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【レビュー】握って操作は快適か!? EDGE SENSE搭載のHTC「U 11」

2017-06-30 07:00:04
 久しぶりにこれは面白いかもしれないというスマートフォンと出会った。

 スマートフォンの操作といえば、画面上に表示されたアイコンをタッチしたり、筐体をシェイクするといったものが一般的だが、このほどHTCから発売される「U 11(ユーイレブン)」という機種は、そこに"握る"という提案を持ち込んだ。この操作方法を同社は「EDGE SENSE(エッジセンス)」と呼んでいるが、これまでになかったアプローチなので、今回実際に製品をお借りして数日間試させてもらった。

◆ハイエンドな基本スペック

 まずは、U 11の基本スペックについてご紹介しておこう。

・U 11製品概要
画面サイズ:約5.5インチ
解像度:2,560×1,440(WQHD)
カメラ:メイン約1,200万画素(ウルトラピクセル)、サブ:約1,600万画素
バッテリー:3,000mAh
RAM/ROM:4GB/64GB
CPU:MSM8998 2.36~2.45GHz/クアッドコア+1.9GHz/クアッドコア
本体サイズ:約76×154×8.3mm
重量:約170g
Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac
基本ソフト:Android 7.1

 こうした基本スペックに加えて、防水防塵対応(IPX7/IP6X)、おサイフケータイ搭載と日本人向けな性能をきっちり押さえている点も特徴だ。カラーラインナップはアメイジングシルバー、サファイアブルー、アイスホワイト、ブリリアントブラックの4色展開。





 今回お借りしたサファイアブルーだが、ご覧の通りリアの鏡面仕上げが美しい。一方で、最近流行りの丸みを帯びたデザインなので高級感という意味ではあまり感じられない点が残念。やはりデザイン面ではiPhone 4sやiPhone 5sあたりが至高か。ただ、丸みを帯びたデザインならではの利点として、ファブレットサイズの本体だが握りやすい。

 使用感に話を移すと、「Snapdragon 835」を搭載していることからも分かる通り、各社が発表している夏モデルの中でも最高レベルの処理能力を誇っており、通常使用においてはもちろんゲームや動画閲覧などを行った際でもヌルヌルと快適に動作する。ここまでは各社のスマートフォンでも当たり前になってきた印象だが、同商品の売りである"握って操作する"EDGE SENSEはどうか。

◆EDGE SENSEは慣れるのに多少時間が必要も、快適な操作性

 まず、EDGE SENSEで可能な操作はカメラの起動および撮影、そしてGoogle検索、SMSだ。



 結論から言ってしまうと、かなり便利だが慣れるまで少々時間がかかるというのが正直な感想。"慣れ"というのは恐ろしいもので、1週間の試用期間の中ではなかなか慣れることができず、写真を撮影したいときは"カメラアイコンを探す"という作業がまず脳で直感的に浮かんでしまった。

 スマートフォンの登場から、かれこれ10年間同じ操作を繰り返してきただけに、少し時間はかかりそうだが、握るだけで写真が撮れるというのは実に便利。実際、ポケットから取り出して端末をスリープ状態から解除せずともすぐにカメラをスタンバイして撮影できるので、これまでよりもシャッターチャンスを逃すことが減りそうだ。また、近年SNSへのアップなどが目的で自撮りをする方が増えているが、自撮りへの切り替えもカメラアプリを起動した状態で軽く握るだけと容易である。もちろん、自撮りする際も握るだけと簡単。



 また、個人的にはこの"握る"EDGE SENSEは新しい機能だけに、その感度が心配で何度もテストしてみたが、実に良好だった。「握った」という感覚程度に力を入れるとカメラが起動するが、かと言って普段スマートフォンを持っている程度の力では反応しない。絶妙な力の入れ具合をしっかりと認識し、それが繊細に反映されるのが感じ取れる。慣れてしまえば、ユーザーとしてはストレスなく新機能を堪能できそうな印象だ。

◆やや男性向き?EDGE SENSEは握る強さを調節可能も・・・

 ただ、U 11はいわゆるファブレットサイズだけに、手が小さな女性はしっかりと持つことが難しいかもしれない。



 端末を覆うように握れないと、思ったようにEDGE SENSEに握力が伝わらないわけだが、そのあたりをカバーしようという努力は垣間見える。EDGE SENSEは設定から圧力レベルを10段階で設定することが可能。もしも自身の握力レベルがわからない場合は、握る圧力レベルをテストすることもできる。



 ただ、この圧力レベルのテストを行ってみると分かるが、そもそもの設計がやや圧力が強い方に向いている印象。おそらく、スマートフォンをユーザーがただ持っているだけなのか、はたまた握っているのかを識別する必要があるからだろうが、男性である筆者がテストしてみると、主観で軽く握った程度ではEDGE SENSEが反応しなかったことから、手が小さく握力が弱いという方にはおすすめしにくい機種と言える。このあたりは今後の課題か。

◆カメラ性能の良さは特筆モノ

 EDGE SENSEを使っている中で、カメラ性能の素晴らしさにも驚いた。最近のスマートフォンカメラはiPhoneをはじめとしていずれも美しくなったものだが、このU 11に搭載されているカメラはその中でもトップクラスに美しい印象。特に夜景ではその真価を発揮する。こちらは筆者のiPhone SEとU 11で同じ場所を撮影した写真の比較。

U 11にて撮影


iPhone SEにて撮影


U 11にて撮影


iPhone SEにて撮影


 明らかに、U 11の方が採光量が多く、明るくクッキリと撮影できていることが分かる。夜景を撮影したことのある方ならわかると思うが、暗い中でこれだけ被写体を鮮明に捉えることは正直難しい。これはF値1.7の高精細カメラを搭載しているからこその仕上がりと言えよう。また、EDGE SENSEによるカメラ起動が高速であることはお伝えしたとおりだが、ピント調節もかなり速い印象。「ウルトラスピードオートフォーカス」機能を搭載しているので、撮影したいという意思を抱いてから被写体を捉えて撮影するまでが驚くほど滑らかだ。

◆オーディオ品質にも強いこだわり

 指名買いも多くなってきたハイレゾ。U 11はハイレゾ音質に対応していることはもちろん、ユーザーの耳にあわせて最適なハイレゾ音質を届ける仕様になっている。

 まずは同梱されているイヤホンを装着し、「設定」から「Uソニック・ハイレゾ」を選択すると、端末がユーザーの耳を解析。カスタマイズ前はやや高音が弱いような印象があったが、カスタマイズ後は驚くほど精細に再生されていることが感じられるようになった。このあたりは個人差もあるだろうが、低音もカスタマイズ前と比べてより重く響くようになった印象だ。

 また、ノイズキャンセル機能も搭載。電車や人混みの雑音については概ねカットされている印象だが、子供の高い声が響いた際などはどうしても少しだけ入ってくるように感じられる。ただし、ノイズキャンセル機能を搭載した他の多くのヘッドホンやイヤホンでも同様の問題は感じられる傾向にあるので、この部分については平均点といったところか。

◆新機能は良好!あとはデザイン面とサイズ感が課題か

 ここまで色々と見てきたU 11だが、結論としてスペック面や新機能であるEDGE SENSEには一定の評価を与えたい。動画編集をしてもサクサクと動くハード、そして握るだけでカメラ撮影をはじめとした操作ができるEDGE SENSEは実に便利だ。慣れてしまえば快適に使える機種だろう。

 一方で、冒頭でもお伝えした通り、ややデザインの高級感という面ではiPhoneやGalaxyに劣る印象。毎日持つものだけに、所有欲を満たす端末であればより商品としての価値が増すだろう。また、大きすぎて握れないという問題も、今後快方に向かって欲しいところだ。新たなアプローチであるEDGE SENSEの快適さを万人が享受できるよう、もう少し画面サイズの小さな端末もあってよいかもしれない。
Tsujimura

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