もはや公然の秘密となっている、Appleによる自動運転車開発プロジェクト(コード名「Titan」)。これまでも何度かそのプロジェクト進捗に暗雲が立ち込めているという噂があったが、事態はかなり深刻なようだ。
開発組織は約1,000名の構成員から成るが、うち数百名はすでに配置転換または退社し、プロジェクト自体も、当初の自動運転車そのものを開発するものから、システムを開発する方向にシフトチェンジしているという。これは、米Bloombergが報じたもの。担当記者が、元9To5Macの記者で、Appleの内部情報に精通することで知られるマーク・ガーマン(Mark Gurman ) 氏であるということも重要だ。
どこの組織でもそうかもしれないが、こうした方針転換の決定的な要因となったのは、リーダーシップの欠如にあったようだ。夏前に責任者交代があったことはもちろんだが、内部でマネージャー同士の争いがあったことも、問題視されている。
シフトチェンジしたプロジェクトの最終ジャッジは、2017年後半に下されるとのこと。当初の、自動車そのものを売る計画から、システム・プラットフォームの販売に切り替えたわけだが、仮にプロジェクトがこのまま継続されても、マージン収入でどれだけ優れた基本ソフトが維持できるのかには、疑問が残る。iPhone以来のイノベーションを起こす可能性があるとも騒がれた注目プロジェクトの行方はいかに。
Tsujimura