2018年のCESに出展するベルキンは、現地時間1月7日に開催されたメディア向けのプレイベントにブースを構えて、Qi規格のワイヤレス充電に対応する充電パッドの2018年モデルなどを展示した。
Qi規格によるワイヤレス充電は、2017年にアップルが発売したiPhone XとiPhone 8シリーズ、サムスンのGalaxy Note 8など最新のフラグシップスマホが対応したことで再び注目されている。ベルキンのワイヤレス充電パッド「BOOST↑UP」シリーズも、日本国内で現在販売されているモデルが好調で、特にアップルストアで取り扱われている7.5Wの高速充電対応機「Belkin Boost Up Wireless Charging Pad」が欲しくても変えなかったという方も多くいるのではないだろうか。2017年には数多くのワイヤレス充電に対応するスマホなどモバイル端末が発売されたことから、ベルキンは2018年も継続してラインナップの拡充に注力していく。CESでは2018年の春以降に発売を予定する5種類の新製品を発表した。
ベルキンが2018年の夏頃に発売を予定するワイヤレス充電パッドがCESで発表された
それぞれ従来のパッド型に、スマホを立てかけながら充電できるスタンドタイプ、カーマウント型や同時に2台の端末を充電できるデュアルタイプ、そして商用のワイヤレス充電システムと内容が異なっている。「BOOST↑UPボールドワイヤレス充電パッド」をはじめとするコンシューマ向け製品はどれも最大10Wの高速充電に対応したことが特徴。例えばiPhone X/iPhone 8シリーズはiOS 11.2以降で最大7.5Wまでの高速ワイヤレス充電をサポートしたが、ベルキンの充電器はデバイスにパフォーマンスを合わせて充電してくれる。現在10Wの高速充電に対応するスマホはLGエレクトロニクスの「V30」がある。日本ではドコモとKDDIが発売する「V30+」がこれに当たる。なお素材にもよるが最大3mm厚のケースを付けたままでワイヤレス充電が可能だという。
「BOOST↑UPデュアルワイヤレス充電パッド」は同時に2台までのQi規格のワイヤレス充電に対応するデバイスを最適な速度でチャージできるマルチデバイス対応とした。「BOOST↑UPワイヤレス充電システム」は商業施設やホテル、会議室などパブリックスペースでの利用を想定したBtoB向け製品だ。ベルキンの担当者によると、アメリカではスタバやホテル、レストランなど商業施設を中心に誰でも使えるQi対応のワイヤレス充電器が備え付けられている場所が増えているそうだ。
2台のデバイスを同時に充電できるデュアルタイプの充電器
商業スペース用のワイヤレスパッドも商品化した
「Pocket Power USB-C 10K」は、USB type-Cの端子を搭載したモバイルバッテリー。クアルコムのクイックチャージ3.0に対応するデバイスを35分で最高80%まで素速く充電できる。従来の5W充電器よりも最大4倍の高速充電ができる。ポケットサイズで持ち運びやすく、一緒に持ち歩くデバイスを傷つけないノンスクラッチ加工を本体に施している。発売予定は2018年春。
スマートフォンやタブレットなどモバイル端末の高速充電、ならびにノートPCなど駆動により容量の大きな電力を必要とするデバイスをUSB type-Cのケーブルと充電器を使ってチャージできる「USBパワーデリバリー(USB PD)」対応のホームチャージャーも27W対応のモデルを拡充。今夏に発売を予定する。デュアルポートタイプのモデルはUSB type-C端子からの27W給電、USB type-A端子からの12W給電をハイブリッドにこなす。ワイヤレス充電の利便性よりも、スマホやタブレットをとにかく「速く充電したい」というニーズにはUSB PD対応のホームチャージャーを使った方がベターかもしれない。2018年もベルキンの多彩なラインナップ展開に要注目だ。
※思った以上に便利だった!iPhone Xでワイヤレス充電を試す
USB PD対応のホームチャージャー
山本 敦