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動画配信に新たな波!今夏上陸するスポーツ特化型のVODサービス「DAZN」とは

2016-07-19 07:00:06
 英国に拠点を構えるPerform Group(パフォーム・グループ)は、スポーツを中心とするオンライン配信とメディア展開を主力とする最大クラスのコンテンツ企業だ。そのパフォーム・グループが今年の夏、世界に先駆けて日本でスポーツのライブストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」を提供する。

 今回は日本法人であるPerform Investment Japanのマーケティング&パートナーシップ本部長、ピーター・リー氏を訪ねてDAZNの戦略を語ってもらった。インタビューを通して、DAZNにどんなコンテンツが並び、どのようなデバイスで楽しめるのか具体的な情報も明らかになった。

■日本人はさまざまなスポーツに興味を持つのが特徴

 米国で最大規模の「Netflix」や「Amazonプライム・ビデオ」などビッグネームが日本上陸を果たして間もなく1年になる。オンラインで楽しむ動画(VOD:ビデオ・オン・デマンド)サービスに本格的な注目が集まりはじめるなか、スポーツ系コンテンツに圧倒的な品揃えを誇るパフォーム・グループのDAZNが、このタイミングで世界に先駆けて日本でサービスを始める狙いはどこにあるのだろうか。リー氏は次のように答える。

「DAZNを始めるにあたり、いくつかの国々でスポーツコンテンツの消費者動向を調査してきました。その結果、日本の人々は世界のスポーツファンと比べて嗜好性の幅が広く、さまざまなスポーツに興味を持っていることがわかりました。最近の例では、マイナースポーツと考えられていたカーリングが、オリンピックの女子代表選手の活躍によって注目されたり、ラグビー日本代表がワールドカップで躍進して、人気選手も生まれたことから一気にメジャースポーツとなりました。日本にはスポーツの流行というものがあり、それが頻繁に入れ替わります。日本の方々は世界のスポーツファンと比べて感度が高く、流行に敏感だと言えます。多彩なスポーツコンテンツのプラットフォームを目指す、DAZNを受け入れていただけるユーザーの土壌が最も整っている舞台だと考えました」

 DAZNというネーミングは、スポーツ選手が極限の集中状態に入る際に「ゾーンに入る」と表現される言葉に由来している。「スポーツファンを最高の視聴環境にのめり込ませたい」という強い思いがその背景にあるとリー氏は説いている。

 DAZNがスポーツコンテンツに強い背景には、“360度・ピュアにスポーツな企業”をうたうパフォーム・グループの底力があるとリー氏は語る。グループを支える柱の事業は3つ。一つめのメディア事業に含まれるのは、サッカーファンならおそらく誰もが一度は訪れたことがあるサッカー専門のニュースサイト「Goal.com」などの情報媒体だ。もう一つの柱であるコンテンツの企画・制作事業のほか、DAZNを核とするインターネット配信のOTT(Over The Top)事業が新たに加わることになる。

■「DAZNのサービスは定額制。多くの人が魅力的に感じる価格で提供したい」

 インタビューを行った7月中旬時点ではサービスが始まる具体的な日程や価格体系、スタート時のコンテンツ数は明らかにされなかったが、国内プロバレーボールの「Vリーグ」と総合格闘技団体UFCの試合がライブ配信されることが発表済みだ。そしてまだ具体的には明らかになっていないものの、サッカーや野球、テニス、モータースポーツなどメジャーなスポーツを含む30を超える種目がDAZNのアーカイブに組み込まれる計画がある。

 配信形態については、多彩なジャンルのスポーツコンテンツをひとまとめにパッケージング化して、定額配信制で運営される。種目や視聴デバイスごとに料金モデルを細分化してしまうことで、ユーザーにとっての契約が煩雑になってしまうことを避けようとする意図がそこにあるようだ。

 あとは月々の利用料金がいくらになるのか気になるところだ。リー氏は「多くの方々が魅力的に感じられる価格設定」が目標だと述べている。

「いくつかのスポーツコンテンツをパッケージ化して、個別に契約を追加していきながら楽しめるサービスが、すでに日本国内でも先行していますが、いろいろなスポーツをまとめて楽しもうとすると、月々の視聴料金をシミュレーションしてみると8,000円近くにまで跳ね上がってしまいます。DAZNはより手軽に、多彩なスポーツコンテンツを定額利用できるよう価格を落とし込みたいと考えています」

■ライブストリーミングだけじゃない。オンデマンド配信もやる

 NetflixやHuluなど先行する動画サービスは、映画やドラマなど静的なコンテンツを中心に再生・一時停止を自由に繰り返しながら、いつでも見たい時を選んで楽しめるビデオ・オン・デマンド(VOD)配信が中心だ。これに対してDAZNではスポーツのゲームを中心に、ライブストリーミングがメインで提供されるということだが、他の楽しみ方は用意されないのだろうか。リー氏に訊ねたところ、オンデマンド型の配信サービスもしっかりと用意されるようだ。

「DAZNでは世界のさまざまな場所で行われているスポーツイベントをライブ配信しますが、当然オンタイムで見られないという方も多いと思いますので、コンテンツによってはオンデマンドで見逃し視聴ができるようなものも揃える予定です」

 スポーツコンテンツを中心とした動画配信サービスはなぜこれまで普及してこなかったのだろうか。DAZNの勝算も含めてリー氏に質問をぶつけてみた。

「デジタル技術が成熟してきたからではないでしょうか。いまから10年前、スポーツ中継をワンセグ対応の携帯電話で見ていた時代と比べて、今はハードウェアや通信ネットワークが大幅に進化しています。通勤・通学の時間、待ち合わせなどアイドルタイムの間に動画を見ながら過ごすといったライフスタイルが当たり前のように定着してきました。そこにはスポーツコンテンツへの大きな潜在ニーズがあり、DAZNが成功する土壌があると確信しています」

■マルチデバイス対応に4K画質配信、快適なLTE視聴スタイルも整備する

 DAZNを視聴できるデバイスは、当初スマホやタブレット向けのモバイルアプリから始まり、順次スマートテレビやゲームコンソールを含むマルチデバイス対応へ拡大していくという。パフォーム・グループでは高品位な動画コンテンツを配信するためのインフラ技術の開発、サーバーの保守管理も自社で行っているため、サービスの拡張やメンテナンスについても迅速で柔軟な体制がとれるという。

 映像の画質については4K対応ものも用意される。また動画をストリーミング視聴する際のネットワーク品質やデバイスの画面解像度に最適化した画質で配信する仕組みも整えているようだ。LTEやWi-Fiネットワークで視聴する場合はユーザーが画質を選ぶこともでき、特にパケット通信量を抑えながら楽しむためには必須とも言える低ビットレートモードの実装にも抜かりはないという。

 DAZNのサービスを日本で契約して、海外で視聴することもできるようになるのだろうか。これについてリー氏は、現段階ではまだ技術的な検証が済んでいないため明確な回答はできないとした。一方、DAZNが世界展開を開始した際には、それぞれのインターフェースは共通としながらも、各地域で並ぶコンテンツは異なってくることになりそうだ。その理由はスポーツコンテンツの性質上、インターネットで配信する場合の権利は基本的に各地域に限定して与えられるものであるため、例えばアメリカでDAZNが始まってアメリカで契約しても、日本のDAZNで配信されているVリーグの映像を見ることは難しそうだ。

■動画配信のゲームチェンジャーになる

 「DAZNで配信するためのライブ映像を、自社で製作することもできることが私たちの強み」とリー氏は胸を張る。例えばバレーボールのVリーグは、パフォーム・グループの製作クルーが映像の撮影から編集、実況まで全ての要素を揃えて作り上げるのだという。ただ、当然ながら番組によっては外部が製作したコンテンツを買い付けて配信する場合もある。海外製作のコンテンツには、日本語の音声実況や字幕を加えたり、あるいは外国語のままでも内容が十分に楽しめると考えられるものについてはそのまま放送したり、臨機応変に対応していくようだ。

 試合のライブ中継以外も、スポーツにまつわる多様なコンテンツをラインナップに追加していきたいとリー氏は語る。「開始早々の時期はまず試合のライブ配信で土台を固めて、段階的にスポーツの情報番組やハイライト映像、スポーツ周辺のカルチャー番組など企画の輪を広げていきたいと考えています。VR(バーチャル・リアリティ)については今のところハードウェアの普及に依存する部分もあるとみていますが、もし多くのコンシューマーが望むことであれば対応も考えたい」とした。

 最後に今後の事業計画をリー氏に訊ねた。リー氏は「動画配信サービスのゲームチェンジャーになりたい」としながら、長い期間をかけてDAZNを浸透させて、新しいスポーツ視聴のライフスタイルを築いていく意気込みを強くあらわにした。その過程のなかで、グループの基本姿勢は「はじめにファンありき」であることもリー氏は強調している。「どこにファンがいて、彼らが何を求めているのか常にアンテナを張っておくことが何より大切だと考えます。こちらがやりたいことをファンに無理矢理押しつけることはせずに、反対にファンの期待にいつも目を向けながらDAZNを進化させていきます」とリー氏が語る展望は明るい。ユーザーとしては、DAZNに並ぶコンテンツの全容が早く明らかにされることを願うばかりだ。
山本 敦

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