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nuroモバイル誕生から1年……「ユーザー目線」でのサービス強化の取り組みを聞く

2017-08-29 11:30:02
 ソニーネットワークコミュニケーションズは、昨年10月に立ち上げたMVNOブランド「nuroモバイル」の大幅なサービス強化を今夏に図った。「深夜使い放題」「データ前借り」に加えて、通話サービスの「10分かけ放題」など、内容も多岐にわたるサービスが企画・追加された背景を、同社モバイル事業部門 ビジネス開発部 部長の細井邦俊氏、同部モバイル推進課 チーフの松井健一氏にインタビューした。

■船出から約1年。人気のプランが成長してきた

 間もなくブランドの誕生から1年を迎えるnuroモバイルでは、いまどのサービスが人気を集めているのだろうか。細井氏は、ユーザーが毎月使うデータ容量に合わせて1GB単位で契約を選べる「容量プラン」の中では、特に手頃な2~3GBプランの利用が多いと答えている。その理由としては、まず低容量のプランからnuroモバイルのサービスを試してみて、徐々に必要な容量を足していくというケースが比較的多いからであるとみている。

ソニーネットワークコミュニケーションズ モバイル事業部門 ビジネス開発部 部長 細井邦俊氏

 その次に多くのユーザーを獲得しているのは2月からスタートした「時間プラン」だ。1日に上限5時間までの高速LTE通信を、月額2,500円で定額利用できるというサービスだ。

 ビジネスマンの1日を想定して、朝の通勤時に1時間、昼休みに1時間、帰宅時の1時間と帰宅後から就寝までの2時間を合計して5時間という枠組みが設計された。「1日の中で不自由なく快適に高速通信を使っていただけるベストと考えた」と松井氏が説明する。一般に高速データ通信のトラフィックは、都心のビジネス街や商業エリアなどスマホ人口が増える場所を中心に昼休み時間帯が混雑する傾向にある。nuroモバイルの場合も同時間帯の通信品質を向上して欲しいというユーザーからの声が上がってきているという。松井氏はその声を真摯に受け止めながら、通信品質の向上を目的とした設備増強などのチューニングを積極的に検討していく考えを述べている。

ソニーネットワークコミュニケーションズ モバイル事業部門 ビジネス開発部 モバイル推進課 チーフ 松井健一氏

■多くの注目を引きつけている「時間プラン」

 8月1日からは時間プランのバリエーションとして、深夜の1時から朝6時までの5時間に限って高速データ通信を使い放題として、通常の時間プランよりも1,000円安く提供する「深夜割プラン」が始まった。特に深夜の仕事に勤めていたり、同時間帯にデータ通信を頻繁に使うユーザーをターゲットに想定しているという。

月額1,500円の深夜割プランが誕生

 細井氏は「発表後から大きな反響を受けて、あらためて時間という区分で高速データ通信を求めるお客様のニーズが高いことを実感した」と語っている。深夜割プランは高速通信が利用できる時間帯が限られているので、ターゲットもやや狭まると考えられていたが、今のところ申込みは想定していた以上に多くあるという。通常の時間プランから深夜割りに移行するケースはあまり多くないが、むしろnuroモバイルの新規ユーザー獲得を牽引するマグネットになっているようだ。松井氏は今後もユーザーの利用動向を見ながら、異なる時間枠のプランが必要ならば増設も検討したい考えを述べている。

 筆者も以前に取材でnuroモバイルの時間プランを試してみたが、5時間もあれば思いのほかゆったりと高速データ通信が使えると感じた。昼休みの時間帯には確かに速度が遅くなることもあったが、そこを避ければ動画や音楽コンテンツのストリーミング再生を不便なく利用できるので、電車での移動中やカフェで過ごす時間に楽しみが増える。時間プランを活用してできることが広がるイメージをより強く打ち出せれば、nuroモバイルの独自色をアピールできるはずだ。

■データを翌月のプラン容量から前借りできるサービスも登場

 8月から新サービスの「データ前借り」も加わった。nuroモバイルでは先行して100MB/400円から、容量を選んで通信量を追加購入できる「チャージ」サービスを提供してきたが、「データ前借り」については、月末になってチャージするほどではないが、あと少しだけ容量が必要なユーザーに追加料金をかけずに問題を解決できる手段を提供することが狙いだと細井氏が説明する。nuroモバイルのユーザーであれば申込み無料で使える手軽さも受けているようだ。

翌月のデータ容量を追加料金なしで利用できる「データ前借り」サービス

 細井氏は、ユーザーが様々な使い方に合わせてプランをカスタマイズできる自由度の高さがnuroモバイルの強みであると胸を張る。「容量プランは2GBから1GBきざみでご契約いただけますが、プラン変更も月単位で手軽にできるので、ある程度使ってみれば無理なく使い切れる最適なデータ容量を見つけていただけると思います。万が一、データ容量が余った場合は翌月に繰り越したり、足りなくなった場合にもチャージや前借りを併用することができます。さらにnuroモバイルのユーザーどうしでデータをプレゼントできるパケットギフトも便利です。」(細井氏)


■無料通話サービスは値段据え置きで時間を拡大

 「nuroモバイルでんわ」の通話かけ放題プランは月額800円の料金を据え置きながら、回数無制限で使える時間幅を5分から10分に拡大した。これまでnuroモバイルでんわを利用していたユーザーも手続き不要で使えるようになる点にも注目だ。松井氏は「nuroモバイルのユーザーは30代から40代の方々が多いこともあり、通話定額サービスもビジネスからプライベートまで幅広いシーンで利用される傾向にあるとみています。10分の定額通話は他社の動向も見ながら決めた長さですが、より広範なお客様のニーズにアプローチできる最適な長さと考えています。」と、新たなプラン設計に自信をみせる。

通話かけ放題プランは800円の月額料金を据え置いたまま、利用可能時間が5分から10分に拡大された

 8月におこなわれた記者発表会では、毎月500MBまでの無料データ通信が付いてくる通話プラン「0 SIM」と併用するモデルケースも紹介されていた。スマートフォンを「電話中心」に使うというニーズは主婦層のほかシニア層に多くあり、nuroモバイルも一定のユーザーから支持を得ているという。松井氏によれば、例えば2台持ちのスマートフォンの片方を電話専用、もう片方をデータ専用として、それぞれに安価に利用できるプランを組み合わせて使いこなすユーザーもいるようだ。MVNOのサービスを賢く選んで使う成熟したユーザーも増えつつあるのだろうか。

■サポートを充実させて、ユーザーの声も丁寧に拾い上げていく

 nuroモバイルはサポート体制の拡充にも力を入れてきた。月額500円の追加料金を支払うことで、端末の破損や水濡れ、自然故障などが発生した場合に修理や交換が利用できる端末保証プランを発表。端末やnuroのサービスの使い方、設定方法などのアドバイスが受けられるコールセンターによる遠隔サポート、ならびに訪問サービスを提供できる体制も整えた。

 松井氏はサポート体制の強化策が、ユーザーの生の声を集めるタッチポイントになることにも期待を寄せている。松井氏は「MVNOのユーザーサポートについては様々なご意見が出てきていると把握していましたので、nuroモバイルとしても最重要課題として取り組んできました。遠隔サポートへの申込みについてはまだ始まったばかりですが、既に多くの問い合わせが来ています。その内容も精査しながら、さらなるサービスの発展につなげたい」と意気込みを語っている。

■nuroモバイルがXperiaシリーズを扱う計画はあるのか

 nuroモバイルでは通信サービスと端末のセット購入のプランも設けている。新端末が発売されるとセットでの申込みが増える傾向は、ほぼ市場全体の流れと同調していると細井氏が説く。

nuroモバイルが取り扱う端末もミドルレンジクラスを中心に拡大中。Xperiaシリーズの登場も待たれるところ

 取り扱い端末については、ASUSのZenFoneシリーズ、VAIO Phoneなどミドルレンジクラスの端末が人気を集めているようだ。nuroモバイルはソニーグループのサービスなので、今後国内で人気のXperiaシリーズもラインナップに加えて欲しいというユーザーの声もあるにちがいない。松井氏は今後Xperiaシリーズを加える計画については明言を避けたものの、「他社の端末も含めて、nuroモバイルのプランと使い方などがフィットする製品を積極的にラインナップに加えていきたい」と述べている。

 最後にnuroモバイルの今後の展開を細井氏にうかがった。細井氏はブランドの誕生から約1年が経って、ようやく幅広いユーザーのニーズに答えられる体制が整ってきたとしながら、最適なデータ容量や通話時間の長さなどについてアレンジを効かせたプランの新設にも意欲的に取り組む姿勢をみせた。一方では「現在ご利用いただいているお客様すべてに公平感を感じてもらえるような、全体のメニュー設計を意識することも大事」であると細井氏は指摘を加える。

 細井氏はまたnuroモバイルの基本方針である「シンプルでわかりやすいプラン設計」を崩すことなく、MVNOのサービスを初めて選ぶユーザーにとって親しみやすいサービスを適正価格で提供することの必要性についても念を押している。nuroモバイルとしては「格安」を目指すのではなく、数あるMVNOの中でも特に信頼性の高いサービスとしてのブランドカラーを打ち出すことが大切であると、細井氏と松井氏がインタビューの中で繰り返し強調していたことが印象に深く残った。
山本 敦

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