総務省では毎年度、電気通信サービスの“内外価格差”について調査を行っているが、2015年度の調査結果が先週発表された。調査対象は、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ソウルの6都市となっている。
この調査は、携帯電話、FTTH、IP電話、固定電話の各サービスについて、さまざまなパターンでの利用(家族利用、端末割賦販売、一軒家/集合住宅など)を想定し、そのモデルに従って要する月当たりの総支払額を調べている。
それによると、スマートフォンの利用料金について、もっとも高いのはニューヨーク、もっとも安いのはロンドンという傾向が見られた。3年以上端末を買い替えず使っているユーザー(音声月69分・メール月142通・データ月5GB)だと、通信料金は、ニューヨークでは月額9,342円になるのに対し、ロンドンは3,634円となっている。東京は7,562円とニューヨークについで高い。一方、端末代金を考慮し機種変更したユーザーでは、東京は7,346円となり、ロンドンの7,294円と同じぐらいまで、低廉な価格になることがあきらかとなった。
また家族4人で利用した場合の1人当たり料金による比較では、ライトユーザー(音声月69分・メール月142通・データ月1GB)では、ロンドンの6,827円を下回り、東京は5,942円になるなど、月額通信料金割引が適用されることで、世界最安となっている。
FTTHについて月額料金による比較では、下り通信速度の1Mbps当たりの料金を見ると、東京の集合住宅向けがもっとも低廉になっていることもあきらかとなった。1Mbpsあたりニューヨークは79.5円だが、東京(集合住宅)は17.8円と4分の1以下になっている。
なお、通信料金は、各国で通常料金・割引制度が異なるなど、さまざまな体系が存在する。まったく同じ使い方でも大きく異なる点、そもそも同じ国内でも地域格差がある点などには注意が必要だ。
赤坂薫