NTTドコモは11日、2016年夏モデルのスマホ・タブレット新製品を発表。5月中旬から順次、サムスンの「Galaxy S7 edge」やソニーモバイルの「Xperia X Performance」などAndroid 6.0搭載モデルを投入する。
ラインナップの内訳はスマートフォンが5機種、タブレットが1機種。フラグシップクラスからミドルレンジまで幅広く揃えた。このほかにポケットWi-Fiルーター1製品が加わる。
新端末の発表と同時に、VoLTEによる音声通話やスマホのジェスチャー操作に関する新サービスも発表されている。LTEの高速通信を活かした高音質な通話サービスVoLTEには、より音声品質を高めた「VoLTE HD+」が登場する。LTE-Advancedの技術を応用したキャリアアグリゲーションにより通信の高速化を実現するドコモの「プレミアム4G」サービスは、その最大速度がこれまでの300Mpbsから375Mbpsに加速する。また、スマホの簡単操作をサポートする「タップレス操作」を新たに提案。それぞれの新しい技術をとサービスは、今回発表される16年夏モデルの一部から搭載が始まる。
それでは今回、ドコモが発表した新端末の7機種の概要をみていこう。
■Xperia X Performance/SO-04H
ソニーモバイル製の最新端末。スペイン・バルセロナにて今年の2月に開催されたMWC 2016でソニーが発表したXperiaの最新モデルが日本に上陸した格好だ。すでに国内のキャリアではソフトバンクが本製品の取り扱いを明らかにしているが、ドコモも同じく4色のカラバリを6月中旬に発売する。
従来のXperiaシリーズと大きく異なるのはボディのメイン素材にアルミを使った点だ。ホワイトとグラファイトブラックの2色はヘアライン処理、ライムゴールドとローズゴールドはマットな仕上がりとして、それぞれに高級感をもたせている。先に発表されたグローバルモデルと違い、国内モデルは背面パネルの下側にアンテナ感度を確保するため樹脂製のパーツを採用した。
ディスプレイのサイズは約5.0インチ。解像度はフルHD。CPUにはクアルコムのクアッドコア64bit対応SoC「Snapdragon 820」を採用。メインメモリーは3GB、内蔵ストレージ容量は32GB。本体側面の電源ボタンには、Xperia Z5シリーズと同様に指紋認証センサーをつけている。
イヤホンジャックからのハイレゾ再生やデジタルノイズキャンセリング機能への対応など、オーディオ系の機能はXperia Zシリーズと同様に充実させた。またカメラ機能についてもクイック起動の設定を変更することで、スリープ状態からシャッターボタンを押せば約0.6秒でカメラ機能の起動、写真撮影まで素早く行える。その速度感はXperia Z2の約2倍に及ぶ。オートフォーカスは先読みオートフォーカス機能を加えて、被写体の動きを予測しながら正確なフォーカス合わせを可能にした。センサーの解像度はメインカメラが23MP、インカメラが13.2MP。従来のXperiaシリーズよりもインカメラの機能を大幅に向上した。
内蔵バッテリーの容量は2570mAh。スマホでは初めてとなる、Qnovo社のバッテリー制御技術を採用したことにより、バッテリーモジュールの寿命が従来の約2倍に伸びているという。
同機はVoLTE HD+や最大速度375MbpsのPREMIUM 4Gサービスをカバーしている。
■Galaxy S7 edge/SC-02H
サムスンのGalaxy Sシリーズの最新モデル。こちらもMWC 2016でサムスンが発表した最新端末のうち、約5.5インチの有機EL画面の両側エッジをカーブさせたモデルが5月中旬に発売される。カラーバリエーションは3色。
ディスプレイの解像度は従来のGalaxy Sシリーズと同じ2560×1440のQHD。本体の横幅サイズは5.1インチの画面を持つGalaxy S5よりもさらに狭くなり、片手で持ちやすくなっている。CPUはクアルコムの最新チップ「Snapdragon 820」を採用。メインメモリーは4GB、内蔵ストレージは32GB。ドコモのスマホでは史上最大サイズとなる3600mAhのバッテリーを積んでいる。
カメラ機能はメイン側が従来より高画質撮影技術として訴求するDual Pixelセンサーを搭載。レンズの明るさもF1.7として、暗い場所でも高精細な撮影を可能にした。インカメラ側はアゴの輪郭線をシャープに見せるソフトウェア加工技術「美顔モード」を搭載している。本機もVoLTE HD+や最大速度375Mbpsのプレミアム4Gサービス対応だ。
■AQUOS ZETA/SH-04H
シャープのAQUOSシリーズのハイエンドモデル。約5.3インチの120Hz駆動高速対応「IGZOハイスピード液晶」を搭載しているのが大きな特徴だ。解像度はフルHD。WebページやSNSを縦スクロールするときに便利な「スクロールオート」の機能や、人工知能「エモパー」をオンにしておくと、使用シーンに合わせてブルーライトを自動でカットするモードも乗せた。
カメラ機能はAQUOSのスマホでは史上最強をうたう。リコーの「GR Certified」プログラムに準拠した高精細な画づくりとし、メイン側は約22.6MP、インカメラは5MPのセンサーを搭載し、美しい静止画・動画撮影を可能にする。約0.4秒の高速化カメラ起動機能も搭載する。
なお、ジェスチャー操作の機能も強化。本体を握るだけで画面をオン、指紋認証センサーによるロック解除が素早く行える「グリップマジック」や、本体をひねるジェスチャーで前に使っていたアプリに戻る「ツイストマジック」などユニークな操作を可能にした。
CPUは高速仕様のクアッドコアプロセッサー。メインメモリーは3GBで、内蔵ストレージは32GB。本機もVoLTE HD+や最大速度375Mbpsのプレミアム4Gサービスをサポート。カラーバリエーションは3色を用意する。
■arrows SV/F-03H
富士通のarrowsシリーズからは、今期は約5.0インチのIPS液晶を搭載するミドルレンジクラスの本機が6月下旬に発売される。画面の解像度は720 HD対応。虹彩や指紋によるセキュリティロック機能は搭載していない。CPUはクアッドコア、メインメモリーは2GBで、内蔵ストレージは16GB。
米国軍用規格「MIL」の14項目をクリアしたタフネス仕様を大きな特徴としており、アルミ製のサイドフレームにはキズがつきにくいハードアルマイト処理を施した。本体から引き出すタイプのロッドアンテナを内蔵しているので、ワンセグの受信感度が確保できたり、日本語タイピングソフトウェア「Super ATOK ULTRAS」をプリインして、テキスト入力がスムーズに行える点などを特徴としてアピールしている。本機は通常のVoLTEと、最大速度150Mbpsまでのプレミアム4G対応になる。
■Disney Mobile on Dodoma/DM-02H
ディズニーモバイルの最新端末は、エレクトリカルパレードを表現したという本体のデザインが特徴。画面サイズは約5.2インチで、解像度はフルHD。オクタコアのCPUを搭載している。メインメモリーは2GB、ストレージ容量は16GB。スワロフスキー仕様のミッキーヘッドに、カメラリングもミッキーヘッドをデザインした。メインカメラは16.1MP、インカメラは8MP。本機も通常のVoLTEと、最大速度150MbpsまでのPREMIUM 4G対応。カラバリは全2色。発売予定時期は7月上旬。
■arrows Tab/F-04H
セキュリティロック機能に富士通独自の虹彩認証「IrisPassport」を、タブレットとして初めて搭載したモデル。画面サイズは約10.5インチで、解像度2560×1600画素の有機ELを搭載している。カラーバリエーションは2色。
CPUにはヘキサコア仕様の高速チップを採用。メインメモリーは3GB、ストレージ容量は32GB。バッテリー容量は6000mAh。
本体の縦横側面にグリップを設けた「grip edge」デザインによりハンドリングを向上。卓上スタンドも同梱する。本体はMIL規格14項目をカバーするタフネス仕様で、防水・防塵にも対応。プレミアム4Gは最大速度262.5Mbpsをサポートする。
■Wi-Fi Station/HW-01H
かねてより予告されていた、ドコモの3.5GHz帯を利用した下り最大370Mbpsのプレミアム4Gサービスに対応するポケットWi-Fiルーター。発売は6月下旬を予定している。4750mAhのバッテリーユニットを内蔵しており、モバイルバッテリーチャージャーとしても活用ができる。MIMOによる高速通信や、最大11台の端末への同時接続に対応した。本体には2.4インチのタッチスクリーンを搭載する。
なお、今回発表されたドコモの2016年夏モデルのスマートフォンとタブレットから、新サービスの「おすすめ使い方ヒント」にも対応した。端末の状態や使用ステータスを自動で判別して、操作や設定方法を「ヒント」として端末の画面上に表示するというもの。例えば短時間で画面が何回も回転した場合、画面に「画面の向きを固定しますか?」というアラートを表示して、設定メニューから画面の回転を制御する方法をナビゲーションする。ヒントは緊急度や重要度に応じて、ユーザーの操作を妨げないように適切な方法で表示されるようになっている。
山本 敦