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ソニーのフラッグシップスマホ「Xperia XZ3」を詳細レビュー

2018-11-19 08:25:19


 11月9日よりSONYのフラッグシップスマホ「Xperia XZ3」が発売となった。今回はKDDIから同端末・Xperia XZ3 SOV39をお借りしたので、レビューしてみたい。同端末はXperiaシリーズで初となる有機ELディスプレイを搭載するなど、Xperiaファンも待望の端末となっている。



 販売価格は99,360円となっているが、様々な販売施策が適用され、実質価格は4~6万円程度だ。


Xperia XZ3のハードウェア全般


 このXperia XZ3は、前モデルのXZ2と比べ性能面でのスペックはそのまま踏襲している部分が多いが、有機ELを用い、ディスプレイ左右をラウンドさせて表示面を最大限拡げたエッジディスプレイを採用するなど、外見上の進化が大きなトピックとなっている。明暗をくっきり表示できる有機ELの特性を意識してか、黒基調の壁紙がプリセットされており、これにより黒いガラス表面にアイコンがまるで浮かんでいるように美しく表示される。ディスプレイサイズは、6.0インチQHD+(2,880×1440ドット)である。

左右がエッジディスプレイ

有機ELディスプレイは明暗が美しい上に表面そのものに情報表示されている感じである

 SoC(CPU)はクアルコムのSnapdragon 845(オクタコア、4x2.5Ghz+4x1.6Ghz) を採用し、4GBのRAM、64GBのROMを備える。またカメラはアウトカメラが1920万画素のシングルレンズ仕様、インカメラは1320万画素のシングルレンズである。バッテリー容量は3200mAh、IPX5/8相当の防水機能、IP6X相当の防塵機能も備え、またおサイフケータイ対応となっている。OSはAndroidの最新バージョンであるAndroid 9 Pieを搭載。

 背面にはカメラ付近におサイフケータイのセンサーがあり、またその下には指紋センサーが備えられている。少々残念なのは、実際にこの端末を握って操作すると指紋センサーの位置が低すぎて指を当てにくい。しかもカメラの縁も円形なので、カメラのレンズ部分を指紋センサーと間違えて触れてしまうことも。おサイフケータイのセンサーがカメラ付近ということは、改札機などにこの辺りを接触させることも考えられ、それでカメラが破損しないかという不安もある。この辺りはユーザーインターフェイスの改善が必要そうだ。

背面には指紋センサーも備えるが少々位置が低く使いづらい

端末左側にはボリュームボタン、電源ボタン、シャッターボタンなど

端末右側にはボタン類はない

端末上部にSIMカードスロットを備える

端末底部にはUSB Type-Cポートを備える

SIMカードトレイにmicroSDカードも装着可能

 本体サイズは約73(W)×約9.9(D)×約158(H)mm、質量は約193g。端末の縁がパネル面、背面ともラウンド仕上げのため、サイズほどの厚みを感じないが、ずっしりとした高級感ある重みが感じられる。また、左右がラウンドしているエッジディスプレイは過去にも他のメーカーの同様な機種をいくつか使用してきているが、端末を握った際に手のひらの一部がディスプレイ面に触れてしまってうまくタップ操作できないなどの使いにくさを感じるものもあった。しかし、Xperia XZ3では多少手のひらが触れていても、タップ操作する指の動作をきちんと認識し、正解に動作してくれた。

 また、このエッジディスプレイを活かして、ディスプレイ側面の任意の場所をダブルタップすることで、よく使うアプリを呼び出せる「サイドセンス機能」が搭載されている。何しろディスプレイ面が広いため、手が大きい筆者でもタップ操作しづらいと感じるシチュエーションがある。そんなときに、親指が触れているところをダブルタップすれば、親指が動く範囲にサブメニューが表示され、アプリや機能を呼び出せる。呼び出せるアプリや機能は、時間や場所、使用頻度などをもとに予測表示してくれる。左右どちらのベゼルにも表示でき、その位置も自在である。ダブルタップする速さのタイミングや、表示する側を固定するといった設定も可能である。

ディスプレイ側面の任意の場所をダブルタップしてサブメニューを表示できる「サイドセンス機能」

サイドセンス機能で呼び出されるアプリや機能は自動予測(左)。また感度や有効範囲などの設定も可能(右)

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シーンを自動認識して最適な表現をするカメラ機能
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 このところのスマートフォンは、カメラ機能で差別化を図るモデルが多い。このXperia XZ3のカメラに関しても、シーン別や自撮りなどの補正など昨今話題になる機能はほぼ網羅している。とくにこうした機能は中国メーカー製端末ではかなり大胆に補正をしてくれて、いわゆる“映え”る画像が楽しめるのだが、Xperia XZ3の画像補正の特徴を一言で説明するならば、自撮りは「やりすぎ」ながらも、風景写真などは「バランスよく控えめで自然さを重視」する補正にとどめているといったところだろう。

 カメラ機能の操作部分はシンプルで使いやすい。カメラを起動し、静止画を撮影するのか、動画を撮影するのかを左右スワイプで選ぶ。起動した状態でAIによる補正が効いており、カメラを被写体に向けると画面右下に「風景」「逆光」「マクロ」といったぐあいにシーンを自動判別してAI補正を効かせていることが分かる。実際に様々なシチュエーションで撮影を試みたが、風景写真では明るい部分と暗い部分をうまく補正しながら人間の眼で感じるのと同じようなコントラストで表現してくれる感じだ。最近の“強調しすぎるAI補正”に比べると、嫌みがなく自然な画像撮影が可能である。

カメラのインターフェイスはシンプル。また横に構えた際に人差し指が当たる位置にあるボタン(端末左側下部のボタン)がシャッターボタンにもなる。ボリュームボタンでズーム調整もできる

13のシーンを自動認識して最適な補正をしてくれる

風景シーンでの作例。赤、緑、青といった色の再現性は素晴らしく、実際の風景をそのまま人間の眼に映る風景と同じように再現してくれている感じだ

いわゆるHDR撮影も自動判別で自然に撮影してくれる。屋外の明るい部分と通路内の暗い部分の両方が違和感なく写っている

 スマートフォンを使った撮影シーンでは夜の飲食店など暗所でのスナップなども多くなるが、昨今のハイエンド端末の描写能力は驚くばかりだ。実際に人間の眼で見える風景よりも明るく強調して撮影してくれるものも増えている。そうした中で、Xperia XZ3のカメラは「自然な写り」を意識した描画を心掛けている感じがする。たとえば本来であれば暗く潰れてしまうところも写り込むが、不自然な描画にならない程度に暗い部分は暗く、明るくはっきり写すべきところはしっかり表現するといった仕上がりになる。

これは逆光での作例だが、通常のカメラであれば木々は真っ黒に潰れるはず。しかし木々や木の影にある芝生が潰れることなく写り込んでいる

 さらにポートレート撮影やマニュアル撮影といった凝った撮影を行うにはシャッターボタン近くにある「モード」をタップするとサブメニューが表示され、8種の機能やエフェクトを利用できる。また、ポートレートセルフィー機能では、被写体の前後をぼかしてくれる機能のほかに、輪郭補正、目の大きさ、肌の明るさ、美肌などのエフェクト調整も可能である。画角内に複数の顔が写り込んだ状態で背景をぼかすと、すべての顔がはっきり写りそれ以外がぼけるという、光学レンズではあり得ない絵面の写真が撮影できた。

シャッターボタン脇の「モード」をタップするとサブメニューが表示され、エフェクトやマニュアル撮影(右)が可能になる

ポートレートセルフィーを使っての夜間の飲食店での自撮りスナップ作例

本来の被写界深度による背景のぼかしは焦点距離が1点なので、これは光学レンズではあり得ないぼかし写真だ

ポートレートセルフィー(左)には輪郭や目の大きさの調整が可能でエフェクトをかけすぎると、もはやホラーになる(中央はエフェクト最小、右は最大)


 動画撮影に関しては5軸手ぶれ補正を備え、4KHDR動画が撮影可能である。この辺りは映像制作関係者に定評あるSONYのブランドに恥じないスペックをしっかりと盛り込んでいる。

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日本ではキャリア版の購入が無難
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 以上、ハードウェアのインターフェイスとカメラ周りを中心にXpera XZ3をレビューさせていただいた。Xperia XZ3は、日本では大変なじみ深いメーカーであるSONY製のスマートフォンであり、また3キャリアで取り扱われるということで、販売施策からアフターサポートに至るまで、幅広い消費者に安心して購入・利用できる端末の一つといえる。本来グローバル端末であるので、海外ではSIMフリー版も販売されているが、おサイフケータイの対応やアフターサポートを考えれば、日本においてはキャリア版を利用するのがベストであろう。今まさに分離プランの議論が行われている最中ではあるが、販売施策をうまく活用することで、世界では10万円近くで売られている最新ハイエンドスマートフォンが実質価格4~6万円で購入できる。MNOで長期利用する前提のユーザーならば満足な選択になるのではないか。
木暮祐一

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