変わらない。NetflixやdTVなど動画配信系や、TVerなど民放テレビ局が提供する番組見逃し配信系のアプリを入れておけば、リビングのテレビを家族に占有されたお父さんもプライベートルームに同機を持ち込んで自分だけのシアターが満喫できそうだ。

 LTE通信機能とイヤホン端子が付いているので、ポータブルコンテンツプレーヤーにも活用の幅が広がる。重さは約579gと、ざっくりと言えばiPad ProとiPad Airの中間ぐらいの感覚だ。本体の厚みはiPadよりもあるので、電車に揺られながら持ち続けたり、画面を操作するのはちょっと厳しいかもしれない。

 リビングルームに設置して、スマホで撮ってクラウドにアップした写真を大画面で、家族一堂集まって鑑賞したり、本体にスピーカーも内蔵しているので、パーティー用に動画や音楽を流してBGMがわりに活用してもいい。Bluetooth対応のゲームパッドもつなげるので、Androidのゲームアプリを大画面で楽しむのにも最適だ。

 ビジネスやプライベートに幅広く使えるので、これは便利という手応えはしっかり得られるのだが、一方でSIMフリーのWi-Fi版モデルも展開すればもっと引く手は数多あるのではないだろうか。同機単体でアプリを追加していろいろなストリーミングコンテンツも楽しめるデバイスと考えれば、80,000円を超える本体価格はある程度合点が行くとしても、月々のランニングコストがかかるのは何となく窮屈に感じてしまう。何はともあれ、モバイルプロジェクターとAndroid・通信機能の統合は意外に、とても相性が良いということが同機が登場したことで証明されたように思う。今後はWi-Fi専用モデルがいろいろなメーカーから出てきて、この製品カテゴリーが賑わってほしいものだ。


協力:ZTE
山本 敦

News 特集

 MM総研は9日、2015年における携帯電話(フィーチャーフォンとスマートフォン)端末の国内出荷台数に関する調査結果を発表した。総出荷台数は前年比6.6%減の3,577万台。2012年から3年連続で減少が続いている。 [...]
全て見る

Cars 特集

 ファナティックは9日、宮城県大和町にドローン・マルチコプター専用練習場「ブーメラン」をオープンすることを発表した。 [...]
全て見る

Trucks 特集

 MM総研は9日、2015年における携帯電話(フィーチャーフォンとスマートフォン)端末の国内出荷台数に関する調査結果を発表した。総出荷台数は前年比6.6%減の3,577万台。2012年から3年連続で減少が続いている。 [...]
全て見る

Equipments 特集

 Amazon.co.jp(アマゾン)は4日、「Amazonお酒ストア」内の「Amazonワインストア」において、 専門家がワインを選んでくれる新サービス「Amazonソムリエ」の提供を開始した。 [...]
全て見る