通信速度測定サービスRBB SPEED TESTでは、日本中から日々測定データが集まってくる。この連載コラムは、そのデータをさまざまな切り口で分析してみようというもの。不定期ながら、独自のポイントで種々の回線速度をチェックしていくのでお楽しみに。
ここで扱うデータはRBB SPEED TESTの測定データをEXCELなどで集計、分析したもの。統計的に有意なものというより、測定データから読み取れそうな現象を論じることが目的なので、そのつもりで読んでほしい。一介のライターに多くを期待してはいけない。
さて、初回は、スターバックスコーヒーのWi-Fiスポットの傾向を分析してみた。対象データは2017年1月1日から5月31日までにRBB SPEED TESTで測定されたすべてのデータのうち、位置情報やスポット情報からスターバックスのWi-Fiを利用したと推定される測定データとなる。
■スタバWi-Fiは結構速い
まず時間帯別にどんな測定結果がでているのか見てみよう。とりあえず全国のスターバックスの1時間ごとの時間帯別の速度推移をみてみよう(グラフ1)。なお以下のグラフや表の数値の単位はすべて〔bps〕だ。
全国のスタバWi-Fiの時間帯別平均というデータに使い道があるのかどうか不明だが、とりあえず朝7時くらいから午前0時前くらいまでは20Mbps~40Mbpsの間を推移している。スタバのWi-Fi環境はおおむね安定しているようだ。一部店舗は早朝4時まで営業しており、未明から夜明けは当然利用者が少ないので速度は上がる。一方、5時台にもデータが存在し、かつ急激に速度が落ち込んでいるのだが、これは店舗の外で電波を拾っているというパターンだろうか。
■0時以降 やたらと下りが早くなる東京のスタバ
全国でみたので、次はとりあえず東京にしぼって見てみよう。東京は店舗数も多く、測定数でもトップの都道府県。昼間の時間帯は20Mbpsから30Mbpsを前後しながら推移し、17時から19時台は10Mbps台まで落ち込んでいる。
日中は、上り下りともに同じような推移をみせている。みなさん、YouTubeをみながらインスタにフラペチーノの画像をアップしているのだろう(異論は認めるが質問は受け付けない)。
ところで、東京は0時以降になると上りの落ち込みが激しい(10Mbps前後)。反対に下りは100Mbps以上が出ていたりと、その差は異常ともいえる。上りは、ひょっとすると店舗のシステムにバッチ系の処理が走っており、アクセスポイントから上の回線が混雑している可能性はあるが、下りは速すぎだ。空いているとここまで出るものなのか。一度実測での検証が必要な気もする。
■大阪では上り速度に余裕?
東京をチェックしたら大阪もチェックすべきだろう。根拠はあまりないが…
大阪の測定データは10Mbpsから40Mbpsの間で推移しており、午前中は比較的条件が良く、お昼以降は14時すぎくらいまで速度が落ち込む。その後16時くらいから再び速度が改善する。大阪の人はこの時間帯はスタバなんぞに行かず、たこ焼きや串カツを食いに行っているものと思われる(異論は認めるが質問は…)。
上りと下りを比べてみると、大阪は概して上りのほうが速度がでている。YouTubeは見るが、フラペチーノ画像のアップやFacebookでリア充アピールするような奴は大阪には少ないということかもしれない。。。なお、大阪にも早朝や深夜まで営業している店舗はあるはずだが、測定データは7時から21時の間しか存在していなかった。ここにも東京・大阪の人たちのライフスタイルの違いが現れているのかもしれない。
中尾真二