イオンリテールが展開するイオンモバイルでは、26日より「050かけ放題サービス」を開始する。月額1,500円(税別、以下同)のIP電話サービスで、音声通話が24時間、回数無制限で利用できる。
記者説明会にはイオンリテール デジタル事業部の橋本昌一氏が登壇した。同サービスは、イオンモバイルSIMの利用者を対象にしたIP電話サービス。イオンモバイルオプションサービス「050かけ放題サービス」に申し込みのうえ、専用アプリ「050 IP電話」から発信することで24時間、回数無制限で音声通話が利用できる。データプランを含む全てのプラン(音声プラン、データプラン、シェア音声プラン)で利用できる。例えば「データ1GBプラン 月額480円」で利用すれば、480円+1500円=1,980円でネットができるうえ、IP電話がかけ放題になる。
イオン213店舗では、大手キャリアとMVNOのSIMを併売してきた。その結果、格安SIMサービスの利用が増加しており、「非常に手応えを感じている」(橋本氏)状況だという。一方で、利用者からは「通信費だけでなく音声電話も安くしたい」という要望も多く寄せられた。「接客を通じて、“通話し放題のプランがあったら良いのに”という声を売り場でお聞きするようになった」と橋本氏。
イオンモバイルでは、音声回線の使い方についても市場調査している。それによると、消費者の4割くらいは「通話時間を気にせずに電話したい」との結果が出た。今回のサービスは、こうしたニーズをとらえたもの。契約者には050で始まる電話番号が付与される。国内固定電話、携帯電話・PHS、国内IP電話への音声発信が利用可能。110、119などの緊急通話には対応しておらず、また海外への通話はできない。複数のSIMを契約するシェアプランでも利用できる。この場合、発信は050で始まる番号となり、相手からの電話は最後に発信したSIMにかかる仕様だという。イオン213店舗で取り扱うほか、イオンデジタルワールド(オンラインショップ)での申し込みなどに対応している。
またイオンモバイルでは、オリジナル仕様のスマートフォン2機種をラインナップに追加。「ZTE BLADE E01」は、高スペックなエントリーモデル。市販の製品に比べてRAM/ ROMが2GB/ 16GBに増強されている。販売価格は17,800円。そして、「arrows M03」はワンセグを搭載したモデル。シニア層の利用も想定しており、文字が大きく太くなる「はっきり文字」機能などを搭載した。販売価格は37,800円。
■「ポケモン Go」の影響は?
橋本氏は質疑応答、囲み取材に対応した。
--- IP電話を選んだ理由は?
従来から「050 PLUS」というNTTコミュニケーションズさんのIP電話サービスを取り扱ってきた。大変ご好評をいただいている。かけ放題を実現するには、IP電話サービスが最適と判断した。
--- 格安SIMサービスの利用が増えている。
手応えを感じている。先日は、高齢のお客さまが1時間半かけてイオンモバイルの契約まで来てくれた。笑顔になっていただけた。
--- サービスの開始当初は、電話やWebによる申し込みに人が殺到して、オペレーターにつながらないなどの混乱があった。
当初の想定より多くのお客さまにお申し込みいただいた。オペレーターの教育など充分に行ったつもりだったが、まだ不慣れなところがあった。現在は混乱も解消できたと認識している。
--- 20代、30代が増えている要因は?
若い方に、格安SIMの認知度が高まってきたところ。地域になじみのあるイオンということで、ご利用いただけている。これまでイオンの店舗には来ていただけなかったような若い方も来店されている。
--- 若い層には、どのような契約プランが受け入れられている?
若い方にはSIMカード単体の契約が、ご年配の方にはスマホとのセットが増えている。
--- 「ポケモン Go」の影響はある?
長い目でみたとき、私たちにも恩恵があるのではないか。ゲーム機の売上は年々右肩下がり。そんななか、スマホに大ヒットするゲームタイトルが生まれた。小、中学生が親にプレゼントをねだるとき、その対象がゲーム機からスマホに代わりつつある。しかし大手キャリアでは経済的に高い。そこで、私たちのサービスがご利用いただける。
近藤謙太郎