昨年秋頃から日本でもカタルーニャ州独立運動のニュースが取り上げられるようになった。当時バルセロナの街がデモで騒がしくなっていると聞いていたが、世界最大級のモバイル展示会「Mobile World Congress 2018」は何事もなかったかのように平常通り開催される。筆者は今回、ロシアの航空会社アエロフロートでバルセロナに向かった。その道中、機内でWi-Fi通信サービスを使ってみた。
■アエロフロートの成田発、モスクワ・シェレメーチェボ空港行きで機内Wi-Fiを試す
アエロフロートの成田発ーモスクワ・シェレメーチェボ空港の往復便では2012年から機内インターネットサービスの提供が始まった。機体にはエアバス社A330とボーイング社のB777の2種類があるようだが、どちらの場合でもスイス・Sitaonair社の機内Wi-Fiサービス「OnAir」が利用できるようだ。今回筆者が乗ったSU261便はA330の方だった。
なおアエロフロートの機内インターネットサービスは各クラス共通で有料提供されている。価格も割高で、A330便にはS/M/Lと離陸から着陸までの間150MBを時間無制限で使えるInfiniteがある。Sは15分、または10MB、Mは1時間、または30MBをそれぞれ超過すると終了。時間はともかくデータ使用量が非常に少ないので、最初から使い物になるか不安だった。
機体がA330の便は4種類のWi-Fiサービスが選択できる
Infinite(無制限)という名前のプランもあるがデータ容量50MBまでとあまり頼りない
機内に乗り込んでから、航空機が巡航高度に達するとインターネットサービスが使えるようになったとアナウンスが流れる。持参したiPhoneでつないでみることにした。
iPhoneのWi-Fiをオンにして、アクセスポイントにOnAirを選択。続いてプラン選択からクレジットカードの支払情報入力という流れになる。VISA、MasterCard、AmericanExpress、JCBなどのカードやデビットカードが選択できる。今回は最もスタンダードな「Medium/1時間 or 30MB上限」のプランを選んだ。
アクセスポイント「OnAir」に接続すると各メニューと支払方法が表示される
使用開始から1時間、またはデータ量が30MBをそれぞれ超過するまで使えるMediumプランを選択
支払はUSDになる
つながってから速度の計測も試みたがことごとくエラーに。実感ベースでの報告になるが、やはり思った通り30MBはあっという間に尽きてしまった。気になっていたオリンピックの女子フィギュアスケートの結果をWebで調べて、家族にSMSを2通試しに送り、編集部にSkypeで機内の様子を撮影した写真をメッセージとともに送ろうとしたら最後のタスク中に力尽きた。
ブラウザの接続を試みず、テキストメールのやり取りだけならもう少し延命できたかもしれないが、結論としてはよっぽど重要な連絡事項がない限り、成田ーモスクワまでの約9時間のフライトはほかのことをしてのんびりと過ごした方が有益だと思う。
接続中のデータ使用量はホーム画面でモニタリングもできるが、チェックするまでもなくあっという間にデータを使い切ってしまった
■シェレメーチェボ空港の無料Wi-Fiは快適
思った以上に明るく活況を呈していたシェレメーチェボ空港・ターミナルDのカフェスペースで試してみた
なおシェレメーチェボ空港には無料で使えるWi-Fiがある。こちらは非常に快適だったので合わせてレポートしておこう。
モスクワ・シェレメーチェボ空港の無料Wi-Fiが使える
筆者が到着した「ターミナルD」はほぼ全域でアクセスポイント「_Sheremetyevo Wi-Fi」につながった。自身の電話番号を入力してSMSに記載されている6ケタのパスコードでユーザー認証をする方式。SMSの通信料金を負担することになるので、少額ながら費用は発生する。
SMSに接続用のコードが飛んでくる。受け取りに通信料金が発生する
6ケタのコードを入力
接続されてからは下りが1Mbps~3Mbpsの実効速度をキープ。上りは25Mbps前後まで到達することもあった。海外でも使えるSpotifyやLINE MUSICで音楽配信を聴いたり、Netflixで映画をストリーミング視聴することも快適にできた。ほかにも仕事のメールのやり取りや家族とのSkype通話などに時間を費やしていたら約2時間半の乗り継ぎもあっという間に過ぎていた。
Netflixがサクサクつながる
SpotifyやLINE MUSICを聴きながらのんびりと過ごせる
結論としてアエロフロートでの海外旅行は、飛行機の中ではオフラインの贅沢な時間を過ごして、インターネットにつながるのは空港に着いてからがオススメだ。
デバイス1台ずつにSMSによる認証が必要
※サムスン「Galaxy S9/S9+」の詳細レポート
山本 敦