発売されたばかりの新型iPhone「iPhone 7」を用いての通信速度調査レポート。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクそれぞれのiPhone 7を用意し、各種スポットで速度調査を実施していく。測定にはスマホ向けアプリ「RBB SPEED TEST」を使用。各キャリア同じタイミングで3回ずつ測定し、上下の通信速度(Mbps)を記録している。
今回の調査スポットはJR新宿駅。広大な敷地を持つ新宿駅では場所によって電波状況が大きく異なるため、9つある改札すべてで調査を実施した。 測定日時は9月16日金曜日、17:20~18:30の間。平日の帰宅ラッシュで比較的混雑している時間帯での調査となっている。以下、各キャリアごとに結果の概要を見ていく。なお、結果詳細については表にまとめてあるのでそちらを参照していただきたい。
まずNTTドコモだが、全9改札での平均値は下りが36.05Mbps、上りが10.26Mbps。下り速度で見ると、中央西口での平均72.63Mbpsをはじめとして4改札で40Mbps以上の高い数値を記録した。もっとも遅かった西口改札でも下り12.53Mbpsと10Mbpsを超えており、帰宅ラッシュで混雑する駅での結果と考えると優秀な結果と言える。上り速度も概ね安定していたが、新南改札で上り平均0.26Mbpsと極端に遅くなったのが少し気になる点だ。全9改札での27回の測定について、参考までに中央値も確認しておくと、下り 23.32Mbps、上り10.08Mbpsとなっていた。
次にKDDI。9改札での平均値は下り25.47Mbps、上り7.00Mbps。東南口改札で下り平均79.79Mbps、甲州街道改札で下り平均43.93Mbpsと高い数値を記録した。一方、東口での平均8.14Mbpsなど3改札で下り10Mbpsを下回り、安定感に課題が見えた。中央値で見ても、下り11.82Mbps、上り7.78Mbpsと、下りについては平均値との差が大きくなっている。上り速度に関しては、10Mbpsを超えることはないが、極端に遅くなることもなく安定していた。
最後にソフトバンクは、9改札の平均値が下り39.12Mbps、上り17.08Mbps。中央西口で83.53Mbps、中央東口で82.40Mbpsと2箇所で下り80Mbpsオーバーを記録した。一方で、下り10Mbpsを下回ることはなかったものの数値の波が激しく、中央値で見ると下り21.33Mbps、上り16.93Mbpsとなり、平均値とのかい離は大きくなった。上りに関しては3箇所で20Mbpsを超えるなど好調だった。
混雑する時間帯の新宿駅という厳しい環境での調査となったが、3キャリアともさすがに全く通信できないような場所はなく、年々通信環境が安定してきていることを実感した。上下ともに十分に満足のいく環境の整備まで、あと一歩というところではないだろうか。
白石 雄太