iPhoneやiPadのほか、Mac、Apple Watch、Apple TV(第4世代)など、Apple製品を使う場合、ほぼ間違いなくApp Storeの利用機会があると思う。Appleは現地時間8日、App Storeについて近日大幅な刷新を行うと、開発者向けブログ上で案内している。
App Storeの刷新について、開発者ブログ上で案内しているのは以下の2点だ。
■検索広告の導入
多くのアプリ開発者にとって、待望のサービスといえるのが「検索広告」の導入だ。
Appleによると、アプリをダウンロードするユーザーのうち、65%は検索によってアプリを探すという。だが、現在、App Storeには100万本を超えるアプリが登録されており、新規アプリが普通の戦いをしていては、埋もれてしまう可能性が非常に高い。しかし、「検索広告」の導入により、開発者は金銭的な負担さえすれば、今までよりも手軽に、注目度を上げることができるようになる。
具体的には、ユーザーの検索内容に合致している広告が、検索結果の最上部に表示される。広告のビジネスモデルはクリック課金で、入札制。最低予算はなく、クリックされなければ広告の出稿者に金銭的負担は発生しないが、この場合、広告内容はユーザーにとって利益がない情報とみなされ、広告スポットに表示されなくなる。
App Storeの検索結果に表示されているアプリが、通常の並び順によるものか、はたまた広告によるものなのかは目で見て判別できるので、ユーザー側のデメリットも少ない。まずはベータ版が提供され、次期基本ソフト上で正式に導入される予定となっている。
■開発者の収益向上
Appleは、開発者がより多くの収益分配を受けられるよう、収益の按分変更を案内している。アプリの収益分配についてはこれまで、Apple側が30%、開発者側が70%という収益按分となっていたが、今後は発売から2年目以降という条件付きで、Apple側が15%、開発者側が85%に変更される。開発者側の取り分が15%も向上したかたちだ。この変更は、ゲームを含む全てのアプリが対象で、6月13日から適用となる。
さらに、Appleの発表によれば、今後は国ごとで個別の価格設定が可能となる。これにより、開発者はこれまでよりも多様なマーケティング戦略が展開できるようになる。
これら2つの変更に加え、複数の海外メディアはアプリ審査日数の改善についても伝えている。今まで、アプリの審査には1週間近く時間がかかっていたが、審査ツールの見直しや内容の最適化等により、現在ではアプリの約半数が24時間以内、9割は48時間以内に審査を終えられているというのだから驚きだ。
App Storeの刷新については、現地時間13日から開催の開発者向けカンファレンスWWDC 2016において、さらなる詳細が明かされるようだ。
Tsujimura