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HDRに高速ネットワーク対応!ドコモ2017年夏スマホを徹底分析

2017-05-24 19:04:52
 NTTドコモは、2017年夏モデルとして発売する新しいスマホ・タブレット8機種を発表した。その中から注目を集めそうな上位モデルのインプレッションをお伝えしよう。

■スマホの動画再生が一段とキレイになる?「HDR」対応スマホ3機種

 本日ドコモが開催した発表会の冒頭、吉澤和弘社長は「HDR」という耳慣れないキーワードを口にした。「HDR」とは「High Dynamic Range」の略で、デジタル映像を高画質化する技術だ。家庭用の薄型テレビでは徐々に認知が広がっているが、HDR対応の新しいスマホが一斉に発表される機会はこれが初めてになる。

 HDRに対応した機器、目で見たクオリティにより近い映像を再現できるのが特徴だ。その違いを味わうためには、コンテンツとディスプレイの両方がHDRに対応している必要がある。今回ドコモの発表会ではHDR対応のスマホが新たに4機種発表されたほか、今夏からはひかりTVやdTVの動画配信サービスでスマホ向けのHDR映像コンテンツが公開されることも明らかになった。

 対応する端末はソニーの「Xperia XZ Premium/SO-04J」、サムスンの「Galaxy S8+/SC-03J」「Galaxy S8/SC-02J」とシャープの「AQUOS R/SH-03J」の4機種。

 発表会場ではHDRの映像と、従来の映像を並べて表示するデモンストレーションをそれぞれの端末で体験することができたが、映像の明暗のコントラスト感や色の鮮やかさは明かな違いが感じられた。ソニーが2015年秋に初の“4Kスマホ”「Xperia Z5 Premium」を発売した時には、スマホ向けの4K映像を見て正直その違いがいまひとつ伝わりにくく感じたものだが、HDRとそうじゃない映像の差は誰の目にも明らかに映ると思う。

 ひかりTVとdTVでは、現在の利用料金を据え置いたままHDRのコンテンツを配信する方針を固めている。スマホによるHDR再生の実力を体験するためには、スマホの本体とコンテンツの両方を揃える必要があるので、敷居は少しでも低い方がありがたい。あとはHDRスマホの売れ行きが順調に伸びれば、HDRの価値が多くのスマホユーザーに知られることになるだろう。

■各社ハイエンドモデルの手応えは?

 ドコモが2017年夏モデルとして発売するスマホは7機種。うちHDR対応の上記4機種に1機種を加えた合計5機種がハイエンドモデルになる。

 ソニーは「Xperia XZ Premium/SO-04J」と「Xperia XZs/SO-03J」の2機種。Xperia XZをベースにカメラ機能を進化させているXperia XZsは、既にソフトバンクとauも今夏の取り扱いを表明しているスマホなのでよくご存知の方も多いと思う。Xperia XZ Premiumは約5.5インチの4Kディスプレイを搭載した上位モデルで、国内のキャリアではドコモだけが販売する。

 本体に搭載するメインカメラでは、960fpsの高速撮影と約32倍速のスーパースローモーション再生が楽しめる。シャッターを切ったタイミングよりも少し前の被写体の動きを“先読み”して写真が撮れる機能も斬新だ。ソニーの高級デジタルカメラ「αシリーズ」のエンジニアも開発に参加したという、ソニーらしいハイクオリティを追求したカメラ機能だが、直近のスマホカメラのトレンドになりつつある「デュアルレンズ」にもぜひ挑戦して欲しかった。細部がリファインされたデザインと、光にかざしながら方向けると様々な色合いに変化する「ディープシーブラック」のモデルはカラーリングにも工夫を感じるが、より大胆なイメチェンにもそろそろチャレンジが求められているように思う。

 外観が大きく変わった印象を受けるのはサムスンの「Galaxy S」シリーズだ。特に約6.2インチの大画面を採用する上位の「Galaxy S8+」は、本体がスリムなので片手持ちの操作も苦にならない。フロント側がほぼ全面ディスプレイというルックスにも心奪われるものがある。

 本機もHDR対応の高画質をうたうスマホだが、画面サイズが「18.5対9」と特殊なため、一般的なVODサービスに多い「16対9」の映像を表示すると両サイドに黒いオビが表示されてしまったり、この画面のクセに慣れる必要はありそうだ。あとは他愛もない心配かもしれないが、フロント面全体に保護フィルムを貼る作業も集中力が求められるように思う。「Xperia XZ Premium」と「Galaxy S8」シリーズはともにメタルの背面に触れるとやや指紋が目立つのも気になった。

 上位の「S8+」と弟機の「S8」の差分は画面サイズ、バッテリーの容量とドコモの受信時最大788MbpsをサポートするPremium 4Gへの対応。販売価格にもよるが、ネットワーク速度の将来性を考えれば「S8+」の方が筆者は買いだと感じた。

 シャープの「AQUOS R/SH-03J」も受信時最大788Mbpsの高速通信に対応するハイエンドモデルだ。今回の高速ネットワーク対応は、ドコモが扱う3.5GHz帯と1.7GHz帯による3バンドのキャリアアグリゲーション対応と、256QAMへの変調多値化に4×4MIMOの伝送モードを効率化したことによるものだ。ドコモが展開する700Mbps超のエリアはいま全国都道府県250都市以上に広がりつつある。スマホの通信速度は現状でもう満足という向きもあるかもしれないが、今後もしスマホ向けの4K動画配信など大容量データを扱うエンターテインメントコンテンツが普及してくれば、ドコモの高速対応スマホの優位性が実感できるようになるかもしれない。

 機能面ではHDR対応にも抜かりのないシャープのAQUOS Rだが、ルックスは飾り気がなくとても“フツウっぽい”スマホだ。カラバリも三色揃えるが、曲面ガラスやメタルフレームの質感をフルに活かしたXperiaやGalaxyに比べると平凡な印象を受けてしまう。タッチ精度やスピードの速い新開発のハイスピードIGZO液晶も乗っているが、ほかの上位モデルと比べた時に本機を選びたくなる要素が前面に出てこない。購入を検討される場合は、店頭で様々な機能をじっくりと体験してみることをおすすめしたい。

■dtabにはドコモ初のeSIM(埋め込みSIM)が採用された

 このほかにもドコモオリジナルのタブレット「dtab」が久しぶりにモデルチェンジした。新機種の「dtab/d-01J」はディスプレイのサイズが約8.4インチ。iPad miniを少し大きくしたぐらいだ。Androidのバージョンは6.0。

 “はじめてのタブレット”を求めるエントリー層をターゲットに見据えたdtabシリーズだが、今回は埋め込みタイプの「eSIM」を、ドコモのスマホ・タブレットとして初めて搭載した点が注目される。eSIMを採用するデバイスはSIMカードの差し替えが要らないので、今回ドコモでは購入時にはショップのスタッフが、また購入後もユーザーがSIMカードを出し入れして設定する手間が省けることを特徴としてうたっている。

 iPad Proに搭載されているApple SIMのように、海外に出かけた際にアクティブなネットワークを自動で取得して通信サービスが利用できる機能も欲しかったところだが、あいにくdtabにはそもそもローミングの機能が搭載されていない。国内専用モデルである。SIMカードスロットは別途乗せているので、本機のSIMロックを解除してMVNOのサービスに乗り換えることは可能だ。ドコモでは本機を発売後、eSIMに対するユーザーの反応を見ながら今後のモデルにも搭載していくことを検討していく考えだという。

■スグ電と留守番電話

 このほかにも、本日発表されたドコモのスマホに関連する新しいサービスを2つ紹介しておこう。ひとつはスマホにタップする回数をなるべく減らしながら円滑なコミュニケーションを実現する「スグ電」の機能が進化した。

 今回追加されたのは音声による自動終話機能だ。会話の最後に「失礼します」「バイバイ」などのキーワードを感知すると、その後スマホを耳から離すだけで自動的に終話して、待ち受け画面に切り替わるというもの。「ほなね」「したっけ」のような「さよなら」を表す日本語の方言にも対応している。今回発表されたスマホ7機種の中から、arrows Beを除く6機種で5月26日より順次利用可能になる

 もう一つは留守番電話のメッセージを自動でテキスト化してアプリに表示する「みえる留守電」だ。「留守番電話サービス」とspモードを契約すると、6月下旬から「ドコモ留守電アプリ」で新機能が使えるようになる。月額利用料金は300円で、一部機種を除くAndroid 5.0以上を搭載するドコモのスマホ・タブレットで利用できる。スマホを耳に当てて、スピーカーから再生される留守電のメッセージを聞くことが難しい、会議の時間などに使えると重宝しそうな機能だ。
山本 敦

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