アップルの最新スマートフォン「iPhone 7/7 Plus」が9月16日に発売された。今回の新機種も国内3キャリアが取り扱いに名乗りを上げた格好だが、その実力を秋の3連休でにぎわう横浜みなとみらいの観光スポットで調査した。
今回もドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクのiPhone 7を入手した。新色のジェットブラックがどのキャリアでも入手困難であるということだが、言うまでもなくカラバリは通信のレスポンスへ特段影響を及ぼさないであろう。それぞれに異なるカラバリモデルを用意した。
サンプルに選んだスポットは、みなとみらい線の路線における中心駅の一つである「みなとみらい駅の駅構内」、クイーンズスクエアへの連絡路付近をはじめ、横浜ランドマークタワーのふもと、測定を実施した日にはバスケット大会で盛り上がっていた「ドックヤードガーデンの屋外」、そしてジャズフェスで盛り上がる「赤レンガ倉庫の広場」の3カ所だ。スピードテストの定石に従い、SPEED TESTアプリを使って各地点で3回ずつ計測を行い、得られた上り/下りの通信速度データから平均値を導き出した結果を紹介する。
最初に速度を計った場所はみなとみらい駅の構内。時間は午前11時頃で、ランチを楽しみにクイーンズスクエア、あるいはランドマークタワーの施設にめがけて足早に急ぐ人々が活発に往来している。こちらで最も速いスピードを計測したのはソフトバンクのiPhone 7。45.22Mbps(下り)、13.87Mbps(上り)の最高速度だけでなく、3回の平均値も43.8Mbps(下り)、11.8Mbps(上り)と他を引き離した。3回の平均値で比べると、auは26.14Mbps(下り)/7.7Mbps(上り)、ドコモが35.61Mbps(下り)/6.0Mbps(上り)という成績を残している。
続いて横浜ランドマークタワーの隣りにあるイベントスペース、ドックヤードガーデンへ移動。船を修理するための巨大なドックとして使われていたという、独特の樽のかたちをしたスペースではバスケットボールの大会が行われていて、大勢の観客が声援を贈っていた。晴れた気持ちの良い正午前の時間に計測を行い、ここではauのiPhone 7が驚くべきスコアをたたき出した。3回測定した平均値は、166.49Mpbs(下り)/8.52Mpbs(上り)と、特に下りのスピードが目覚ましい。ただ、ソフトバンクは33.46Mbps(下り)/20.38Mpbs(上り)、ドコモは39.50Mpbs(下り)/20.39Mpbs(上り)と、ともに上りも下りと同じくハイスピードを記録していたということを押さえておきたい。
横浜の人気デートスポットである赤レンガ倉庫は、測定を行った連休の初日にも若いカップルが数多く訪れ、スマホを手に肩を寄せ合っていた。ただこの日はジャズフェスが行われていたこともあって、広場に集まる人々の年齢分布が広かったことも目に付いた。測定を行った時間は正午を少し過ぎたころ。安定感を示したのはドコモで、3回計った平均値は42.16Mpbs(下り)/14.30Mpbs(上り)を記録。ソフトバンクは44.1Mpbs(下り)/11.8Mpbs(上り)とこれに並ぶ。auは28.4Mpbs(下り)/4.15Mpbs(上り)と少し差が付いたが、Webブラウジングなどで体感の差はほとんど感じられなかった。
全体を振り返ると、ドコモのiPhone 7が3つの測定ポイントで押しなべて安定した計測結果を残したと言える。いずれの場所も大勢の人々で賑わうスポットだったのにも関わらず、体感上はWebブラウジングやYouTubeによる動画鑑賞等で何ら不自由なくiPhone 7を活用できたことが印象に残った。直近の間で各社のネットワークの通信品質がより安定感を高めてきたと言えるのではないだろうか。
山本 敦