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5G元年も大いに賑わったMWC……来年訪問する場合に気をつけるべきポイントとは?

2019-03-09 00:23:56
 世界最大の携帯通信関連の展示会「MWC19 Barcelona」が2月25日から28日までの4日間、スペイン・バルセロナで開催された。来年もまた、あるいは来年こそはMWCに足を運ぼうと計画している方々のために、今年筆者が歩いたMWCの記録をここに残しておきたいと思う。

今年、MWCの開催期間中はすべて好天に恵まれた。気温も15度ぐらいでダウンジャケットでは暑いぐらい。朝晩は春物のコートがあれば十分なほどだった

バルセロナのエル・プラット国際空港に到着すると空港内にMWCの入場証をピックアップできるカウンターがある。筆者は22時半到着の便だったがカウンターは遅い時間までオープンしていた

 MWCは近年は毎年に1度、2月の下旬頃にバルセロナで定期的に開催されているイベントだ。主催は世界の移動体通信事業者や関連企業が構成する業界団体のGSMアソシエーション。来年2020年は2月24日から27日の開催期間を予定しているらしい。

 世界最大の携帯通信関連のイベントは、基本的に一般コンシューマーが参加できないビジネスパーソン向けの展示会・見本市としての色彩をより強く帯びている。そのため参加者は必ずID登録が必要。特に日本から訪れる場合は、いったんバルセロナに到着してから現地で入場登録を1からすることはかなり困難であるため、事前登録を済ませて旅立つことを強くおすすめしたい。

MWC会場へのアクセスは地下鉄が便利。なのだが、今年はストライキをぶつけられて、会場への行き帰りの時間のダイヤが特に乱れた

地下鉄の車内はご覧の混みよう。日本の都市部の通勤時間とほとんど変わらない

 MWCの会場となるEuropa Firaは筆者にとってなじみ深い関東圏内で言うところの幕張メッセ、あるいは東京ビッグサイトよりは少し大きめなキャパシティを持つ展示会場だ。2018年には述べ2,400を超える出展社があり、4日間に10万7,000人の来場者が、世界205カ国以上から参加した。スペイン国外からMWCの取材に訪れたメディアの来場者数は3,500人以上。

MWC会場のEuropa Fira

 展示会場はバルセロナの中心地から地下鉄で約15分ほどのロケーションにある。今年はバルセロナの地下鉄を運営する企業、TMB(Transports Metropolitans de Barcelona)がなんとMWCのために最も街が賑わう期間にタイミングを合わせてストライキを実施した。しかも会場に足を運ぶ来場者で最も混雑する時間帯に通常の50%程度の間引き運転をしたため、朝早く会場に着くと出展者の方がまだブースにたどり着けていないということもあった。

 なおバルセロナは欧州の大都市が共通の問題として抱えている「スリ」の犯罪がとても多い街として近年悪名をはせている。今年はストライキと重なったせいか、地下鉄構内の要所にガードマンが警戒に立ったり、MWC会場からの帰り道にはゲートを仕切るスタッフが「首から下げているMWCの入場証を会場を一歩出たら必ず外すように」と繰り返し呼びかけていた。だったらなんとか街を挙げて地下鉄のストも回避すればいいのにと思うのだが、そこはカタルーニャの“お国柄”なのかもしれない。とにかく、もしMWCの視察に限らずバルセロナを訪れた際には、繁華街ではスリにあわないようにご注意を。

今年は顔認証ゲートが新設された。登録しておかないと毎日・毎入場時にパスポートの提示を求められるので、ぜひ登録したい

来場者に配られる入場証。会場への行き帰りの際には外しておくことを勧められる。スリに狙われやすくなるからだ


 MWCの会場はさすが通信関連の展示会ということもあり、会場の至るところに無料で使えるWi-Fiネットワークが張り巡らされている。プレスルームも年々増えるジャーナリストの数にワークスペースのキャパシティが追いついていないことを除けば、仕事をするのには快適なスペースだと思う。

MWC会場内のプレスルーム。プレス来場者の数に対してワークスペースが足りなくなっているように年々感じる

代わりに会場内のWi-Fi環境はますます充実してきた。つまりプレスルームに行かなくても作業できるスペースがそこかしこにあるということだ

 CESやIFAなど、筆者がよく海外へ取材に出かける展示会・見本市のイベントに比べると、MWCは会場のどこにいても最新の情報をキャッチアップできるように、モバイルアプリによる情報提供が充実していることが特長だと思う。また業界著名人による基調講演やセミナーをスケジュールの都合などで見逃してしまったとしても、ホールの至るところに設置されているモニターで“見逃し配信”をしているので、滞在時間を有効に活用できるだろう。

キーノートやセミナーなど、見逃してしまっても会場に張り巡らされているビデオモニターでチェックできる

 今年はいうまでもなく「5G」がMWCのメインテーマだったが、コンシューマーに近いスマホやタブレット、ウェアラブルデバイスの展示、ロボットに自動運転車、モバイル決済やセキュリティなどソリューション系の展示も充実している。

5G元年を迎えた2019年、MWCは過去最高の勢いで盛り上がっていた

 MWCのパスで入場できる4YFNという、欧州の元気なスタートアップを集めたイベントも時期を合わせてバルセロナ市内の別会場で開催されている。残念ながら筆者は今年、MWCの本会場での取材が立て込んだため4YFNの方には足を運べなかったのだが。

今年のテーマは5G。あまりにどのブースでも掲げられているので、どこに飛び込んで良いのか反対にわからなくなる

5Gスマホの登場を後押しした立役者、クアルコムのブースも大いに賑わった

 MWCは携帯通信のイベントから、近年では最先端のデジタルテクノロジーを幅広く扱うグローバルなイベントとして成長しつつある。そのためか、世界各国からMWCに出展している画期的な技術やサービスを誇る企業と出会えるチャンスがそこかしこに転がっているのだが、テーマもあまりに多岐に渡るため、初めて訪れる方にとってはどこに何があるのか把握しづらいかもしれない。滞在期間を長く取れない方は時間を有効に活用したいものだ。期間中には「5G」「AI」「スマートシティ」などMWC主催の会場内ショートツアーも頻繁に行われているようなので、こちらを利用する手もありそうだ。

オートモーティブの出展もMWCで一時期増えていたが、今年はやや落ち着いた印象

ロボット関連の展示についてもMWCで見られる

ホールを結ぶ通路にもビデオウォールが

 今年のMWCは「5G元年」に開催されたこともあり、例年は最終日に向けて少しずつ減るはずの来場者数の勢いがまったく衰えず、閉幕ぎりぎりまで各社のブースが賑わっていた。来年2020年は日本やスペインなど欧州の各国が5Gの商用サービスの開始を予定している。今年はまだ少し漠然としていた5Gをめぐるビジネス提案が、来年はもっと具体的な形で見られることだろう。足を運ぶ決意ができたら、なるべく早く宿や飛行機のチケットも押さえておくことをおすすめしたい。
山本 敦

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