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年間6,000試合&月額1,750円! スポーツ動画配信「DAZN」、正式スタート

2016-08-23 17:00:07
 スポーツコンテンツを中心とした独自の作品ラインナップを特徴とする動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」が日本でのサービスを開始した。15日よりサービス自体はスタートしていたが、本日23日が正式ローンチとなったという。都内で行われた記者発表会には、イギリスのPerform Group本社からCEOのジェームズ・ラシュトン氏が来日し国内での事業戦略などについて語った。

 DAZNはスマホやタブレットなどモバイル機器のほか、インターネットにつながるスマートテレビ、PC、ゲーム機などで視聴できる定額制動画配信サービス。欧州のドイツ、オーストリア、スイスで先行してサービスが始まり、このたびアジアでは最も早く日本でのサービスがスタートした格好だ。

 月額利用料金は1,750円(税別)となり、8月23日時点に国内では130以上のスポーツコンテンツを揃える。初月1ヶ月間の無料お試し期間も用意。解約金は不要で、いつでも好きなタイミングで申込み、再開ができる。

 ラインナップはサッカーのJリーグ、ブンデスリーガをはじめ、プロ野球の横浜DeNAベイスターズ、広島東洋カープの全主催試合、並びにバレーボールのVリーグやラグビーのトップリーグと日本代表戦など多彩。海外スポーツもブンデスリーガ、セリアA、仏リーグアン、英プレミアリーグの生放送や、米国の野球・バスケットボールのメジャーリーグなど目玉揃いだ。日本地域で独自制作されたコンテンツも並ぶ。130以上のコンテンツ、年間6,000試合以上がライブ配信、およびオンデマンド形式の見逃し視聴により楽しめる。動画再生中の広告表示がないことも特徴だ。

 「DAZNの魅力はいつでも、どこでも楽しめること」とラシュトン氏が強調する。DAZNのコンテンツは1アカウント契約につき、同時に2台までのデバイスでストリーミング視聴ができる。登録可能なデバイスは6台まで。家族がリビングで、一人はプライベートルームでDAZNのコンテンツを同時に鑑賞するといった使い方ができる。スマホアプリはiOS/Android版を同時リリースした。

 映像の解像度はフルHD。画質はネット環境と端末のスペックに最適化されたかたちで配信され、マニュアルでの設定には対応していない。

 DAZNでは本拠地のある英国・ロンドンのほか、世界中39箇所にオフィスを構えているが、このたび日本にも独自にオフィスを構えて、今後も積極的に日本ローカルのオリジナルコンテンツを制作する体制を整えた。スタジオは東京の大門に開設。映像編集のほか実況解説を収録したり、試合のライブデータ解析など地域に合わせたコンテンツがタイムリーに制作される。ラシュトン氏は「DAZNの番組のうち約65%の試合は日本語の実況を付ける。映像にさまざまなデータを付与してあらゆる角度から楽しめるコンテンツにしていきたい。今後はさらに20億円の設備投資をスタジオ拡張のために投じる予定。日本国内の様々なスポーツコンテンツを取り込んでいきたい」と意気込む。

 DAZNの日本社長&マネージングディレクターの中村俊氏も壇上に上がり、日本におけるサービスの戦略を語った。DAZNのローンチエリアとして日本が選ばれた理由については、「ひとつは日本の人口の90%以上がインターネットにつながっているから。また日本のスポーツファンは非常に情熱的で、一人の方が複数のスポーツに興味を持って熱心に鑑賞している。そしてもう一つは、これまでその熱心なスポーツファンのニーズを受け止め切れているサービスがなかったので、我々が乗り出す決意をした」とし、DAZNを利用すればこれまでにないスポーツ映像体験が味わえると強調した。

 ローンチの時期を今に定めた理由についても説明が続く。中村氏は「世界的に見ても今はOTT(インターネット経由で提供されるサービス)が全盛の時代。今こそ機が熟した。スポーツの試合をリアルタイムでお見せするためにはOTTが最適だと考える。そして、秋は国内外の主要スポーツリーグがスタートする時期であることから最適と判断した。また2020年の東京オリンピックに向かってスポーツ人気の機運が高まるとみている」とした。

 中村氏は今後も世界的にスポーツコンテンツの動画配信が伸びていくだろうとしながら、DAZNが日本の市場拡大に貢献したいと述べた。テレビの放送や、先行する動画は新サービスとの関係性については「競合相手ではなく、共存共栄を目指すべき良き仲間」としながら、「DAZNは100%スポーツのサービス。作り手側も四六時中頭の中がスポーツでいっぱいな人間が集まっている。そこが他のサービスとの大きな違い」として独自性を主張した。

 CEOのジェームズ・ラシュトン氏は「DAZNはスポーツの観戦スタイルを自由にしたい。スポーツファンに寄り添ったユーザー目線のサービスであり、特にこれまでは高い契約料金を払わなければ見られなかったコンテンツがリーズナブルに楽しめることが大きな魅力。ユーザーだけでなく、コンテンツの権利保有者にも利益を還元できるスタイルを模索したい。動画配信による視聴体験が、スポーツの新たな未来を切り拓くだろう」とローンチに向けた抱負を語った。

 発表会後にはDAZNの日本マーケティング&パートナーシップ本部長であるピーター・リー氏が記者からの質問に答えた。今回は配信映像の画質がフルHDから始まる。国内では徐々にフルHDを超える高画質な4Kテレビの普及が進んでいるが、今後の4K画質への対応については「ユーザーの視聴環境の変化をみながら柔軟に対応していきたい」とした。

 なお、ライブ配信後の試合はオン・デマンド配信も行われるが、モバイル端末で視聴するユーザーのために端末へキャッシュしてオフラインで視聴できる機能については「日本市場ではリクエストの多い機能であることは調査によりわかっているので、開発の計画はある。今後も対応を検討したい」とCEOのラシュトン氏がコメントしている。

 スポーツの試合以外にも、ルックスのいい選手目当てだったり、周りで話題になっているので取りあえずどんなスポーツか知りたいといった、よりライトな動機でスポーツコンテンツを見たいというユーザーもいるはずだ。DAZNではスポーツの試合しか配信しないのだろうか。ラシュトン氏は「作品ラインナップのバリエーションは強化するつもり。選手へのインタビューやその他の番組についても検討したい」と返した。

 国内開催のJリーグの試合など、DAZNで視聴できるコンテンツを海外に発信していく計画はあるのだろうか。リー氏は「DAZNの日本ローカルで視聴できるコンテンツについては、多くが国内に限定した形で配信契約をコンテンツホルダーと締結したものなので、海外で視聴可能にするためには新たに放映権を結ばなければならない」とし、直近での計画はないことを明らかにした。

 また利用料金の支払い方法については現在のところクレジットカードに限られているが、これは同社が独自に調査を行い、ポテンシャルユーザーの多くがクレジットカードによる決済を望んでいたためだとリー氏は語る。その上で「今後も要望があればほかの決済手段についてもサービスの拡張を検討する用意はある」とした。

 またコンテンツ販売のパートナーとして、キャリアと手を組んで広く展開していく考えについては「いまいくつかの通信企業とディスカッションをしている。ポジティブな反応も得ているので、前向きに取り組んでいきたい」とラシュトン氏が現況を明かしている。

 なお、2016年8月時点の配信コンテンツは以下の通り。

■サッカー
Jリーグ J1, J2, J3(2017年~) 、ブンデスリーガ 1部、2部(ドイツ)、セリエA(イタリア)、リーグ・アン、リーグ・ドゥ(フランス)、DFBポカール(ドイツ)、FAカップ(イギリス)、FAコミュニティ・シールド(イギリス)、スコティッシュ・プロフェッショナル・フットボールリーグ(イギリス)、プリメイラ・リーガ(ポルトガル)、エクストラクラサ(ポーランド)、コパ・スダメリカーナ(南米)、イングランド・フットボールリーグカップ、キャピタル・ワン・カップ、ジュピラー・プロ・リーグ+スーパーカップ、ディビジョンプロフェッショナル(パラグアイ)、プリメーラ・ディビシオン(ボリビア)、プリメーラ・ディビシオン(エクアドル)、プリメーラ・ディビシオン(ペルー)、プリメーラ・ディビシオン(チリ)、ロシア・ナショナル・フットボールリーグ(ロシア)

■野球
横浜DeNAベイスターズ(日本)、MLB(アメリカ)

■バレーボール
Vリーグ(日本)

■総合格闘技
UFC(アメリカ)、HBOボクシングイベント(アメリカ)、世界ボクシング選手権、キックボクシング選手権、格闘技Live、総合格闘技イベントLive

■バスケットボール
NBA(アメリカ)、リーガ・ナシオナル・バスケットボール(アルゼンチン)、フィリピンプロバスケットボールリーグ(フィリピン)、VTBユナイテッド・リーグ(ロシア)

■テニス
ATPワールドツアー・250シリーズ、WTA

■モータースポーツ
F1、GP2、GP3、ポルシェスーパーカップ

■アメリカンフットボール
NFL(アメリカ)

■ダーツ
PDC(アメリカ)

■ビリヤード
Champion of Champions(イギリス)、ワールド・プール・マスターズ(イギリス)、ワールド・カップ・オブ・プール(イギリス)、モスコーニカップ(イギリス)

■卓球
世界卓球選手権

■ボーリング
ウェーバーカップ(イギリス)

■フィッシング(釣り)
Fish O Mania(イギリス)、Fish O Maniaインターナショナル(イギリス)
山本 敦

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