前回の記事から間が空いてしまったが、RBB SPEED TESTで測定されたデータを気になるポイントで抽出し、勝手に分析してみるこの連載。第2回目はコンビニチェーン、セブンイレブンでおなじみの「7SPOT」の測定データをチェック!
測定期間は2017年1月1日から5月31日までの1300測定以上のデータだ。なお7SPOTは、グループのイトーヨーカ堂やアカチャン本舗などでも対応しているところがある。時間帯、地域で測定数(統計の母数)にばらつきがあるため、都市部以外の測定は特異なデータに平均が引きずられることもある。
■7SPOTは安定したパフォーマンスが特徴
まず、7SPOT全体の平均速度からみてみると、下り37.4Mbps、上り36.5Mbps。全国平均で上下ともに40Mbps弱と安定した結果となっている。メールの添付ファイルを開いたり、ちょっとした仕事をするには問題ない性能だし、SNSのチェック、LINEのメッセージ交換、インスタの写真アップくらいも問題なさそうだ。
思えば、コンビニとマクドナルドの周辺に小学生がたむろしてニンテンドーDSで遊んでいた時代があったわけだが、セブンイレブンは、これをうまく利用して会員制の7SPOTサービスを開始している。会員制ならマーケティングデータをとったり、グループの宣伝や告知をプッシュ通知したりもできる。
■時間帯別にみてみる
次に時間帯別の平均速度。グラフを見ると、昼間の時間帯はやはり下りが上りより遅いという傾向がみてとれる。インスタやSNSへの画像投稿が一般化しているとはいいながら、動画視聴も一般化してきているので、やはりダウンロードトラフィックのほうが多いのだろう。
7SPOTの時間帯別平均速度。混雑時間などによる変動はあるものの平均値、傾向は安定している
未明の時間帯は午前3時を中心に午前2時と午前4時で上りの速度が大幅に上下するような現象(午前2時:72Mbps、午前4時:16Mbps)がみられる。午前5時から6時にかけては上下ともに50Mbps以上が計測されている。なかなかの速さだが、もちろん都市部を含めてもこの時間帯の利用者が少ないというのもある。
通常の活動時間帯では午後6時から8時台がねらい目だ(何の?)。この時間帯、カフェスペースのあるセブンイレブンでの作業はひょっとすると快適かもしれない。このときの速度は上下ともに40Mbps前後と全体平均より高い。
筆者は外で作業するとき、スタバやファミレスなどをよく利用するのだが、これらの店舗Wi-Fiもこれくらいの速度が欲しいところだ。自分のモバイルルーター(LTEとWiMAX2が入る)だと、店舗ごとの条件に違いが大きくでる。地下や出入り口から遠い席、混雑具合で10Mbps以下になることはめずらしくない。
■300Mbpsを超える測定も
以上は全国平均での話だ。7SPOTは全国展開されているが、今回抽出した期間の中で、最速の数値はどの程度なのか。
下り速度で最速の測定はなんと栃木県(といったら怒られそうだが)宇都宮市で測定された下り334Mbps(上り318Mbps)。かなり驚異的な数値である。ちなみに時間帯は夜の20時台、測定端末はiPad Proとなっていた。おそらく7SPOTの一部はWi-Fi規格11acに対応しているのだろう。よほど回線が空いている時に測定しない限りここまでの数値はなかなか出ないだろうが、いずれにしてもポテンシャルはかなり高いということがわかる。
中尾真二