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【事件は会議室で起きる】第4回 会議室のモニタ活用にケーブルが不要になる

2016-06-07 16:16:19
 最近、会議室等でPCをモニターにつなぐときのケーブルで困ることはないだろうか。少し前はモニターケーブルといえばDsubコネクターのものがあれば事足りていたが、MacbookはThunderboltへの変換が必要だ。ノートPCでもディスプレイ用にはHDMI端子しか持っていない製品も増えてきている。いまや会議室には、D-sub、Thunderbolt、HDMIと少なくとも3種類の接続口が必要な状態だ。さらに、仕事でも、スマートフォンやタブレットしか普段使わない層も確実に増えている。

●ワイヤレス接続でケーブル問題を解決したいが…

 ワイヤレスでデバイスとモニターを接続する仕組みがあれば、ケーブルの問題はなくなる。すでに、WindowsのWireless Display Adapter、MacOSのAirPlay、Apple TV、汎用的なMiracastといった規格と対応製品(アプリ、ドングル)は存在するが、それぞれOS依存だったり、専用ドライバやアプリが必要だ。Miracastやスマートフォン用のChromecastなどもあるが、つなごうと思ったデバイスには対応アプリはほぼ必須である。

 会議室など、不特定多数のデバイスをつなげたいような場合、特定OS専用のシステムは使えない。また、業務利用では動画再生よりもデスクトップのミラーリング(または拡張画面対応)機能は必須であり、画面共有、分割表示といった機能もほしいところだ。

 今回レビューとして紹介する「EZCast Pro」は、ビジネスユース専用に作られた製品ではないが、会議室モニター問題を解決してくれる候補となる。PC、Mac、スマートフォンと、それぞれにEZCast Proのアプリが必要だが、デバイス画面の投影、ローカルコンテンツ、Webコンテンツの視聴・再生、画面の分割表示やホスト画面の共有といった機能を持っている。さらに、AirPlay、Miracastにも対応するので、EZCast Proをモニターに接続しておけば、マルチデバイス対応が簡単になる。

●製品はドングルタイプ、ボックスタイプも発売予定

 EZCast Pro本体はドングルタイプで、モニターとEZCast Proとの接続はHDMI(またはMHL)端子を利用する。そして、PCやスマートフォンは、EZCast ProをアクセスポイントとしてWi-Fi接続する。これでデバイスとEZCast Proとのリンクは確立され、デバイスローカルのファイルの投影、AirPlayなどが可能となる。インターネット接続は、EZCast Proが別チャネルで既存のWi-Fiルータに接続することで実現する。インターネット接続があれば、Webブラウザによるネットサーフィン、YouTube動画やストリーミングの視聴が可能になる。

 なお、取材に協力してくれたエー・リンクによれば、小型のSTBのようなボックスタイプの製品も発売予定だそうだ。レビューには新しいタイプも借りることができた。アプリはどちらも同じもので操作したので、レビューで使った範囲で両者に機能的な違いはなかった。ただし、ボックスタイプには、有線接続用のRJ-45コネクタがついているので、モニターの近くにLANケーブルがあれば、有線でつなぐこともできる。会議室などでLANケーブルが利用できるなら、こちらを使ったほうが、Wi-Fiの混信、チャネル干渉などを避けることができるだろう。

 EZCast Proには、もうひとつデバイスとの接続方法がある。既存ルータに接続デバイスもEZCast Proも同じように接続する方法だ。こちらはWi-Fiのチャネルが増えることは避けられるが、ネット上の動画配信などが、一度PCやスマートフォンで受けてからの表示となりスループットが若干落ちる。

 通信経路が確保できたら、事前にダウンロードしたアプリを利用して、動画、ドキュメント、音楽などのコンテンツの視聴を行う。基本的にはデバイスにローカル保存されたコンテンツを投影、再生するか、専用ブラウザによって対応動画サービスを視聴するパターンとなるが、主に利用するであろうメニュー項目を以下に示す。

●動画再生から会議利用と幅広い用途

写真:
ローカル保存の画像フォルダをテレビ画面に表示する。

カメラ:
内蔵カメラで撮影した画像をテレビ画面に表示する。スマートフォン等をライブカメラとして別の部屋の様子をモニターしたりキャプチャしたりできる。ただし、Wi-Fiの届く範囲での利用となる。

音楽:
ローカル保存の音源データをテレビのスピーカーで再生する。このときのテレビ画面はグラフィカルイコライザー式のピークレベルメーターが表示される。

Video:
ローカル保存の動画データをテレビ画面で撮影する。写真と同様スマートフォンで撮影した動画をグループで見たりするときに便利。

ウェブ:
EZCast Proの専用ブラウザを起動して、事前に登録されたYouTubeやDailymotion、vimeoといった動画配信サービスを利用できる。それぞれのサービスに自分のアカウントがあれば、自分の動画や登録チャネルを見ることもできる。登録チャネルは、コンシューマ向けの番組が多いので、ビジネスユースでは、会社や自分のアカウントの動画を見ることになるだろう。

 専用ブラウザで、通常のネットサーフィンも可能だが、埋め込まれた動画やリンクがそのまま再生できないこともある。ページに埋め込まれた動画が利用しているサービスに自分のアカウントがあり、専用ブラウザでログインしていれば再生されるが、そうでなければ再生されない、エラーになるなどの結果となる。例えば、筆者のアカウントで、EZCast Proの専用ブラウザからFacebookにログインしてタイムラインの動画を再生してみたが、レビューした範囲では、上記のように再生できる動画そうでないものに分かれた。

クラウドストレージ:
iCloud、Dropbox、OneDriveなどのドキュメント(Word、Excel、PowerPoint、JPG、PNG、MP3など)を表示、再生できる。ただし、クラウド上の同じフォルダでも別のファイルを開くとき、クラウドの選択から行う必要があるので、あまり使いやすいインターフェイスとはいえない。

似たような機能に「Clould Video」というメニュー項目がある。これは、「ウェブ」や「クラウドストレージ」にリンクのある動画表示チャネルへのショートカットになっている。Cloud Videoの中にもFacebookという項目があるが、こちらを選ぶと自分のタイムラインに表示されている動画部分だけがまとめられたページに飛び、連続再生が可能になっている。

分割画面:
最初にEZCast Proに接続したデバイスをホストとして、最大4台(ホスト含む)のデバイスの画面をテレビ画面に分割表示できる。ホストはまず分割表示に切り替えておく。ホスト以外のデバイスは、EZCast ProにWi-Fi接続しておき、画面表示のリクエストをホストデバイスに送る。ホストデバイスが承認すると、リクエストしたデバイスの画面が分割表示される。

ビジネスでは、プレゼンテーション、デモなどで使えそうな機能だ。

エアビュー:
ホストデバイスの画面を、ホスト以外のデバイスで共有するモードだ。全員がテレビ画面を見れば同じことだが、会議や授業のような場面で手元のデバイスに字の小さい資料などを配信できる。配信可能なデバイス数は、マニュアルに明記がないが、Wi-Fi環境に依存し、おそらく数台レベルが実用の範囲ではないかと思われる。

●AirPlay対応はMacユーザーにとっては便利

 EZCast Proが対応するOSは、iOS8以上、Android以上。PC系では、MacOS 10.9以上、Windows8以上となっている。

 MacOSではAirPlayにも対応しているので、Macbookなどのデスクトップ画面を大画面モニタに表示したり、セカンドモニタとして使うときにワイヤレスで接続できるので便利だ。同様にMiracast対応のデバイスがあれば同様だ。来客がこれらに対応したデバイスなら、ワイヤレス接続の環境を提供できるだろう。

 分割画面やエアビューの注意点は、Wi-Fi環境によっては動作が不安定になる場合があることだ。レビュー中、接続する端末が増えたり、周辺のアクセスポイントの状況によって、エラーで接続が切れることがある。このとき、ホストが勝手に切り替わったり、接続をやり直さなければならないことがあった。

●まとめ

 スマートフォンやタブレットの画面や動画を、大画面のテレビでみたいというニーズにはChromecastやApple TVがある。対応するサイトやコンテンツは限られるが、個人ユースではこれらの製品も意味がある。

 EZCast Proの特徴は、デスクトップ画面のミラーリング、分割表示、画面共有(配信)などビジネスユースを意識した機能と、AirPlay、Miracastなどにも対応しており、1台でさまざまな機器、方式に対応したモニター環境を構築できることだろう。

協力:エー・リンク
中尾真二

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