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iPhoneも充電できる「バッテリーシェア」が便利!CATのタフネススマホ「S41」を試す

2018-03-19 08:15:03
 アメリカの建設機器メーカー、キャタピラー(CAT)のブランドを冠したタフネススマホ「S41」が日本に上陸した。本体に内蔵するバッテリーを使って外部デジタル機器を充電できるユニークなバッテリーシェア機能にも注目だ。

 屋外作業に携わる“現場系”ワーカーのためのタフネススマホとして捉えられがちなCATのS41だが、実はビジネスマンやトラベラーにもオススメできるお役立ち機能を搭載している。今回は日本でCATのスマホを取り扱うオンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンからS41の実機を借りて様々な機能を試した。早速レポートしよう。

iPhoneも充電できるスマホ、CAT「S41」の多彩な機能に迫ってみた

タフなだけじゃない、独創性も光るCATのスマホ
 CATブランドのスマホは英Bullittグループが企画・開発をして、世界70ヵ国以上で販売している。日本ではオンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンが2017年5月から取り扱いを開始した。筆者はスペイン・バルセロナで毎年開催されているMWCを2016年に訪れた時に、初めてCATのスマホと出会った。

MILスペックにも準拠したタフネススマホ「S41」

 特徴はその堅牢なボディと、スパイスを効かせた先進技術を搭載していること。たとえば日本でも発売されている「S60」にはサーモカメラユニットのスペシャリストであるFLIR社の小型赤外線サーモカメラユニットが内蔵されている。水漏れの点検や機械部品のメンテナンスなど、現場作業に携わるプロフェッショナルにとって“マスト・ハブなスマホ”として独自のポジションを築きながら、光る個性をアピールしてきた。CATはいつも「何か面白いことをやってくれそう!」という期待を抱かせてくれるスマホブランドだ。今回レポートする「S41」にも、いい意味でクセのある機能がずらりと揃った。

背面は特殊な強化ラバーで覆われている。周囲は強靱なアルミフレーム

 なお、S41は3月中旬以降に国内発売予定。価格はオープンだが65,000円前後で販売される見込み。SIMフリースマホとしては中上位価格帯に位置付けられる。

手袋を着けたまま片手で操作できるタッチ液晶
 S41に搭載されているプラットホームはAndroid 7.0。MediaTekのオクタコアプロセッサーと3GBのメインメモリーを搭載している。アプリの起動、タッチ操作への反応は劇的に高速とまでは言えないが、不自由には感じない快適さを実現している。

 画面サイズは5インチ。並べてみるとiPhone Xよりもタテに長いが、ヨコはほとんど同サイズ。厚みは2倍ぐらいありそうだ。今どきのスリムなスマホと真逆のゴツさは本機にとってのアピールポイント。重さも相当なものかと思っていたら、実はそうでもなく220gと片手で軽々と持てる範疇。174gのiPhone Xにハードなケースを付けたら同じぐらいの重さになりそうだ。

iPhone Xとのサイズ比較。5インチの画面ながら本体のタテサイズはiPhone Xを超える

厚みはiPhone Xのほぼ2倍

 堅牢性は米国国防省規格「MIL-STD-810G」に準拠。これがどんなものかと言えば、高さ1.8mからコンクリの地面に落としても耐える衝撃性能に匹敵するレベルだという。IP68の防塵・防水性能を実現。水深2mの場所に60分間浸しても起動できる。外気温はマイナス25度から55度までの環境下で使える。イヤホン端子やUSB端子はカバー付き。SIMスロットと独立したSDカードスロットにもカバーを装着する。

トップにあるイヤホン端子やUSB端子、SIMカードスロットはカバーでしっかりと塞ぐ

 ディスプレイ側のガラスは強度の高いGorilla Glass 5。クリアで直射日光下での視認性にも優れる。解像度もフルHDまで確保されているので、Amazonプライム・ビデオの動画もスムーズに見られた。ただし本体内蔵のスピーカーはボトム側だけのモノラルタイプなので、動画視聴の臨場感を得るならばイヤホンやヘッドホンの使用がおすすめ。

 ディスプレイは手袋を着けたまま操作できる「手袋モード」を設定からオンにして使える。濡れた手での画面操作も可能。指紋など生体認証によるセキュリティロック解除の機能は設けていないが、そのぶん手袋を着けたままパスコード入力でロックを解除できる。今では珍しくなったクリック感のある物理キーも本体の下側にある。たとえばこれからの季節はバイクや自転車でツーリングを楽しむ方に、グローブを着けたままサクサクと操作できるスマホとして紹介したい。

フロント下側にホームボタンなど懐かしい3つの物理キーを残している。手袋を着けたままの操作も簡単

手袋モードをオンにすると、その名の通り手袋を着けたまま画面のタッチ操作ができるようになる

プログラムキーからよく使うアプリやアクションを素速く呼び出せる
 本体の左側側面にはカッパーに塗装されたひときわ目立つ「プログラムキー」が搭載されている。こちらは「設定」メニューから「プログラム可能なキー」を選択すると、短押し/短押しのそれぞれにアクションやインストールしたアプリの起動を設定できるというS41のユニークな機能だ。長押しに「フラッシュライト」を設定しておくと、スリープ状態からでもすぐにフラッシュライトが起動できるので防災用途にも役立ちそう。筆者としては「テザリング」の起動に割り当てたかったのだが、メニューリストには「設定」アプリの起動までしか見当たらない。何か方法がないか引き続き調べてみたい。

側面の「プログラムキー」

プログラムキーは短押しと長押しの2つの操作にそれぞれ機能を割り当てられる

プログラムキーには本体にインストールされているアプリの起動、その他アクションの呼び出し設定が可能

iPhoneも充電できた!便利なバッテリーシェア機能
 本機の目玉である「バッテリーシェア」はビジネスマンにも便利に感じられそうな、S41をポータブルバッテリーとして使える機能だ。使い方はとてもシンプル。S41のパッケージに同梱されているUSB OTGケーブルをUSB端子に接続してから、その先にデジタル機器を付属するUSBケーブルでつなぐ。本体にOTGケーブルを接続するとバッテリーシェア充電モードの選択画面が表示される。モードは標準か高速充電が選択できて、高速充電時はスマホの電源をシャットダウンする。

バッテリーシェアは本体パッケージに付属するUSB OTGケーブルを使用。ケーブルを挿すと充電モードの選択メニューが表示される

 普段からプライベートと仕事用にスマホを2台持ちしているビジネスマンにとっては、どちらかにS41を選んでおけば片方のスマホのバックアップ電源にも活用できる。iPhone Xで試してみたら難なく充電できた。外出先でワイヤレスイヤホンの電源が尽きてしまったときにも大いに役に立った。ただし、この機能をいつでも活躍できるようにするためにはOTGケーブルとデバイスの充電用ケーブルを常時持ち歩く心構えが欲しい。

 S41には5,000mAhと容量の大きなバッテリーが内蔵されているが、デバイスを充電するためにスマホのバッテリーが0%になってしまっては本末転倒だ。バッテリーシェアのメニュー画面で、S41の内蔵バッテリーを何パーセントまで外部機器の充電に使えるようにするか、メニューからスライドバーを動かして設定できる。

Apple Watchのバッテリー切れも怖くない

デュアルSIMスロット仕様だが、いくつか注意点もある
 S41は海外旅行でも活躍するSIMフリースマホだ。旅行先の街をガイドブックを片手に持ちながら歩いていると、もう片方の手に持ったスマホを落としてしまうこともよくあるので、S41の高い堅牢性は頼もしい限りだ。移動通信は4G LTEと3G、日本国内では使えない2Gまで幅広くカバーする。4G LTEの周波数帯域はバンド1/3/8/9/19/28/41をサポートしているが、国内ではMVNO系も含めてKDDIのネットワークを使うサービスには対応していないので注意したい。

 海外旅行先では、現地で購入したプリペイドSIMカードなどを使ってネット検索やマップによるナビゲーションを活用したくなるだろう。本機にはnano SIMカードスロットが2基搭載されている。どちらも4G/3G対応になっているが、SIM1を4Gで使用している場合はSIM2が2G通信のみになってしまうことを覚えておこう。海外・国内を問わず4Gと4G、4Gと3Gといったコンビネーションで2枚のカードによるデュアルスタンバイができないということだ。

 カメラはメイン側が13MP、フロント側が8MP。メインカメラは明るい場所では色合いの自然な写真が撮れる。暗所でのフォーカス合わせがやや弱いようだ。音楽再生はBluetoothのオーディオコーデックがベーシックなSBCまでの対応になるが、アナログイヤホンジャックによる有線接続も含めて、イヤホン・ヘッドホンをつないで普通のスマホと同じように音楽再生が満喫できた。

 S41はキャラクターの立った見かけとスペックからしてタフネス推しのスマホであることは間違いないが、ビジネスに旅行、レジャーシーンにも役立ちそうな本機ならではのユニークな機能の数々を備えている。筆者も近く海外に出かける用事があるので、その時にもまたS41のパフォーマンスを確かめてみたいと思う。


※眠っていたiPhoneが高画質コンデジに……Lightning接続の外付けカメラ「DxO One」を試す
山本 敦

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