ディアイティのブースでは、メルー・ネットワークスの無線LANソリューションや導入事例を漫画で紹介していた。
メルーの無線LAN技術は「シングルチャネルディプロイメント」「バーチャルセル/バーチャルポート」「エアタイムフェアネス」という特徴があるものだ。
従来のマイクロセル方式で2.4GHz帯の無線LANを設計するには、1ch/6ch/11chを選択し、隣接するアクセスポイント(AP)が被らないように構築する必要があった。さらに電波出力を弱めて、干渉を避けていたが、「この方法だと、電波が届くべきエリアにデッドスポットができてしまう。あらたにAPを増設すると、いちから設計をやり直す必要があり、手間がかかってしまう」(担当者)という。
メルーのシングルチャネルディプロイメントは、マイクロセル方式のように1台ずつチャネルを変更せず、シングルチャネルで容易に設計できる点に大きな特徴だ。これはコントローラー側に電波干渉を制御する機能があるためだ。電波出力を弱める必要もないため、ワンフロアにくまなく電波を届けられる。
またバーチャルセル/バーチャルポートは、セルラーネットワーク技術を適用したもので、ローミングをスムースに行える機能。従来のローミングは、端末側に主導権があり、電波強度によって、次のAPを探しにいく手順を踏んでいた。これだと電波を引きずりすぎて、次のAPに切り替わらないことがある。
そこでメルーの技術では、コントローラー側に主導権を持たせ、強制的にAPを切り替えられるようにしたという。なおかつ複数のAPを1台の大きなAPのように仮想的に見せる機能もあり、端末側でハンドオーバーがなく、シームレスな切り替えが可能になる。
エアタイムフェアネスは、1台のAPに対して、複数の端末に均等な時間を割り当てる機能だ。これまでは特定端末が帯域を消費してしまうと、他の端末が低速になってしまうことがあった。そこで本機能により、時間的に平等に通信させて、各端末のスループットを落とさないようにするわけだ。
展示ブースでは、SOHOやホテルの個室などに用いられる新製品のIEE802.11ac対応AP「AP122」などが展示されていた。また、エアタイムフェアネスを活用した芝浦工業大学や北海道大学の事例や、バーチャルセル/バーチャルポート機能を活用した慈泉会 相澤病院などの導入事例も紹介されていた。
井上猛雄