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【特集・Netflix】第6回 ひと足早く体験レビュー!4Kテレビ&スマホ&PCで視聴してみた

2015-08-27 06:00:05
 米の大手動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」のサービスがついに来週9月2日から日本で開始される。今回は関係者向けの先行体験サービスを一足早く利用できる機会を得たので、対応している4Kテレビ、スマホ、PCそれぞれで視聴してみた。

■料金プランは3種、月額650円から

 Netflixは月定額固定料金で楽しめるオンライン動画ストリーミングサービスだ。今回の視聴に使ったパナソニックの「VIERA」シリーズをはじめ、大手テレビメーカーが発売する“Netflix対応”のテレビやPC、スマートフォン・タブレットなどモバイル機器で見ることができる。

 対応する機器をインターネットにつないで、Netflixの視聴申込みをオンライン経由で行うことで、約5万作品の映画・ドラマを中心とした作品アーカイブが“見放題”になるというものだ。なおPCの場合はWebブラウザからNetflixのページへ移動してブラウザアプリケーション上で視聴する。モバイルはiOS/Android用アプリが用意されている。

 月額料金の内訳については、24日にソフトバンクが開催した記者発表会でも明らかになった通りだ。いずれも税別の価格となるが、標準画質で同時に1台の端末のみが視聴できる「ベーシックプラン」が650円/月。HD高画質で2つのストリーミングまで同時に利用できる「スタンダードプラン」が950円/月。そして最高画質であるUHD/4Kの高精細な映像が楽しめて、4つのストリーミングまで同時に見られる「プレミアムプラン」が1,450円/月だ。スマートフォンでは4K画質の映像が楽しめないので注意したい。

■4K対応のコンテンツが揃うのが特徴

 Netflixのサービスがほかの動画配信と違う点のひとつは、オリジナル製作のドラマを中心に、4Kの高精細な映像作品が揃っているところにある。せっかく4Kテレビを買ったのに、4K映像の実力を身近に感じられるコンテンツが少なくて不満だったという方にはNetflixをおすすめしたい。今後もNetflixでは、オリジナル作品も含めて積極的に4Kコンテンツを増やしていく方針を示しているので、しばらくは見られる4Kコンテンツにも事欠かなさそうだ。

 今回はパナソニックからNetflix対応の4K液晶テレビ“VIERA”「TH-55CX800N」を借りて、Netflixのコンテンツを視聴してみた。国内で発売されるNetflix対応テレビは付属のリモコンにNetflixに接続するための専用ボタンが配置されているのが特徴だ。

 パナソニック「TH-55CX800N」の場合、リモコンの「ホーム」ボタンを押して、画面に表示される「アプリ一覧」からNetflixを選んで起動する方法もあるが、専用ボタンを押せばその数ステップを省略してストレートにNetflixが起動できるので便利さを実感する。

 リモコンによる操作のレスポンスも上々だ。その後、初回起動時に入力するログインIDとパスワードも、一旦ログアウトしてしまわない限り、テレビの電源を入れてNetflixにつなぐたびに入力する必要はない。

 Netflixのトップメニューにはオリジナル製作のタイトルから旬のイチオシ作品までカバーアートが勢揃いしている。カバーアートはひとつずつのサイズが大きく使われていて、選択した作品の詳細がメインビジュアルとともにトップの位置にテキストで紹介される。4K高画質の作品や音声が5.1chサラウンドで収録されている作品は、ここに「ULTRA HD 4K」「5.1」といったアイコンも並ぶ。

 アーカイブのコンテンツを探しながら、気になる作品は「マイリストに追加」しておけば、トップメニューに並ぶ「マイリスト」の一覧からすぐにアクセスができて便利だ。「ユーザーが視聴中のコンテンツ」には、タイトルが示す通り、現在視聴している作品の一覧が並ぶ。モバイルアプリの場合、視聴を進めてきただいたいの位置がカバーアートの上に表示される。

■ユーザーが見たくなる映像をオススメしてくれるレコメンド機能

 画面をさらに下の方へスクロールしていくと、「Netflixで人気の作品」や「アクション・アドベンチャー」「ラブロマンス」「キッズ・ファミリー」などジャンルごとの分類も並ぶ。さらに注目したいのが、ユーザーの好みを学習する「●●さん(ユーザー名が入る)にイチオシ!」のレコメンド機能だ。

 Netflixではアーカイブに収録されているコンテンツを約77,000通りの種類に分類してから1作品ごとにタグを付け、さらに視聴者の再生履歴を学習。視聴者の好みに合わせて作品をプッシュする独自開発のレコメンドエンジンによって、この「イチオシ!」のメニューに表示している。

 試用を始めてから数日時点で、筆者の「イチオシ!」に並んでいる作品はSF・アクションが多めで、ラブロマンスやキッズアニメが少なめ。なるほど、筆者のテイストにはそこそこ合致している手応えだ。今後さらに使い込めば、もっと絞り込んでいけそうな手応えはある。

■4KテレビでNetflixオリジナル作品を見てみた

 Netflixオリジナルの作品を視聴してみよう。今回はせっかく4Kテレビも用意したので、4Kの高画質な映像も見てみたい。そこでウォシャウスキー姉弟監督の最新ドラマ作品『Sense8/シーズン1』を選んだ。

 リモコンのボタンで作品を選択すると、左側に作品情報や音声・字幕の設定などが並ぶ。Netflixオリジナルの作品かを見分ける手段は、カバーアートの左上に赤いNetflixのロゴが入っているか、あるいは作品詳細のページを開いて左上に「Netflixオリジナル作品」と記載されているかで判別ができる。

 「Sense8」の“シーズン1”は全12本のエピソード。どのエピソードからでも任意に選んで見始めることができる。プレーヤーでリモコンの十字キーから「下」を押すと、音声・字幕が変更できる。

 十字キーの左右ボタン、または早送り・早戻しボタンで作品の任意のポイントにサーチも可能。Blu-rayやDVDのパッケージ作品には打たれているチャプター情報が付与されていないので、任意のシーンに送りたい場合は早送りのみの操作になるが、テレビでの操作の場合はシークバーの上に、劇中のシーンを細かくキャプチャーしたサムネールが表示されるので、見たいシーンが探しやすい。

 なお、見たいシーンのサーチ操作についてはモバイルアプリもPCも、テレビと同じようにサムネイルを表示しながら探せる。チャプター送りよりもさらにきめ細かな頭出し操作ができてとても快適だ。

 パナソニックの4Kテレビ「TH-55CX800N」で視聴した「Sense8」の映像は4Kの醍醐味がはっきりとわかるほどに高精細だった。テレビの映像モードは「スタンダード」に設定してチェックを行ったが、人物の肌の質感や髪の毛の艶など細部の立体感は非常にリアリティが高い。

 「Sense8」では登場人物の微妙な心理状態の変化が、台詞だけでなく映像の光と影の表情によっても頻繁に描かれるので、映像の隅々まで目を凝らしながらストーリーを追いかけていたい作品だ。

 映像のフォーカスが曖昧だと、かえって脳が疲れを感じてしまい、段々と鑑賞するのがおっくうに感じてしまいそうになるが、4Kの大画面テレビなら映像を通じてあらゆる情報が自然に頭の中に入ってきて、物語の世界に没入できる。これこそユーザーが4Kテレビを選んで良かった!と実感できる瞬間だ。

 家族で4ストリーミングまで、それぞれ異なるデバイスを使って好きな時に再生ができるし、この4K映像の出来映えになら毎月1,450円のプレミアムプランを選択しても惜しくないと思えた。

■スマホアプリの使い勝手は?

 スマートフォンでの視聴は「iPhone 5s」で試した。4インチ、1,136×640画素のディスプレイで視聴しても映像のみずみずしさは十分に伝わってくる。ほかのHD画質で提供されている動画配信サービスと比べて明らかに高画質だし、“引き”のフレームで撮影された街の全景カットを見ても、被写体の細かい部分までフォーカスがびしっと定まっている。

 今後はますます増えてくるであろう、フルHDを超える高精細なディスプレイを搭載するスマートフォンやタブレットとの相性も見事にはまるはずだ。

 視聴して気に入ったタイトルは「マイリストに追加」をしておけば、ホーム画面の一番上にカバーアートが並ぶので、次回続きを見たい時に手早く選択できる。同じアカウントユーザーにひもづけたデバイスどうしなら、マイリストの作品やレコメンドの内容がシェアされるほか、視聴中の作品はデバイスを変えてからでも続きをスムーズに見られる。

 Netflixがユーザーインターフェース(UI)の特徴として掲げている「イッキ見」の使い勝手も試しておこう。ホーム画面の一覧には「海外製作/イッキ見したいTV番組・ドラマ」のカテゴリーもしっかり用意され、連続視聴が楽しめるドラマ作品が並んでいる。

 エピソードを一つ見終わると、続きの作品が再生されるまで「あと●●秒で開始…」といった告知とともにサムネールや関連作品が画面上に表示される。そのまま選択しない場合は自動的に次のエピソードが再生される仕組みだ。

 「Sense8」は最初の“エピソード1”が「67分」と少し長めだが、初回からストーリーの随所で手に汗握る上質なミステリー作品だ。スリリングな展開の連続に自然とのめり込んでしまい、気が付くと続きのエピソードを「イッキ見」してしまう。

 各エピソードの上映分数も作品それぞれで異なっている。こんな所にも、個人のクリエイターの創作を最大限に尊重するNetflixが掲げている「クリエイティブ・フリーダム」へのこだわりが感じられる。

■スムーズに操作できるUIは好感触。一方で今後の課題も

 今回、Netflixを一足先に使ってみて、膨大な映像作品のアーカイブを気持ち良くクロールしながら、興味が湧いてくる作品と自然に出会い、のめり込みながら視聴できるように設計されたユーザーインターフェースの高い完成度が実感できた。テレビ・PC・モバイルがスムーズに連携するマルチデバイス対応も、シンプルながら非常に使い勝手がよく出来ている。

 一方で不満に感じた点もいくつかある。ひとつは、モバイルアプリでまだ映像をダウンロードしてオフライン再生ができないところ。LTEによる視聴では相当のパケット容量を食うはずなので、通勤・通学、旅行の際などにも心置きなくNetflix三昧を味わい尽くすためにぜひリクエストしたい機能だ。

 モバイルアプリはiOS/Androidともに、画面を横に構えた状態でしか見られないので、電車でつり革を片手で握って立ったまま視聴するのにより都合が良い「縦構え」でも視聴できれば、なお使いやすくなるだろう。このほかにもPCやモバイルの場合、気に入った作品の感想をNetflixの画面で直接シェアできる機能も欲しい。

 また、わずかではあるが日本語字幕が登場人物の発声に対して遅れて表示されるのが気になったので、アップデートなどで改善できるようであれば期待したい。

 4K映像の出来映えは想像以上で、これなら4Kテレビを所有するユーザーは誰もが満足できるクオリティといえる。Netflix対応テレビなら、インターネットにつないですぐに使いはじめられる手軽さも良い。Netflixの登場によって、4Kテレビを中心にテレビのインターネット接続率も伸びるのではないだろうか。Netflixは加入後1ヶ月は無料で使えるので、とりあえず体験してみても悪くないだろう。
山本 敦

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