■自宅Wi-Fiはどの程度の速度が出ているのか?
この数年で4G/LTEが普及し、モバイル回線の通信速度は随分速くなった。その一方で、速度制限にかかってしまうことを懸念して自宅ではWi-Fi接続を活用する人も増えてきたように思う。通信速度測定サービスRBB SPEED TESTのデータをみても、自宅Wi-Fi環境での測定数が右肩上がりで増加している。
自宅でのWi-Fi通信速度は、契約している回線の種類、Wi-Fiルーターやスマートフォンのスペック、部屋の間取りなど様々な要因によって左右される。では実際にどの程度の実効速度で利用している人が多いのだろうか。RBB SPEED TESTのログデータから簡単に現状を見てみたいと思う。
今回は測定端末をiPhone 6s/6s Plusに絞り、2016年3月1日~31日に全国で測定されたデータを見ていく。なお、固定回線の種類として光/CATV/ADSLのいずれかが選択されたデータを対象とした。
■「光」は下り平均80Mbps超え 「CATV」は上下の速度に差
まず、上記条件で抽出したデータは合計53,840件で、下りの平均速度は80.26Mbps、上りは82.65Mbpsとなった。回線種類別に見ていくと、光回線がもっとも多く、47,666件の測定があり、下り平均84.06Mbps/上り平均90.82Mbpsという結果に。光回線について、さらに最大下り速度が1Gbps未満(200Mbpsや100Mbps)のプランに絞って見てみると、測定数は10,696件、下り平均53.03Mbps/上り平均58.52Mbps。最大下り速度が1Gbps以上のプラン(光コラボをのぞく)に絞って見ると、17,894件の測定があり、下り平均108.66Mbps/上り平均113.92Mbpsとなった。
光回線の中でも、ギガプランとメガプランには大きな差があることが分かる。ちなみに昨今話題の光コラボレーションモデルに絞った場合も見てみると、11,528件の測定があり、下り平均83.69Mbps/上り平均96.67Mbpsという結果だった。なお、残りの7,548件については契約プランの選択がなかった。
次にCATVの測定データだが、測定数は4534件で、下り平均は62.78Mbps、上り平均は21.38Mbps。こちらも、まず1Gbps未満のプランに絞ってみると、測定数は2,791件、下り平均は65.50Mbpsで上り平均は17.56Mbps。次に1Gbps以上のプランで見ると、測定数は535件、下り平均87.66Mbps/上り平均45.48Mbpsとなった。いずれの場合も下り平均に比べて上り平均速度が大幅に遅い結果となっている。最後にADSL回線について。全国的に光回線の普及が進んでおり、ADSLの測定数は1640件に留まった。下りの平均速度は18.04Mbps、上りは14.38Mbps。平均速度で10Mbps台ということで、LTE回線の代わりとしてはやや物足りない結果となっている。
白石 雄太