ケイ・オプティコムは5月31日、2016年度に開始するmineo(マイネオ)の新サービスとその事業戦略について記者発表を行った。同社モバイル事業戦略グループ マネージャー津田和佳氏が登壇した。
新しい事業戦略の骨子は、サービス開始以来独自のコミュニティを形成しているmineo既存ユーザーに対するものと、これからmineoを使おうという新規ユーザーに向けてのものに分けられる。
mineoのユーザー層は、「マイネ王」というユーザーコミュニティで対応機種、端末選び、申し込み方法、設定やサポートなどの情報を交換したり、「フリータンク」という余ったパケットをユーザーどうし共有できるサービスが機能するなど、比較的情報感度の高いユーザー層がメインという特徴があった。2015年にドコモ回線にも対応しマルチキャリア化したことから順調に加入者を増やし、今年5月には30万契約を突破した。
津田氏によれば、契約数の増加に伴い、mineoのユーザー層も年代、性別、エリアともに拡大しているという。またデータ通信だけでなくMNPを利用した音声通話(デュアルプラン)の利用比率も66.5%(2016年2月から現在まで)に達し、「最新のiPhone 6sもSIMフリー対象となったことと合わせ、SIMフリー端末は格安スマホとして2台目端末ではなく、着実にメインの端末にシフトしている。この追い風に乗るため」(津田氏)、既存ユーザーおよび新規ユーザー向けのサービス強化の発表となった。
なお、mineoでは、コミュニティの力もあり、多くのiPhone端末での動作検証が行われているが、iPhone 5シリーズ、iPhone 6シリーズ、iPhone SEのほかiPadもAir、mini、Proと動作が確認されている。ソフトバンク端末もiPhone 6s/6s PlusはSIMロックを解除すれば使えるといい、iPhone SEも対応端末に加わる見込みだ。こうした状況から津田氏は、mineoは「日本で一番iPhoneが使えるMVNOサービス」と述べている。
既存ユーザー向けの新サービスの目玉は、6月1日よりトライアルからスタートする「プレミアムコース」という予約制の専用帯域サービスだ。トライアル期間のユーザーは抽選となる模様で、同サービスでは確保された帯域を予約ユーザーで共有する。予約は1ヵ月単位となる予定で、いまのところユーザーごとの帯域制限は設けない方針だという。
ただし、確保される帯域、集約されるユーザー数、料金などは、トライアルの反応、結果を見てからとのことで、詳細は未定。トライアル条件のままサービスインするかどうかはまだわからない状態だ。9月には正式サービスとしてスタートさせたいとする。
■大阪に続き、東京・渋谷にもアンテナショップをオープンへ
他にもユーザーと運営のアイデアを共有する「マイネオラボ」、サービスや端末の評価を書き込める「レビュー」機能をマイネ王に新設する。これまで非公開で行われていたユーザーどうしのオフ会を、オープンイベント「mineoファンの集い」として7月30日(大阪)、31日(東京)で開催する予定もある。
さらに既存ユーザー(6月30日までにマイネ王でeoID連携していること)に対して、新規契約が無料になるエントリーコード2個と端末購入とSIM交換に利用できるAmazonギフト券(2000円)を配布するキャンペーンを実施する。
新規ユーザー向けには、まず、通話もそこそこ必要なユーザー向けに30分、60分の定額通話プランを6月1日から導入する。Webでの申し込み、契約が不安という層のため、提携店舗にヨドバシカメラを加え、梅田、京都、秋葉原、横浜、川崎、新宿西口の同店舗では即日SIM渡しが順次可能になるという。さらに、大阪グランフロントのアンテナショップと同様な店舗を、2017年初頭に渋谷にもオープンすべく準備を進めているそうだ。
キャリアに比べてサポートが不安というユーザーには、サポートサービス提携店にPC DEPO、ピーシーデポスマートライフを新規に加え、既存店舗と合わせ150店舗体制で臨む。オプションサービスとして「スマホ操作アシスト」「有害サイトフィルタリング」「クラウドバックアップ」「持ち込み端末保証」も導入される。
デュアルタイプの新規契約について3か月間、毎月800円割引くキャンペーンも実施する。
中尾真二