RBB SPEED TESTのWebサイト上では、スマホ向けアプリ「RBB SPEED TEST」のユーザーが前日に測定した結果を「昨日の最速値」としてランキング形式で公表している。そこにはLTEでも下り100Mbps以上の結果がならんでいるが、実際にどういった場所で下り100Mbps以上出るのだろうか。
3キャリアのWebサイトではそれぞれエリアマップが公開されている。NTTドコモはLTEの速度別に色分けをしたエリアマップを見ることができる。KDDIは、4G LTE対応エリアとして800MHz帯とWiMAX 2+(2.5GHz帯)のエリアマップを、iPhone 5で使える2.1GHz帯は住所で検索できる。ソフトバンクはSoftbank 4G(AXGP・2.5GHz帯)としてエリアマップを公開している。しかしどのキャリアも都市部を見るとほとんど同じ色で塗りつぶされており、速い場所は特定できない。
そこで、今回はRBB SPEED TESTのユーザーが2015年4月から6月までに測定した、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県1都4県のLTEのログデータ201,793件を分析して、傾向を探ってみることにした。
■100Mbps以上は最新機種じゃなくても出る?
上記データの中で、下り100Mbps以上の測定数は1,207件。キャリアの内訳を見ると、ドコモが297件、auが322件、ソフトバンクが588件であった。
機種別に見てみると、iPhone 6が多く482件で、その内ソフトバンクが314件、KDDIが84件、ドコモも84件。また、iPhone 6 Plusは3キャリア合わせて212件が100Mbps超えとなっていた。
Androidの測定数の上位は、Galaxy 6 edge SCV31(au)、Galaxy S6 SC-05G(ドコモ)、ARROWS NX F-04G(ドコモ)、Galaxy S5 SCL23(au)、Galaxy S6 edge SC-04G(ドコモ)、AQUOS CRISTAL X 402SH(ソフトバンク)といった端末。
Galaxy S6 edgeのようなキャリアアグリゲーションでの下り最速225Mbpsに対応した端末はもちろん、iPhone 6/6 Plus、Galaxy S5 SCL23やAQUOS CRISTAL X 402SHなど下り最速150Mbpsの端末でも、100Mbpsを超えることは十分に可能と言えそうだ。
■山手線駅周辺でも100Mbpsを記録
エリアに関して、山手線の駅周辺を見てみると、新宿駅、秋葉原駅周辺では3キャリアとも、恵比寿駅、品川駅周辺ではドコモとauが、新橋駅周辺ではドコモとソフトバンクがそれぞれ100Mbps以上を記録している。
その他の山手線駅では、大崎・巣鴨駅周辺でau、駒込・田端,日暮里駅周辺でドコモ、上野駅周辺でソフトバンクが記録している。
■100Mbps以上出やすい時間帯は昼過ぎか
時間帯についてはどうだろうか。100Mbps以上を記録しているログデータを時間帯別に見てみると、14,15,16時台が多い。トラフィック量が少ない早朝の時間帯に最も速度が出やすいのではないかと考えられるのだが、そもそも活動時間帯ではないため、測定する人が少ないということかもしれない。いずれにしても、昼休みでトラフィックの増える12時台,13時台を外した14時台から16時台が狙い目と言えそうだ。
これまで、各キャリアが謳うスペック上の150Mbpsや225Mbpsといった数字と、手元で測った実測値はまだまだかけ離れている印象だったが、今回の分析で実際に100Mbps以上出ている場所も多いことがわかった。今後、今回分析したデータをもとに、実際にいくつかの場所に行って調査してみたいと思う。
吉川 亮太