iPhone 8/8Plusの発売から10日以上が経過した。iPhone 7/7Plusと比較してカメラやディスプレイ性能の進化が話題になることが多いが、通信速度はどうなっているのか。iPhone 8/8 Plusは新たに3.5GHz帯という周波数バンドに対応したことで、国内キャリアにおける下り最大速度は“理論値”で700Mbpsを超えている。iPhone 7/7 Plusでは理論値で下り450Mbpsが最大だったため、スペック上はかなりの高速化が期待できる。今回は実際の測定データを元に両モデルの通信速度を比較してみたいと思う。
■下り平均値で20Mbps以上高速に
いつものように、通信速度測定アプリRBB SPEED TESTでユーザーが測定したデータを確認する。データの集計期間はiPhone 8/8Plusが発売された9月22日から10月1日の10日間。国内3キャリアの通信回線(MVNOは除く)で測定された、iPhone 8/8PlusおよびiPhone 7/7Plusのデータを比較した。対象データ数は、iPhone 8/8 Plusが4,770件、iPhone 7/7 Plusが9,390件となっている。
まず下りの平均速度をみてみると、iPhone 8/8 Plusは63.95Mbps。対するiPhone 7/7Plusは43.07Mbpsとなっており、おおむね20Mbpsもの差がつき、iPhone 8/8 Plusが速い結果となった。続けて下り速度の中央値を確認すると、iPhone 8/8 Plusは48.13Mbps、iPhone 7/7 Plusは35.35Mbps。ともに平均値よりは落ち着いた数字となり、その差も約13Mbpsと縮まったがiPhone 8/8 Plusの優位は変わらなかった。
下り速度の結果
■上り速度にも差
SNSに写真や動画をアップする人が多くなり、最近では上り(アップロード)の速度も軽視できない。iPhone 8/8 Plusの上り平均速度は12.08Mbps、iPhone 7/7 Plusでは9.70Mbpsとなり、こちらもiPhone 8/8 Plusが速い結果に。上り速度の中央値では、iPhone 8/8 Plusが11.40Mbps、iPhone 7/7 Plusが8.02Mbpsとなっている。
上り速度の結果
なお、参考までに期間中の最高速度(下り)を確認してみると、iPhone 8/8 Plusの最速値は東京都中央区で平日夕方に測定された274.39Mbps(キャリアはソフトバンク)。iPhone 7/7 Plusの最速値は東京都墨田区で平日深夜に測定された232.11Mbps(キャリアはドコモ)だった。こちらもiPhone 8/8 Plusに軍配が上がっているが、理論値からするともう少し速い値が記録されてほしいところでもあり、今後に期待したい。
白石 雄太