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完成度高い!iPhoneが360度カメラに早変わりする「Insta360 Nano」【オトナのガジェット研究所】

2016-09-23 11:30:08
 今年に入ってiPhone用ガジェットに並ぶ勢いで「VR(仮想現実)」に関連するガジェットの品数が急速に増えている。中国の新鋭ベンチャーShenzhen Arashi Vision社が開発、サンコーレアモノショップが扱う「Insta360 Nano」もその一つだ。iPhone専用で360度カメラという、流行のど真ん中を捉えた注目の製品を検証してみよう。

 Insta360 Nanoは、iPhone 6/6 Plus以上のiPhoneのLightning端子にダイレクトに差し込んで、360度の全天球静止画・動画が撮れる外付けカメラユニットだ。本体にはバッテリーと記憶媒体になるSDカードスロットを内蔵しているので、iPhoneとペアでなくても単体でVRカメラとして機能する。でもiPhoneに組み合わせないとライブビュー撮影ができないし、日時の記録も行えない。iPhoneと一体で真価を発揮するガジェットだ。

 スティック状の本体の先端、前後に210度ずつの画角をカバーするレンズを搭載。イメージセンサーは4MP。レンズはF2.0とまずまずの明るさ。最大3040×1520画素の解像度で撮影ができる。

 iPhoneとWi-Fi接続やBluetoothによる面倒なペアリング設定が一切不要なのがいい。Lightning端子に装着して、専用アプリの「Insta360 nano」をインストールするだけで撮影準備が完了する。ユーザー登録も不要だ。iPhone 6sに装着してみると大きさのバランスはよさそうだ。重さも73gと軽くて負担はない。ただ、iPhoneを天地ひっくり返して構えるのが同機の撮影スタイルなので、専用アプリから他のSNSアプリなどに切り替える時に違和感を感じる。またiPhoneを持って頭の上に高く掲げて360度撮影をするときにうっかり手が滑らないかひやひやする。自撮り棒的なアクセサリーを見つけて併用した方が良さそうだ。

 撮影したファイルは、静止画がiPhone本体のアプリと、カメラに装着したSDカードの両方に記録され、動画はSDカードのみに保存する。撮影時はiPhoneのディスプレイがライブビューになるので、被写体の構図が決めやすい。アプリのシャッターアイコンをシングルタップで静止画撮影。撮影モードを動画に切り替えて、シャッターアイコンを押し続けている間に動画が撮れるほか、長時間録画を行う際にはシャッターアイコンを押してから、上方向にスワイプするとシューティングが固定される。撮影関連の操作はとてもシンプルだ。メニューのインターフェースは言語が英語になるが、読めないと困るほど複雑な設定項目もないし、日本語の取説で操作方法の全容はカバーされている。

 実際に使ってみるとカメラとしての完成度はけっこう高く、使い心地が良いことに気が付いた。ライブビューは前後のレンズで捉えた映像をワイプ表示で1画面に重ねて表示するので、被写体を正確に写真の中に収められる。プレビューの遅延がなく、シャッターのレスポンスも良い。撮ってすぐその場でプレビュー再生がスムーズにできる。メインメニューのインターフェースもシンプルにつくられている。例えば撮影したファイルのリストは、サムネイルの右下に動画か静止画を見分けるアイコンが表示されていたりと、なかなか気が効いている。

 前後のレンズで撮影した映像をつぎはぎする自動スティッチ機能の出来映えはなかなか良い。継ぎ目に大きく目立つノイズが出たり、被写体がつぶれてしまうことはなかった。反面、映像に撮影者の手元がかなり写り込んでしまう。音声シャッター機能のようなものも特に搭載されていないため、撮影時には必ずシャッターアイコンをタップしなければならないから、撮影者の手の写り込みは不可避だ。気になる場合はそこにInsta360 nanoのロゴを表示してごまかすという手段もある。撮影時にシャッター音が出ないので、周りに迷惑をかけないよう心がけて使いたい。

 カメラ側にもバッテリーが内蔵されているので、使い続けるうちにiPhoneのバッテリーが消費されていくことがないのがいい。ただ、最長連続撮影は1時間なので、1日中使うならカメラ本体のUSB端子にポータブルバッテリーなどをつないで、常時電源を確保しながら撮影に望みたい。バッテリーに関してもう一つ気になるのは、iPhoneにつないで間もなくすると、カメラ本体がかなり熱を持つこと。残暑の折に手持ちで撮影するのがちょっとつらいほどだった。バッテリーが減るスピードもそれなりに速いので、1日の間に長く使うならやはりこまめな充電、もしくはポータブルバッテリーが必要だ。

 撮影した静止画・動画はスマホアプリの画面で直接再生。再生時には魚眼レンズ撮影のような「フィッシュアイ」、人の視点で見た情景に近い「パースペクティブ」、半球体のような「プラネット」と、3種類の効果が遊べる。画面を指でグリグリとスワイプしながら視点を変えたり、iPhoneの傾きに合わせて映像を動かせる「ジャイロ」の2種類の操作モードが選べるので、撮った後の楽しみが膨らむ。

 ほかにもWin/Mac用にPCアプリ「Insta360Player」が用意されていて、インストールすると撮影した動画をスマホアプリの画面上で操作するのと同じ感覚で、ポインターで画面をいじりながら全天球撮影された静止画・動画を再生して楽しめた。簡易なものだが出来は良いアプリだ。

 スマホ用アプリで撮影・再生まではできるが、編集機能が付いていないから、基本は撮りっぱなしになる。サイトで公開されているWin/Mac対応のPCアプリ「Insta360Studio」を併用すれば、不要な箇所を削除できる簡易なカット編集ができて、動画ファイルをMP4形式で書き出せた。また静止画はJPEG形式に変換して保存ができる。

 撮影した動画・静止画はVR再生でも楽しめる。商品パッケージの厚紙でできた箱が簡易なVRゴーグルになっているので、アプリからVR再生モードに切り替えて、iPhoneをゴーグルにセットしてみる。カメラを装着したままではゴーグルと合体できないので、カメラのSDメモリーカードからファイルをiPhoneに転送してから、ゴーグルにセットして視聴する。簡易なゴーグルなので画質はまずまずだが、取りあえずカメラとセットでVRの世界へ気軽に一歩足を踏み入れるにはお手頃なガジェットだと思う。なお本製品に直接関係はないが、エイベックスデジタルがアプリ「dTV VR」のプラットフォームで制作・配信するVRコンテンツもこのセットで楽しめるので、ゴーグルが付いてくるお得感が高まった。

 iPhoneに直付けできることを活かして、撮影した360度写真や動画を手軽にFacebookやYouTube、TwitterなどのSNSに公開することもできる。FacebookやYouTubeは360度動画コンテンツの公開にも対応しているので親和性が高い。YouTubeへのアップロードを試してみたが、iPhoneにアプリが入っている状態でログインを済ませておけば、Insta360 nanoのアプリからShareを選ぶとYouTubeのアイコンが出てくる。あとは指示に従って動画をアップするだけ。画質は最高品質の3K/30fps/13Mbps以下、3段階で切り替えて選べる。ファイルサイズを小さくして、スピード感を優先してシェアするといった使い方もできる。なお、Facebookの静止画、およびTwitterとLINEの静止画・動画投稿はいったんInsta360 Nanoの専用サーバーを介して投稿される仕様になっていて、各サービス上にはInsta360 Nanoのサーバーへのリンクのみが上げられる。つまり閲覧はInsta360 Nano専用のページ上でということになる。しかも投稿されたデータは削除ができない仕様になっているようなので、内容を確かめてからシェアするよう心がけたい。


 手元に対応するiPhoneがあれば、取りあえずいま話題のVRを撮影・再生の両方からいっぺんに楽しめるお得なガジェットだ。iPhoneに差してすぐに使える手軽さは大きな特長だが、一方で本体のレンズ部分が特別に保護されていたり、本体が防水仕様になっていることなどがないため、取り扱いは慎重にしたい。素材を投稿する場合は周囲のプライバシーにも十分配慮しよう。VR入門にも最適な製品。ぜひAndroid版の登場にも期待したい。

協力:サンコーレアモノショップ
山本 敦

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