KDDI、沖縄セルラーは31日、2016年夏のスマートフォン・タブレット新発表会を開催。代表取締役社長の田中孝司氏が登壇し、ユーザーのニーズを入念に調査して開発したというオリジナル端末「Qua」シリーズなど製品の特徴を語った。
■変革はユーザー本位の姿勢で
auは2012年1月に「あたらしい自由au」というブランドロゴを発表。「当時はストレートに“スマホが欲しい”というユーザーの声が高まっていたころ。熾烈な競争環境の中で端末、料金プランやサ-ビスなど広い分野で期待を超える価値を創出しながらauは成長を続けてきた」と田中氏はアピールする。ビジネスの中核に通信サービスを置き、auも他のキャリアと競争しながら4G LTEとWiMAX2+によるキャリアアグリゲーションなどの取り組みにより、通信環境の整備に努めてきた。結果、auのスマホ浸透率は着実に上昇をつづkて、2016年3月時点では58.2%にまで割合を伸ばしてきた。ネットワーク通信では最大3バンドを重ねるキャリアアグリゲーションにより、下り通信速度最大370Mbpsを実現するサービスを今年の5月から開始している。
「お客様のスマホライフを豊かにしてきた」と田中氏は振り返る。ただ、これからはユーザー一人ひとりで異なるニーズを丁寧に拾っていかなければならない時代だと付け加える。「世代別では10代から30代は8割に到達しているが、50代以上はまだ浸透率が低い。私たちが本当にスマホの良いところをお伝えできていない、もしくは使い方をお知らせできていないことの表れである。通信サービス基盤はある程度構築が済んだ。これからはお客様一人一人のニーズをしっかりと把握して、体験価値を高めていくことが大事」と強調する。
このような反省を踏まえながら、今年の4月からauの「お客様体験価値改革プロジェクト」を本格的に立ち上げた同社。その狙いは同社のコーンシューマ事業部全体で会社の向きそのものを変えていくことにあると田中氏は明かす。プロジェクトの統括責任者には同社執行役員 コンシューマ事業本部 コンシューマ営業本部長兼コンシューママーケティング本部長の菅隆志氏を任命し、宣言を言葉だけにとどめず形にしていく意気込みを示す。
ポイントは、コンシューマのスマホまわりの使用実態をマーケティングリサーチに注力しながら明らかにし、これを全国のauショップのスタッフにまで意識を徹底させることで丁寧に拾い上げていく。最前線にあるタッチポイントとして、auショップの位置づけは非常に重要だと語気を強めた。「商品の購入時・利用開始・利用中の各段階できめ細かなカスタマー対応を図りながら、今後は会社の姿勢として“お客様の気持ち”を最重視したサービスづくりに邁進したい」とした田中氏は、「auは、大きく変わる。」という新しいコミュニケーション・スローガンを発表した。
■2016年夏モデル“第一弾”は10機種。夏には“第二弾”も発表
2016年夏モデルの内容は既報の通り。ラインナップはスマホが7機種、オリジナルのタブレット「Qua Tab PX」、フィーチャーフォン「AQOUS K」のほかWi-Fiデータ端末「Speed Wi-Fi NEXT」の合計10機種だ。田中氏は今回登場する新しい10機種は2016年夏モデルの「第一弾」であることを壇上で明らかにした。そして「この夏にはもう少しラインナップを追加発表したい」とコメントしている。これまで続けてきたオリジナル端末の「isai」シリーズが、LGのグローバルモデル「LG G5」ベースで開発され、登場するのだろうか?期待が高まる。
今回発表された新端末については、ユーザーが求める“自分だけの個性”であったり、頻繁に使うカメラ機能の充実、あるいは“大事に長く使いたい”というユーザーそれぞれの気持ちに答えることを重視しながら企画したと田中氏はコメントしている。
auオリジナルの端末「Qua(キュア)」シリーズについては、スマホとタブレットの両方に新機種が発表された。2種類のデバイスを同時発表する意図について、「スマホとタブレットを両方持って、上手に使い分ける時代がやってきたから」だと説明する。単発のラインナップを揃えるだけではなく、スマホとタブレットのペアリング設定が簡単にできる「auシェアリンク」の体験価値を強く訴求するとともに、ペアで使ったときに写真を手軽に共有できる「au Gallery」の機能など、ユーザーの体験価値を高める仕掛けこそが大切だというのが田中氏の持論だ。「端末はどこのキャリアも一緒じゃないの?という皆様の声に対して、auならではの答えを示したかった。Quaはシンプルで、かつオリジナリティのある端末」とアピールする。
スマホ購入時のわくわく感を高めるため、auのショッピングバッグがデザインもリニューアル。また購入時に渡されるたくさんの書類をスマートにまとめられるケースも直営店5店舗で配布する。Xperia、TORQUEの端末を使っているユーザーを集めたオーナーズパーティーなど、auのユーザーに向けた“ヒューマン”なケアを色んなパターンで仕掛けていくことで、今後大きく変わるauの証明にしていくことが同社の狙いだ。
■auの長期利用者への新しい優待特典サービスもスタート
既存のサービス内容を一新して「世界データ定額」
このほかにauの新サービスっも発表された。海外ローミングサービスは、既存のサービス内容を一新して「世界データ定額」に生まれ変わる。その内容は、980円/24時間の定額料金で利用で海外旅行時などに便利なデータローミングが利用できるというものだ。田中氏が「企画だけで半年以上かけて練り上げた」と自信をみせるサービスは、ユーザーが日本で加入しているデータ定額プランの容量とシームレスに使える点がポイントになる。ユーザーはデータ通信を使いたいタイミングから専用アプリ、またはブラウザアプリより利用開始を選択。24時間後には自動終了するので、使い過ぎの心配もないのが特徴だ。対象は32カ国からスタートする。
auのネットワークサービスを長期利用ユーザーのケアも充実させる。サービスの名称は「au STAR」。「auにとって、お客様がスターだという気持ちから名付けた」と田中氏。内容は大きく3つに分かれており、「au STARパスポート」はauショップでの待機時間を短縮するためのサービス。自宅でインターネット予約して、ショップへの訪問日時や相談内容を申し込んでおけば、スムーズに的確なアドバイスを受けられるようになるというものだ。
「au STARロイヤル」はauのサービスの利用年数と、データ定額料に応じて「WALLETポイント」をプレゼントするロイヤリティサービス。従来は3カ月ごとにデータ容量をギフトとして付与する長期優待データギフトのスタイルを改善して、幅広い用途に利用できる“ポイント”でKDDIとしての謝意を示すかたちに変更する。「月額利用料金から引けばよいのではという意見もあったが、ユーザーの声を集めたところ、auのオンラインショップでの買い物や、通信料金の支払いにも当てられるWALLETポイントの方が便利という意見が多かった」と田中氏は新サービスの仕組みに関する説明を補足する。もう一つの「au STARギフト」は、ユーザーの誕生日など“ハレの日”にプレゼントが贈られてくるというもの。新しい会員制プログラム「au STAR」は8月から順次スタートする。
また“もうひとつのギフト”として、「誰でも割」の2年契約を更新後も継続したユーザーにはギフト券3,000円がプレゼントされる。田中氏は「後々にはギフト券だけでなく、au WALLETマーケットや、その他au STAR会員専用のカタログギフトにも使えるようにしたい。今回発表した新サービスもまだ“第一弾”。ますますグレードアップしていくので期待してほしい」と述べた。
山本 敦