iPhoneシリーズの最新モデル「iPhone 6s/6s Plus」が発売された。RBB TODAYではその通信ネットワークに注目し、特に大手3キャリアのLTE環境に差はあるのかどうか確認するべく、各所での実測調査を実施している。
一方、iPhone 6s/6s Plusはキャリアモデル以外にSIMフリーモデルも発売されており、MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する格安SIMサービスのうち、動作確認が取れているものについてはiPhone 6s/6s Plusで利用できる。そこで今回は、ニフティがサービスを提供する「NifMo(ニフモ)」をiPhone 6sで使用し、ドコモ版iPhone 6sと通信速度の比較をおこなってみた。NifMoはMNO(移動体通信事業者)であるドコモから回線をレンタルしてサービスを提供しているが、結果に違いは出るのだろうか。
調査は平日の朝10時~12時までの間に実施。調査箇所は新宿・渋谷・品川・上野・池袋といった山手線主要駅のホームとした。測定には「RBB SPEED TEST」アプリを使用。各箇所でそれぞれ3回測定し、その平均値を記録している。
まず5箇所全体の平均値からみていくと、ドコモが下り平均30.59Mbps/上り平均7.13Mbps、NifMoは下り平均24.57Mbps/上り平均8.78Mbpsという結果に。下り平均はさすがにドコモに軍配が上がったが、NifMoも20Mbpsを超えており、優秀な結果となっている。また上り平均についてはNifMoがドコモを上回る結果となった。
続いて各駅ごとにみてみると、新宿・渋谷・上野・池袋においてはドコモが下り速度でNifMoを上回りさすがの強さを見せたが、唯一、品川ではNifMoが下り58.10Mpbsという速度を記録してドコモを逆転した。下り速度におけるドコモの最速値は上野の52.27Mbps、ワーストは渋谷の16.52Mbps。NifMoの最速値は先述した品川の58.10Mbpsで、ワーストは渋谷の10.78Mbpsだった。NifMoは下り速度の安定感でドコモには及ばないが、それでも5箇所すべてで10Mbpsは超えてきた。
ここまで、ドコモとNifMoの通信ネットワークに関して、発売されたばかりのiPhone 6sを用いて簡単に比較してきた。NifMoは、回線の卸元であるドコモに対して下り速度ではやや及ばないものの、十分な通信速度を記録したといえる。もちろん、格安SIMサービスでは通信が混雑する時間帯に速度が低下する傾向があり、すべての時間帯でこの結果になるとは考えにくい。特にお昼12時台の通信速度は、格安SIMサービスにとってまだまだ大きな課題となっている。しかし、そうした混雑時間帯を避ければ、ドコモと比較してもそこまでそん色のない速度が期待できるし、今回の調査のように一部ポイントではドコモを逆転することもある。格安SIMサービスとドコモやKDDIのネットワーク比較については今後も継続していきたい。
白石 雄太