先日、米国出張に行く機会があったので機内での退屈な時間を少しでも紛らわせることが出来ればと、機内Wi-Fiを試してきた。まずは、国際線への乗り継ぎ便で試してみた経験を書いていく。
今回、向かった先はニューヨーク。筆者は関西在住ということで、直行便がないため、まずは伊丹空港から成田空港へ行き、そこからニューヨークへ向かうという経路をとった。余談にはなるが、米国内便は遅延が多いので、関西在住の方でニューヨークへ行く場合はこの方法がおすすめである。
さて、この方法で伊丹空港から搭乗した乗り継ぎ便はANAのボーイング767-300(763)機種。やや古めの機材ではあるが、モニターはもちろん、USBが付いているのでスマートフォン等の充電も可能。機内Wi-Fiにも対応していた。
機内Wi-Fiだが、ANAは有料で提供している。価格は40分で550円、フルフライトの場合は1,050円。今回の場合、伊丹空港から成田空港まではたったの50分ほどなので、40分のプランを選択した。申込方法は簡単で、Wi-FiをオンにするとANA Wi-Fiを自動的につかむので、あとはアプリから申し込みをするのみ。
ANAアプリを立ち上げて、iOSの場合は右下の「・・・」から「国内線 機内Wi-Fi」をタップ。その後、「接続」→「ANA Wi-Fiサービス」とたどると、プラン選択の画面になるので、自身の希望するプランを選択するのみ。支払いはクレジットカードでスムーズだ。
無事支払いが終了すると、「インターネットに接続されました」というテキストメッセージが表示される。
ちなみに、このアプリではエンターテインメント系のコンテンツも展開されており、機内で映画などが見たい場合はこのアプリ経由でも閲覧が可能。機内の、特にエコノミー席ではモニターが小さいので、自身のiPad Pro等で見たいなどの希望がある場合はそちらで見たほうが画面も大きいし、Bluetoothヘッドホン等でケーブルレスで視聴できるのでおすすめだ。
さて、機内Wi-Fiの気になるスピードだが、正直、結果は残念なものとなった。衛星通信経由なので、そもそも地上ほどのスピードが出ないという点はもちろん承知しているものの、"ほぼ" つながらないと考えてよいほどに速度は出なかった。
もちろん、周囲の乗客と回線を共有する仕組みなので仕方がないといえばそれまでだが、「RBB SPEED TEST」で計測してもタイムアウトになることが多く、計測できた場面でも最大0.7Mbpsまでといった結果になった。
もちろん、機内でWi-Fiが使用できるという事実だけで進歩ではあるが、これで有料というのはなんとも残念な結果だ。もちろん、テキストメッセージのやり取りくらいならストレスなくできるが、何らかのウェブページを開こうとするとかなり時間がかかるもっさり感は拭えない。
筆者も何度か機内Wi-Fiは試したことがあるが、今回お伝えしたいのは、国際線の乗り継ぎというのは、このサービスに不向きかもしれないということだ。たとえば、今回でも米国便への乗り継ぎ以外に、ベトナム航空等への乗り継ぎもアナウンスされていた。様々な国際線への乗り継ぎ客で機内が満席状態に近いことが多く、またビジネスマンも多く搭乗しているため、同様のニーズは多いと考えられる。結果、機内Wi-Fiの速度は今回のようになってしまう。もし、機内Wi-Fiを試す機会がある方は、このような点に注意して利用してみて欲しい。
Tsujimura