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一括648円の「MONO」、ドコモ発の“格安スマホ”をレビュー

2016-11-14 07:30:06
 NTTドコモがオリジナルのAndroidスマホ「MONO/MO-01J」を12月上旬に発売する。いわゆる“格安スマホ”を凌ぐほどの、648円(税込)というお手頃価格を実現した同機の魅力は“価格だけじゃない”のか。発売前の実機を借りて検証を試みた。

■価格は648円だが、一定期間使い続けなければならない

 MONOの販売価格は機種変/新規/MNPともに税込で648円。実際の本体価格は32,400円であり、これにドコモの「端末購入サポート」を活用することで割り引きが適用されて648円で買えるようになる。端末購入サポートとは、ドコモが端末の継続利用と適用条件の継続契約を条件として、端末を購入するユーザーの負担を軽減するサービスで、MONOのように対象となる商品を購入すると自動的に適用される。適用条件には開通日の翌月1日から数えて12か月に渡って端末を継続的に利用することや、ドコモの指定パケットパックに加入することなどが含まれており、条件を満たさないと割引額返還として税込15,876円の負担がかかってしまう。そして2年以内で解約するとさらに10,260円の解約金が発生する。MONOの端末料金自体は確かに安いのだが、最低13ヶ月以上は使い続けないと、結局はそれなりに高額なペナルティになるので注意が必要だ。

■デザインは上質。ドコモのサービスも使えて便利

 「MONO(モノ)」の名前には「手に取るユーザーにとって大切なもの」になるスマホという意図が込められている。筆者の個人的な印象だが、デザインは明らかに格安スマホよりも質が高く、割引きが効いているとはいえ、この端末が648円で手に入るならお買い得感がある。カラバリはホワイトとブラックの2色。今回はブラックのモデルをハンドリングする機会を得たが、大人っぽくて精悍なルックスだ。サイドフレームには緩やかな曲線を付けて、前後のパネルより少しせり出した部分に指を引っ掛けながら持ちやすい。4.7型なので、男性はスーツのポケットにも収まりやすい。ただし本体の裏表ともに強化ガラスが貼られているため、持ち方によっては滑りやすく感じられることがある。ブラックのモデルは指紋が少し目立ってしまうこともあるので、専用カバー等のアクセサリーを活用したい。

 ドコモのスマホらしく、しゃべってコンシェルやSPモードを利用して使えるようになる「@docomo.ne.jp」のメールアドレスにも対応している点は、格安スマホに比べて安心感の差として魅力に感じる方も多いはず。旧来、ドコモのフィーチャーフォンを使い続けてきたユーザーが、初めてのスマホとしてMONOに乗り換えるなら移行もスムーズにできそうだ。初めてのスマホユーザーをサポートする便利機能のひとつとして、MONOには本体側面に素速くマナーモードに切り替えるための物理キーである「マナーモードスイッチ」を設けている。iPhoneのユーザーならお馴染みのキー操作だが、意外にも最近のAndroidスマホには搭載されている例が少なく、スマホ入門層から渇望されてきたものであるという。iPhoneのスイッチよりもボタンが少し大きめだが、全体のデザインには馴染んでいて違和感がない。操作感もスムーズだ。

 音声通話はVoLTEに対応。スマホの液晶にタップしたり、触れることなく通話発信や応答、着信音のミュートなど本体が操作できる「スグ電」にも対応した。ある程度スマホを使い慣れたユーザーがショートカット的な使い方をするためには便利な機能だが、スワイプやタップなどスマホの基本操作に慣れていない初心者の場合は、まずは基本的な液晶画面に触れて行う操作からマスターして、徐々にスグ電を試してみるのがよいと思う。本体をIPX7相当の防水、IP5Xの防塵仕様としているところは、MVNOが取り扱っている海外ブランドの人気格安スマホとの差であり、ドコモがしっかりとディレクションして開発したオリジナルスマホならではの特長だと言える。

■カメラ&ディスプレイのクオリティをチェック

 CPUは、クアルコムのラインナップではミドルレンジに位置づけられるオクタコアプロセッサーであるSnapdragon 617 MSM8952を採用。メインメモリーの容量は2GB。YouTube動画の再生や複数のアプリをマルチタスクで動かしてみても処理速度に不満は感じなかった。LTEの通信はドコモのLTE-Advancedによるキャリア・アグリゲーション技術を使ったプレミアム4Gには非対応だが、それでも下りの最大スピードは150Mbpsまで出せるスタンダードな仕様なので、今のところとりたてて不便は感じない。ただ、同機をこれから2年以上メインのスマホとして使うことも一応視野に入れて選択したいところではある。

 カメラ、オーディオまわりの実力をチェックしてみよう。メインカメラには約13.3MPの裏面照射積層型CMOSセンサーを内蔵、フロントカメラは約4.9MPの裏面照射型CMOSセンサーだ。昼間に花壇の写真を撮ってみたところ、色再現は見た目よりも少し黄色が強く出る。13MP/画角4対3のモードで撮影してみたが、解像感はそこそこ出せている。昼間に暗めの室内で撮影すると、記録されるイメージはiPhone 7で撮った写真と比てやや暗めに写るし、被写体の輪郭にノイズも乗ってくる。さらに夜景では被写体へのフォーカス合わせに若干タイムラグが発生する。本体をかなりしっかりとホールドしないと手ブレも目立つようになる。光源の周辺も輪郭が滲んでしまい、iPhoneに比べると暗部の黒つぶれも表れてきた。

 どうもカメラによる撮影が安定しないように感じていたところ、それもそのはずで、メインカメラ側のレンズユニットをよく見ると、一般的なスマホのフロント側カメラと見間違えるほどに小さいのだ。もう少し明るさが得られる口径の大きなレンズを乗せてこだわって欲しかった。

 ディスプレイの解像度は1,280×720のHD対応。サイズが4.7インチなので解像感の不足を感じることはなく、同じYouTube動画をiPhone 7と見比べてみても色合が少しあっさりとしている感じもするが、自然なバランスで再現できていると感じた。

■ハイレゾ再生を試してみる

 オーディオはイヤホンジャックからのハイレゾ再生に対応している。同じくハイレゾ対応のイヤホンやヘッドホンをつなげば、スマホ単体でCDを超えるハイレゾ音質の楽曲も手軽に楽しめる。ドコモは早くからハイレゾ・スマホに力を入れてきたキャリアだが、今回は遂にエントリーモデルのMONOにもハイレゾ対応が広がった。

 ハイレゾを聴く際に注意したい点は、例えば96kHz/24bitの音源ファイルは一曲あたりの容量が100MBを超えてくるので、本体の16GBの内蔵ストレージは気が付けばあっという間にいっぱいになってしまうことだ。だからmicroSDカードの併用は必須だ。MONOの場合はSDカードスロットがSIMカードのスロットと共通になるので、SDカードを頻繁に出し入れする際にはSIMカードになるべく傷つかないよう気を配りたい。

 いくつかハイレゾ音源を聴いてみた。MONOにはオリジナルのプレーヤーアプリ「音楽」が入っていてまずますの使いやすさなのだが、ドコモ純正の「メディアプレーヤー」アプリの方が、楽曲がハイレゾのものかが見分けられるロゴが表示されたり、SNS連携が便利だったりもする。サウンドは中低域が充実しているので、ロックやポップス、EDM系の楽曲によくマッチした。全体のバランスが若干、中低域寄りなのでクラシックやジャズの女性ボーカルなどを聴くと高域の情報不足を感じてしまう。専用のアンプやDACを積んだ単体のポータブルオーディオプレーヤーに比べると、そこは多機能複合機であるスマホだから仕方のないところなのだが、音量が少し不足しがちなので、通勤電車の中などノイズに囲まれる場所では音楽が聴きづらく感じることもある。遮音性の高いカナル型イヤホンか、あるいはノイズキャンセリングヘッドホンなどを併用した方が、ハイレゾに限らず音楽再生全般が快適に楽しめると思う。

■バッテリーは確かにタフ

 バッテリーの容量は2,440mAh。このサイズのスマホにしては平均的な容量、あるいは少し少なめだが、独自に省電力設計をチューニングしたことで、普通に使って約3日間というバッテリーの長持ち性能を実現しているという。音楽や動画再生も含めて普通に使ってみると確かに2日から2日半前後は長時間充電しなくても大丈夫なほどのタフさが実感できた。USB端子はmicroUSBなので、一般的なデジタルデバイスと同じUSBケーブルをいまのところは共用できる。

 MVNOの格安スマホには興味はあるものの、操作に困ったときのサポートや故障した場合の不安を考えると、使い慣れたキャリアの格安なスマホを選びたいというドコモユーザーにとって、MONOなら色々なドコモのサービスを使い続けることができて、おサイフにもやさしいベストな選択肢だと思う。デザインの質感が高く、いろいろな機能がシンプルにまとまっている。唯一カメラ機能については筆者として不満が残ったところ。例えば夜景の撮影や、セルフィーでポートレートを頻繁に撮るという方の場合は他の製品もよく比べながら判断した方がよいと思う。またおサイフケータイや生体認証によるセキュリティ機能は搭載していないので、すでにスマホを使い慣れている方が乗り換える先のスマホとしては物足りなく感じてしまうかもしれない。とはいえ、MONOは発売後も注目を集めるスマホになることは間違いなさそうだ。

協力:NTTドコモ
山本 敦

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