NTTドコモは26日、2017年度 第2四半期決算説明会を開催した。今期の営業利益は5,488億円。登壇したNTTドコモ 代表取締役社長の吉澤和弘氏は、上期を振り返り「年間業績予想に対して順調な進捗状況」と総括した。続く質疑応答では、記者団からMVNOの動向や、iPhoneの料金プランなどについて質問があがっている。
■ドコモがMVNOを買収する可能性は?
ーーフリーテルが買収されるという報道があった。これについてどう思うか。また今後、立ち行かなくなったMVNOをドコモが買収する可能性はあるか。
吉澤社長「MVNO側の事情についてコメントする立場にはないと思っているが、一般的な話として、MVNOでも事業者側がどういう特徴を出せるかが重要になってきた、ということではないか。弊社のスタンスとしては、ドコモ回線を使っているMVNOさんに関しては提携企業だと思っている。一緒に組んで何らかのソリューションを開発することもやぶさかではない。これまでも、そんな事例がある」
上期 決算概況。ドコモでは、年間業績予想に対して順調な進捗状況が続いていると説明している
ーーKDDIではビッグローブ、ソラコムなどを傘下にした。ドコモはMVNOを傘下にしないのか。
吉澤社長「ドコモとしてはMVNOを傘下に持ったり、サブブランドを開始したりというようなことは全く考えていない。MVNOと連携していくことで、ドコモ回線をしっかり使って貰えればと思っている。ただ、たとえばIoTのプラットフォームをしっかり充実させるというような理由で、そうした事業者と資本提携することは考えられないことではない」
■横並びが解消された?
ーーiPhone 8の発売を機に、大手3キャリアの料金が横並びではなくなってきた印象がある。競争環境が変化したのか。
吉澤社長「ちょっと前まで、1社が料金を発表すると他社がそれに追随するような動きがあった。それが横並びと言われていた。今後は何に注力するのか、各社でサービスに特徴を出していくことが必要だと考えている。ドコモでは、たとえば家族の単位を大切にしている。またドコモ光とセットで使っていただくことで、サービスの良さや便利さも最大化できる。あまりスマートフォンを積極的には利用しない方に向けてdocomo withも開始した。ターゲットを見据えて、それにマッチした料金体系やサービスを提供することが重要。今後もお客様の声、利用状況をお聞きしながら対応していきたい。それでも最後に、他社と同じ料金になったら、そのときは横並びとは言わないでもらいたい―――」。にこやかに笑う吉澤社長につられて、記者席にも笑い声が交じった。
docomo withを開始、2017年秋モデルでは対象モデルを拡大している
■純増数が減少している?
ーー契約の純増数について、年度計画では当初220万を予想していたが、今回130万に下方修正している。
吉澤社長「昨年と違うのは、モジュールの数が出ていないということ。昨年までは(電気料金の)スマートメーターの需要がかなりあった。それなりの数が出ていたが、それが落ち着いてきた。またMVNOの伸びも落ち着いてきたのかも知れない」
■次の25年を見据えて?
ーー営業開始から25周年を迎えた。次の25年を見据えて何をやっていくのか。
吉澤社長「我々の持っているテクノロジーを、どのように活かしていくかということ。端末に関しては、秋モデルでメーカーさんと協力してMのようなものを開発した。これを海外に展開するというのは、これまでドコモがやってこなかったこと。Mをひとつのスタートにしていく。また、5G時代に何ができるかということ。単にネットワークを提供するだけでなく、新しいサービスやビジネスを開発する。新しい産業を興す積もりで、国内外に展開していきたい。パートナーと、しっかり連携しながらやっていく」
NTTドコモでは、営業開始から25周年を迎えている
近藤謙太郎