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「iPhone X」「スマートスピーカー」「格安スマホ市場」「家のIoT」……2017年のITをテーマ別に振り返る

2017-12-30 18:09:14
 2017年のIT・デジタルの注目記事を、いくつかのテーマ別に振り返ってみたい。今年は、iPhone10周年モデル「iPhone X」の発売や、各種スマートスピーカーの登場、格安SIMサービス「フリーテル」の破たん、楽天のキャリア参入表明など、大きなニュースは下半期に集中していた印象がある。

■10周年記念モデル、顔認証を搭載した「iPhone X」

 毎年9月の風物詩になっている、新型iPhoneの発表。特に今年はiPhoneシリーズ誕生10周年ということで、記念モデルの発表が早くから噂され、注目を集めていた。Appleの新社屋「Apple Park」敷地内につくられた「Steve Jobs Theater」。このこけら落としも兼ねておこなわれた今年の新iPhone発表イベントでは、これまでのiPhoneの形状を踏襲しつつ、ワイヤレス充電対応やカメラのセンサーが進化した「iPhone 8/8 Plus」と、ホームボタンを廃してフルディスプレイとなり、顔認証システム「Face ID」を搭載したアニバーサリーモデルの「iPhone X」が発表された。

iPhone X

iPhone 8

●ワイヤレス充電に対応!ガラスフィニッシュが美しい「iPhone 8/8 Plus」を発表
●ホームボタンが消えて全面ディスプレイになった「iPhone X」が登場!顔認証は双子も識別!?

 アニバーサリーモデル「iPhone X」の注目度は高く、ホームボタンが無くなったことによる操作性の問題や、Face IDの使い勝手、高額となった端末価格などに関心が集まった。11月の発売当初はしばらく品薄が続いたが、現在では安定して供給されるようになっている。

●5.8インチ フルスクリーンの「iPhone X」、SIMフリーモデルは112,800円から
●顔いっぱいの髭を剃ると厳しい?……Apple、Face IDテクノロジーの説明ページを公開
●「iPhone X 」ちょっとだけ早い開封レポート
●「Face ID」と「Touch ID」どちらが速い?比較レポート
●「Face ID」の使い勝手は?他社の顔認証と比べてどうなのか?
●「iPhone X」発売初日のApple Soreの様子

 「iPhone X」の影響で買い控えも起こった「iPhone 8/8 Plus」だが、カメラやディスプレイの進化やワイヤレス充電対応、そしてこれまでの積み重ねで洗練されてきたUIが高い評価を受けている。

●「iPhone 8」のHDR画質をチェック!
●パワーアップした「iPhone 8」のスピーカーの実力は?
●進化した「iPhone 8」のカメラはスマホを超えた?
●思った以上に便利。ワイヤレス充電を使いこなす!

 例年、iPhoneに関しては横並びの料金プランを発表する3キャリアだが、今回はそれぞれに少しずつ特徴が違ったプランを発表した。また、端末価格が高騰するなかで、より長い期間契約させて、その代わりお得に購入できるプラン、もしくは次も最新iPhoneを買い換えることを前提にしたプランが登場した。

iPhone 8発売イベント時、料金プランに自信をみせていたKDDI 代表取締役社長 田中孝司氏

●3キャリア、毎年iPhoneを買い替えたい人向けのプランを相次いで発表
●新iPhoneが最大半額?ソフトバンク「半額サポート for iPhone」や容量50GBの「ウルトラギガモンスター」を発表
●NTTドコモ、iPhone 8/8 Plusの販売価格やキャンペーンを発表
●「一番使いやすいキャリア」をアピール。au、iPhone向け料金プランを説明

●最新iPhone 使いこなし記事まとめ

■2018年は淘汰が進む?格安スマホ・MVNO市場の動き

 この数年来、多くの新サービスが登場し、市場が拡大し続けてきた格安スマホ・MVNO業界。しかし今年は、タレントを起用したTV CMなどプロモーションにも力を入れて存在感を示していた「FREETEL(フリーテル/プラスワンマーケティング)」が破たんに追い込まれ、そのMVNO事業は楽天が買収するという事態が起きた。

楽天 三木谷氏(c)GettyImages

 もともと、ユーザーひとりあたりの月額料が割安ということもあって、MVNO事業単体で黒字化するのは難しいと言われている。今後も価格競争だけが進んでしまうと、来年以降、いよいよ体力のない事業者は本格的に淘汰されていくだろう。

 その中で、特定のユーザー層にしぼった戦略を打ち出したり、時間制定額などMVNOならではのユニークなプランを打ち出したり、または自社プラットフォームへの囲い込みの入り口として格安スマホを提供したりと、それぞれの生き残り戦略に一層注目が集まってくる。楽天モバイルを提供する楽天株式会社は、MVNOではなくMNOとして第4のキャリアに参入する意向を表明した。ワイモバイルやUQモバイルといった、いわゆる大手キャリアのサブブランドと言われる事業者については、総務省が何かしらの通達を出す可能性もあり、2018年もこうした動きから目が離せない。

●「FREETEL」のプラスワン・マーケティングが民事再生手続き申し立て!資金繰り悪化により
●FREETELユーザーはどうなる?……楽天モバイルが答える
●楽天、携帯キャリア事業への参入を正式発表

 トーンモバイルは子ども向け、シニア向けに特化したサービスを展開。nuroモバイルは時間制の定額プランがユニーク。

トーンモバイルの石田宏樹氏と雑誌「VERY」編集長の今尾朝子氏

nuroモバイル

●ママたちの声を集めてつくった「子どもにもやさしいスマホ」は世界一安全!?
●シニアの“詐欺”被害を防ぐスマホサービス!トーンモバイルが発表
●nuroモバイル誕生から1年……「ユーザー目線」でのサービス強化の取り組みを聞く
●BIGLOBEモバイル、特定サービスを無制限で使える「エンタメSIM」を提供……目指すはブランドの再構築
●LINEモバイル、「友だち招待」機能を公開!3000円の登録事務手数料が最大無料に

 複数のMNO回線に対応する事業者も増えてきた。

●BIGLOBEモバイルからau回線プランが登場……マルチキャリアMVNOに
●「nuroモバイル」にソフトバンク回線プラン登場。19日からスタート

 ワイモバイルとUQモバイルの競争

ワイモバイルでは、他キャリアに先んじて10代に向けた「タダ学割」を発表

●ワイモバイルとUQモバイルからiPhone 6s!本当に買ってお得なのか?
●「UQ mobile」が学生向けキャンペーン!最大約4ヵ月分の月額基本料金が無料に
●ワイモバイル、「タダ学割」で10代の取り込みに注力 

■ついに上陸したスマートスピーカー!本当に便利なの?今後の展開は?

 Amazonの「Alexa」、Googleの「Google Assistant」、LINEの「Clova」、各社が独自に開発する音声アシスタントを搭載したスマートスピーカーが、今年後半に相次いで日本発売となった。来年はここにAppleの「Siri」を搭載した製品も加わり、さらに競争は激しくなる。音声認識の精度や、つながる外部デバイスの種類、使えるスキル(スマホでいうアプリのようなもの)の数、日本語発声の自然さ、スピーカーとしての音質、競争要素はさまざまある中で、各社がどんな部分を伸ばし、何が消費者にもっと響くキラーコンテンツになるのか、注目したい。

「Amazon Echo」(中央)、「Clova WAVE」(右)、「Google Home」(左)

●Googleのホームデバイス「Google Home」が日本にも登場へ【Google I/O 2017】
●聞こえてきた!スマートスピーカー日本上陸の足音……スマート家電と一緒に何ができる?

●Googleのスマートスピーカー「Google Home」、あす国内発売
●LINEのスマートスピーカー「Clova WAVE」本日より正式販売開始
●Alexa日本語対応とEcho発売。日本展開にみるアマゾン勝利の方程式

 「Amazon Echo」「LINE Clova WAVE」「Google Home」各スマートスピーカーのレビュー記事。

●「Amazon Echo」を買ったら、スマートスピーカーが漫才!?をした話
●「辛いときは私に愚痴を言ってください」……LINEのスマートスピーカー“WAVE”を自宅で使ってみた
●【Google Homeレビュー(その1)】ファーストインプレッション ~中年オヤジのペットか!?~

■「家のIoT」「iPad ProとiOS 11」「シェアサイクル」その他の話題

 モノのインターネット、「IoT」という言葉がかなり浸透してきた。特に家の中にあるものがインターネットにつながる「家のIoT(スマートホーム)」を意識したサービスや製品が増えてきている。KDDIは、スマホの次はIoTに本腰を入れると宣言し、「au HOME」を発表。シャープは同社の家電にAIを搭載し、ネットワークにつなげていくAIoTを展開。マウスコンピュータはIoTスターターキットを販売し、スマートホームを身近なものにしようとしている。

mouse スマートホームの製品群

●KDDI、“次のドキドキ”はスマホではなく「au HOME」……田中社長
●IoTは身近になるか?マウスコンピューターが仕掛ける「スマートホーム」
●シャープのAI搭載スマート家電が一堂に集結!CEATECの会場で体験してきた
●加速するシャープ発のIoT……独自のヘルスケアデバイス開発やベンチャー支援に注力

 9月に正式リリースされた「iOS 11」。特にiPad/iPad Proとの組み合わせでその真価をはっきすると言われており、注目された。

Apple PencilとiPad Pro

●iOS 11発表!iPadはさながらPCに、iPhoneはカメラやコントロールセンターが進化
●iPad ProとApple Pencilを組み合わせれば超便利な「iOS 11」の新機能
●新10.5インチ「iPad Pro」は買いなのか?9.7インチ機ユーザーが品定め

 中国で爆発的に利用者が増えているシェアサイクルサービス。その大手「Mobike」が日本に参入したことが話題となった。最近ではLINEがそのMobikeと提携してシェアサイクル事業に参入を表明。中国とはまた地理条件のことなる日本でどのように展開していくのかに注目が集まっている。

LINEが自転車シェアのサービスを立ち上げ

●話題のシェアサイクル、使い勝手や現地の感想は?実際に中国に行って聞いてきた
●LINEが自転車シェアのサービスを立ち上げ……中国大手のモバイクと提携
白石 雄太

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