ファーウェイ・ジャパンは10日、ローライトに強いダブルレンズカメラ搭載の「honor 9」を発表した。ターゲット層に想定しているのは、トレンドコンシャスな若者。楽天モバイルを含む4社のMVNOを通じて10月12日より販売する。市場想定売価は53,800円。
■ダブルレンズカメラ搭載で、カメラ機能が充実
「honor 9」は5.15インチのIPS液晶(フルHD、1,920×1,080ドット)ディスプレイを採用した端末。背面はエッジがカーブしたガラスボディで、15層のレイヤーにより光の当たる角度で表情が変わる。カラーはサファイアブルー、グレイシアグレーの2色で展開。楽天モバイルのみ、これにミッドナイトブラックを加えた3色で展開する。
5.15インチのIPS液晶を搭載
背面はエッジがカーブしたガラスボディで、15層のレイヤーにより光の当たる角度で表情が変わる。写真はサファイアブルーモデル
ホームボタンには指紋認証センサーを搭載。画面操作も同ボタンでおこなえる。背面には2,000万画素のモノクロセンサーと1,200万画素のカラーセンサーで構成されたダブルレンズカメラを搭載した。光を効率的に集める技術により、限られた光量でも深みのある色彩とシャープな描写が可能だという。食事を美味しく撮る「フードモード」、一眼レフのボケ味を再現する「ポートレート」、撮影後にフォーカスの位置を変更できる「ワイドアパーチャ」、ズーム撮影しても画質の荒れが少ない「ハイブリットズーム」といったカメラ機能も充実している。
ホームボタンには画面操作にも対応した指紋認証センサーを搭載
背面には2,000万画素と1,200万画素のダブルレンズカメラを搭載している
プロセッサはKirin 960。オクタコアCPU(4×2.4GHz+4×1.8GHz)により、快適でストレスフリーな操作を実現する。ちなみに現行機種のhonor 8と比較すると、CPUは18%、GPUは180%の性能アップとなった。メインメモリは4GB、ROMは64GB。
こちらはグレイシアグレーモデル
OSにはAndroid7.0を搭載、UIとしてEmotion UI 5.1を採用。ファーウェイ独自の機械学習アルゴリズムにより、ユーザーの使い方を把握。動作メモリなど、システムリソースを最適に配分する。この最適化により、よく使うアプリは素早く起動できるほか、使い始めたときの軽快な動作が持続するという。このほか、ドイツのトーンマイスターによる最新の音響技術を採用した。高度な音のチューニングがされており、イヤホン、ヘッドホンの使用時にリアルで迫力のある音楽が楽しめるとのこと。同社では「若い世代にとって嬉しい機能になるのでは」と説明している。
スペック一覧
■妥協のないモノづくりを徹底
発表会には、ファーウェイ・ジャパンで端末部門を統括するデバイスプレジデントの呉波氏が登壇。「欠陥製品をゼロにするべく、妥協のないモノづくりの姿勢を徹底している」と説明するとともに、グローバルでも高い評価を得ており、ブランドシェアが高まっていると強調した。「honor 8も昨年のこの時期に日本で発表した。今後も年に1回のペースで発表していく」と呉波氏。頻繁に代替わりすると消費者も混乱するため、年1回というペースは守っていくとの話だった。
なおhonor 8は楽天モバイルの独占販売だったが、honor 9は楽天モバイルに加えてIIJ mio、イオンモバイル、NTTコムストア by gooSimseller(OCNモバイルONE)でも取り扱うことが発表されている。
楽天モバイル、IIJ mio、イオンモバイル、NTTコムストア by gooSimsellerの4社で取り扱う
■ガジェット界のファッションリーダーを目指して
呉波氏は発表会の終了後、囲み取材にも応じた。
囲み取材に応じる呉波氏
――取り扱い事業者を増やしたのはブランドを拡大するためか。
「楽天モバイル様にはとても感謝している。日本市場に向けて、honor 9ではMVNOの4社と連携していく。販路を拡大することで、より多くの日本の若者に製品を届けられればと思っている」
――供給先が4社に増えるが、端末の生産体制は万全か。
「昨年の12月にはMate 9が供給不足になった。深く反省している。市場の反応を見ながら、パートナー企業と連携して準備をおこなっていきたい」
――honor 9のターゲットは若者とのこと。具体的には?
「若者とは言っても、実年齢で分けているわけではない。honor 9は、フレッシュな心を持っている消費者が対象。流行に敏感な消費者に向けてデザインやファッション性を重視している。honorシリーズでは、ガジェット界のファッションリーダーを目指していきたい。中国では、若者に人気のブランドのことを潮牌(チャオパイ)と言う。モバイル市場の潮牌になることを期待している」
――Mate、nova、P、honorとブランドが4つに増えた。それぞれの差別化は?
「価格帯、消費者のセグメント、販路において異なる特徴を打ち出していく。継続的に4シリーズを展開することで、4つの価格帯でご提供できるメリットもある。Pシリーズはオンライン、オフラインの両方で販売する。Pシリーズはカメラを重視している。honorシリーズはMVNOを通じたEコマースで販売する。ただ、MVNOがリアルの店舗で販売することは可能。なおhonorシリーズは今後とも4社を中心に展開するが、必要に応じて増やす可能性もある。novaはオフラインで販売する。こちらは若い女性をターゲットにしている」
――Pシリーズ、Mateシリーズにはライカのカメラを搭載している。honorシリーズは?
「Pシリーズ、Mateシリーズでは弊社とライカのエンジニアが連携して開発している。honorシリーズは、ライカの技術を取り入れているとはうたっていない。たとえ同じセンサーを使っていることがあっても、チューニングが違えば効果も違う。だからライカという名称は使っていない」
――Mate 10、Mate 10 Plusについては?
「近日、ミュンヘンで発表する。年内に国内に展開する予定。それ以上のことはお話できない」
近藤謙太郎