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“ノッチ”は逆にカッコいい?MWCの展示に見る「2018年スマホの売れ筋」

2018-03-05 07:36:33
 2月26日から開幕したIT・モバイルの展示会「MWC 2018」には、これからのスマホの流行を知る上で大事な意味を持つ製品が数多く発表された。その中から注目したいトレンドと製品をピックアップしてみよう。

全画面化が顕著なディスプレイ。上位機はHDR対応も当たり前に

 サムスンのGalaxy S/Noteシリーズの最新機種やLG V30+、そしてアップルのiPhone Xなど日本国内にも峡額縁ベゼルを採用して、フロントパネルからハードウェアキーを省略した“全画面スマホ”が増えている。もはや全画面化のトレンドは大きなうねりになったと言えそうだ。

サムスンの全画面ディスプレイを引き続き採用したGalaxy S9とS9+

 MWCで発表された注目機の中ではサムスンの「Galaxy S9/S9+」、LGの「V30S ThinQ」、そしてASUSの「ZenFone 5」が全画面デザインを採用する。今年MWCにブースを出した中国のシャオミも既発売のモデルだが「Mi MIX2」を出展していた。

LG V30S ThinQも全画面ディスプレイだ

 全画面デザインは2~3年前に流行した、ディスプレイだけでなく本体のサイズも大きな“ファブレット”の進化形だ。スマホで楽しむ映像コンテンツのリッチ化と、大容量データ通信をコンシューマーが比較的手軽にかつ安価に利用できるようになったことから、より没入感や視認性の高い大画面を求める声は次第に強さを増してきた。その一方では徐々に片手での操作が難しくなっていた。この課題を解決できる良策としてディスプレイのアスペクト比を縦長にして、ベゼルも狭くしたうえで画面の領域を目一杯使える全画面デザインが生まれた。5.5インチ前後のボディに、6インチ前後の画面を収めきるサイズ感がどうやらベストとして落ち着きそうだ。

シャオミ Mi MAX2

 画面が大きく高精細化するにつれて、人間の目で見る情景により近い色や明暗差を再現できるHDRの技術にスポットが当たっている。HDR映像エンコード技術と対応するディスプレイデバイスが出そろってきたことで、今後は特にハイエンドモデルを中心に各社のスマホがHDR対応のディスプレイを乗せてきそうだ。反対に一時期は解像度も4K化が進むものと思われたが、どうやらいったん3K前後に落ち着きを見せそうだ。

 iPhone Xは全画面ディスプレイでありながらFace ID機能などを実現する各種センサーと、フロントカメラを配置した上部のノッチ(切り欠き)が“アリ”か“ナシ”かで発売以来議論を呼んできた。ところがMWCでは敢えてこのノッチを採用するスマホが発表されている。

フロントカメラの周辺だけ切り欠いたWikoのスマートフォン

ASUSのZenFone 5。トップの切り欠きがiPhone Xとよく似ている

 ASUSの新しい「ZenFone 5」はiPhone Xによく似た逆台形の形をしたノッチを採用しているが、発表会では「iPhoe Xよりも左右の幅が小さい」ことを強調していた。フランスのWikoはそれよりもずっと小さいフロントカメラの周囲だけを切り欠いた「View2」を発表している。奇妙なように思えるが、ノッチをいかにオシャレにみせるかという競争が起きていたのだ。サムスンのGalaxy S9/S9+はフロントパネルにある虹彩認証用のセンサーがどこにあるかわからないほど存在を消す方向で、フラットでシームレスな全画面化を実現している。筆者としてはこちらの方が好みだ。

スピーカーの音圧を強化。アナログイヤホンジャックは無くなる運命なのか?

 スマホでVODコンテンツやYouTubeなどネット動画を楽しむユーザーが増えていることから、内蔵スピーカーで気持ち良く、聞きやすい音を楽しみたいという声がある。Galaxy S9/S9+はオーディオブランドのAKGがチューニングしたステレオスピーカーを搭載した。従来モデルよりもスピーカーの音圧性能を上げながら、大きな音を出しても歪まない安定感を売りにしている。モバイル向けDolby Atmosにも対応したことから、映画や音楽ライブなどのコンテンツを再生すると方位感がさらに増すだろう。

 Xperia XZ2も“シリーズ史上最大音圧”を内蔵ステレオスピーカーの特徴としている。ソニーのサウンドバーやサラウンドヘッドホンなどに搭載されてきた独自のバーチャルサラウンド技術「S-Force Front Surround」による臨場感の高いサウンドに要注目だ。同様にASUSやLGも最新端末の音が迫力にあふれていることををアピールしている。

 そしてソニーのXperia XZ2とXZ2 Compactは、シリーズで初めてアナログイヤホン端子を省略してUSB Type-Cによるデジタル接続に一本化したことも話題になった。ウォークマンやアナログイヤホンケーブルで接続するヘッドホン・イヤホンのラインナップを多数揃えるソニーが、この「ハイレゾ押し」のタイミングでアナログイヤホン端子を無くしたことはファンに困惑を与えても仕方のないことかもしれない。ただ、一昨年にアナログイヤホン端子を省略したiPhone 7が発売されて、ワイヤレスヘッドホン・イヤホンのブームが到来したように、音質的には優位と言われるUSBデジタル接続のイヤホンから新しいリスニングスタイルや機能が生まれる可能性もある。筆者もこの問題についてはしばらく実機を使ってみてから判断したいと思っている。

今度のXperiaはアナログイヤホンジャックが省略された

 新しいXperiaにはUSB Type-Cからアナログイヤホンジャックへの変換アダプターが付属するので、従来のアナログ接続のヘッドホン・イヤホンはそのまま使える。今後アナログケーブル接続のヘッドホン・イヤホンがなくなることは有り得ないとは思うのだが、“あのハイレゾとオーディオのソニーのスマホ”が下した今回の決断がどんな影響を及ぼすのか、今後の動向を注視したい。

スマホのカメラはデュアルレンズ、そしてクアッドレンズへ

 ファーウェイがリードしてきたデュアルレンズカメラのトレンドは昨年iPhone XやGalaxy Note 8にも広がった。その傾向は今後も各社の新機種にリレーされることはどうも間違いなさそうだ。

 Galaxy S9+はSシリーズに初めてデュアルレンズカメラを搭載した機種だ。片側が広角カメラで、もう片側が光学2倍ズーム対応の望遠カメラという組み合わせになる。レンズの明るさが異なっていて、ユーザーの周辺の明るさ環境をセンサーが検知してカメラの絞り値を自動で最適化する「Dual Aperture」機能もある。「デュアルレンズ=高性能&高画質」というイメージはユーザーに定着していくだろう。

Galaxy Sシリーズとして初めてデュアルレンズカメラを乗せたGalaxy S9+

 ASUSのZenFone 5もメイン側がデュアルレンズカメラになっている。ソニー製のスマホ向け高画質イメージセンサー「IMX363」を搭載したレンズとワイド120度の画角をカバーするレンズを切り替えて使う。“AI搭載”をうたうカメラ機能は16通りの撮影シーンや被写体を自動で判別しながら、常に最適なコンディションで高精細な写真撮影が楽しめる。高性能なプロセッサーのパワーを活かして実現した機能だが、これを「AI」と呼ぶべきか、高性能な「おまかせ撮影機能」と受け止めるべきか難しいところだ。

 なお同じZenFone 5ファミリーのミドルレンジ機であるZenFone 5 Liteはメイン側だけでなくフロント側もデュアルレンズという、“クアッドレンズ”仕様だ。テクノロジーを前面に打ち出すのではなく、女性ユーザーも手軽に高品位なセルフィ撮影が楽しめるスマホであることを特徴としてアピールしている。そのスタンスには好感が持てるし、テクノロジーの部分もきちんとしているので、この端末が日本で発売されるとなったら物欲が大いに刺激されそうだ。

ZenFone 5 Liteはフロント側もデュアルレンズ

 今期はデュアルレンズカメラを搭載するのではとウワサされていたソニーのXperiaは、結局フタを明けてみればXZ2/XZ2 Compactともに前面・背面がシングルレンズカメラという仕様だった。ただ、“少し未来のテクノロジー”として現在開発を進めているデュアルレンズユニットとイメージセンサー「Fusion image signal processor」に関するプレビューもブースでデモを交えて決行された。ISO感度は静止画撮影時でISO51200、動画撮影時でISO12800にも到達するという。実際にほぼ真っ暗な場所でも被写体の形や色合いも捉えられるので驚異的だ。ただなぜこのタイミングでの技術発表に至ったのかは不明だ。XZ2シリーズのカメラとして搭載されたら一段とセンセーショナルだったのにと思ってしまうからだ。

全画面デザインにはならなかったソニーのXperia XZ2とXZ2 Compact

 “5Gスマホ”の具体が見えて、足音が聞こえはじめるのは来年2019年ごろからと言われている。でもその前にもたくさんの使ってみたい、買いたいスマホが今年も登場しそうだ。


※コスパこそがZenFoneらしさ?新「ZenFone 5」シリーズの詳細レポート
山本 敦

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