■活用シーンが増える自宅Wi-Fi
PCやスマホ、タブレット端末の通信だけでなく、TVやゲーム機の接続などWi-Fi活用のシーンは多岐に渡っている。そんな中で、自宅Wi-Fiの実効速度はどうなっているのか。昨年にも一度、自宅Wi-Fiの通信速度についての記事を公開したが、今回も、通信速度測定サービスRBB SPEED TESTの測定データからその傾向をみていきたいと思う。
Wi-Fi速度は利用するデバイスのスペックに影響されるため、対象端末はiPhone 6以降に発売されたiOS端末にしぼって確認した。測定期間は2017年1月1日から31日の1ヵ月間。契約している固定回線の種類として光・CATV・ADSLのいずれかが選択されたデータを対象とした。
■「光」ギガプランは100Mbps超え 「光コラボ」は測定数が増加傾向
今回、光・CATV・ADSL回線を契約しているユーザーによるWi-Fi測定は合計で159,183件あった。下りの平均速度は76.44Mbps、上りは82.37Mbpsとなっている。回線種類別にみてみると、光回線ユーザーがもっとも多く、137,708件と全体の8割以上を占めた。下り平均は80.59Mbps、上りは91.76Mbps。光回線の中で、理論値が下り1Gpbs以上のプランに絞ってみてみると、53,009件の測定があり、下り平均105.09Mbps、上り平均116.24Mbpsとなった。やはりギガプランユーザーの方がWi-Fi速度も速くなっている。
次に、最近存在感を増している光コラボレーションプランのユーザーに絞ってみてみた。32,394件のデータがあり、測定数でみると光回線のギガプランに迫りつつある。平均速度は下りが75.14Mbps、上り91.81Mbpsで、こちらは少し物足りない結果となった。右肩上がりで測定数が増えている光コラボプラン。その内訳としてはSoftBank 光とドコモ光の測定が群を抜いて多く、この2サービスの測定数が光コラボ全体の7割を超えている。
CATVについては、16,601件の測定があり、平均速度は下り59.14Mbps、上り24.38Mbps。昨今、光サービスとして1Gbps以上のプランを提供するCATV事業者も増えており、そうしたギガプランに絞ってみると、測定数は1,721件。下り平均が85.19Mbps、上りが65.11Mbpsという結果になった。最後にADSL。NTT東西が新規の受付を終了するなど、縮小の一途を辿るサービスではあるが、4,874件の測定があった。下りの平均速度は18.15Mbps、上りは14.42Mbpsとなっており、やはり速度の面では厳しい結果となっている。
以上、2017年1月の測定データをみてきた。今後も定期的に自宅Wi-Fiの速度について推移を確認していく予定だ。なお、デバイスのスペック以外にも、Wi-Fiルータのスペック、部屋の間取り、同時に接続する端末数など様々な要因によってWi-Fiの通信速度は上下する。ここで紹介する数値と自分のWi-Fi速度がかい離している人は、そうした要因も一度チェックしてみることをオススメする。
白石 雄太