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世界最大の家電ショー「IFA」が開幕……サムスンの折り曲げスマホを触ってきた

2019-09-08 21:36:04
 ドイツ・ベルリンで9月6日に開幕した世界最大のコンシューマーエレクトロニクスショーIFAに出展するサムスンが、春から発売延期となっていた折りたたみスマホ「GALAXY FOLD」をブースに展示した。実機に触れてみた感想を伝えたい。



 なお、LGエレクトロニクスも専用アクセサリーを装着すると2画面スタイルになるスマホ「LG G8X ThinQ」をIFAで発表した。ソニーは画面のアスペクト比が21対9のスマホ「Xperia 5」のグローバルモデルを展示している。あわせて実機のインプレッションを報告しよう。



■韓国では5Gモデルも発売されたGALAXY FOLD

 サムスンは2月に同社初の折りたたみスマホ「GALAXY FOLD」を発表。今年の4月に予定していた発売の直前に、いくつかの不具合が見つかったため延期されていた。IFAの開催に合わせて9月6日に韓国で発売。大手通信事業者のKT、SKテレコム、LG U+が数量限定で発売したところ、日本円で20万円強と高値な端末でありながら、1日で勢いよく完売したという。なお韓国で発売されたのは5G対応のGALAXY FOLDだ。



 ヨーロッパでは9月18日から、こちらも最初は台数を絞った形でドイツとイギリスで5Gモデルを、フランスで4Gモデルを発売する予定が立っている。また同日からシンガポールでも4Gモデルが発売待ちだ。



 商品として発売を迎えたGALAXY FOLDは、2月に発表されたものから筐体の随所を強化している。メインの7.3インチの有機ELディスプレイの下に薄膜金属のマテリアルを敷いて折り曲げに対する耐性を高めた。ディスプレイの表側には保護シートが貼られているが、今春の発売前に先行レビューのために機材の貸し出しを受けたメディアがこの保護シートを剥がしてしまうというアクシデントが発生したため、シートがはがせないように周囲をバンパーで固定した。

 さらに折り曲げ部分を繰り返し開閉する動作によって、ふたつの画面を搭載した筐体のわずかなギャップにゴミが入り込まないように隙間をさらに細くした。またヒンジの上下端にキャップを付けてスムーズな開閉動作を確保している。







 IFAのサムスンブースにはGALAXY FOLDのタッチ&トライコーナーが設けられた。IFAは業界関係者やトレードビジターだけでなく、一般のベルリン市民も多数訪れる家電エレクトロニクスの“お祭り”なので、GALAXY FOLDのように話題性の強い展示には大勢の来場者による行列が発生する。筆者も行列に30分ほど並んでGALAXY FOLDの体験コーナーに参加した。

■20万円強の価格も納得の高い完成度

 手に取ったGALAXY FOLDは画面をたたんだ状態でとても手に馴染みやすく、最も厚い部分で約17mmというスリムなルックスも高級感があった。カラバリはブラック系とシルバー系が1色ずつある。



 閉じた状態でパネルに4.6インチのカラー有機ELディスプレイが表示できる。例えばGoogleマップを4.6インチの画面に表示した状態でメインディスプレイを開くと、瞬時にGoogleマップが検索していたロケーションを引き継ぎながら、7.3インチの画面に大きく表示される。切り替えも素速い。



 開いた状態でのタッチ操作も非常にスムーズだ。サムスンの最新モバイル向け有機ELディスプレイは表示の精細感も高い。画面を3分割して、最大3つのアプリが同時にマルチタスクで動かせる。ほかにも最大5件のアプリをポップアップ表示することも可能だが、さずがに3つぐらいのポップアップを表示した時点で7.3インチの画面も手狭に感じられた。





 開閉動作はスムーズだし、閉じた際にはマグネットでカチッと固定されるので安心感がある。たたまいに高級感があり、5G対応であることを考えれば20万円強という価格も納得できた。









 課題があるとすれば、外側に保護ケースを付けることは難しそうだし、メインディスプレイの保護にふさわしい保護フィルムも、繰り返し折り曲げられることを考えればすぐに最適なものは見つけられないだろう。筐体は鏡面仕上げなので、スマホをきれいに保つために気を使う必要はありそうだ。7.3インチのメイン画面を効果的に使えるアプリ、サービスの提案もGALAXY FOLDの普及拡大を進めるためには急務だ。

 でも、いくつか思い浮かぶ課題を差し引いても、GALAXY FOLDの先進性に直接触れてしまうと物欲が刺激される。日本での発売、展示予定については明らかにされていないが、実現すれば大いに話題を呼びそうだ。

■LGはアクセサリーを合体させると2画面になるスマホ/ソニーの新Xperia

 LGエレクトロニクスも最新のスマホ「LG G8X ThinQ」を発表した。本機は専用アクセサリー「Dual Screen」を装着すると、6.4インチの有機ELディスプレイを搭載する2画面スマホのような外観になり、ブラウザやYouTubeなどひとつのアプリを左右の画面に同時に展開したり、ゲーム画面とコントローラーをそれぞれに出し分けてポータブルゲーム機のような楽しみ方が可能になる。10月ごろに欧米で発売を予定する。韓国には5G対応の「LG V50S ThinQ」としてモデルを分けて展開される。









 いわゆる折りたたみスマホではないが、ゲームコントローラーだったり、ブラウザはリンクをタップするとスマホの側に元のページを残して、Dual Screenにリンク先を別画面で開くといった、2画面ならではのエンターテインメントを作りやすいアドバンテージがあると感じた。そもそも2画面的な使い方を「楽しみたい人だけがアクセサリーを足して使えばいい」という割り切りも潔い。ただその分、2画面スマホというカテゴリーの成長をうながすことにはつながりにくいと思うし、何よりIFAでLGにも折りたたみスタイルの2画面スマホを発表して欲しかった。

 ソニーモバイルは日本でも夏に発売された「Xperia 1」と同じ、画面のアスペクト比が21対9の「シネマワイド」有機ELディスプレイを搭載する新機種「Xperia 5」を発表した。フラグシップモデルであるXperia 1に搭載した、トリプルレンズカメラやサラウンド音源の再生に対応するスピーカーなどハイスペックな仕様をほぼそのまま継承しつつ、画面のサイズを約6.1インチにコンパクト化。本体の横幅も約68mmとスリムにした。







 Xperia 1は21対9の細長いディスプレイを2つに分割表示して、異なるアプリを同時に“ながら使用”できるマルチウィンドウ機能が特徴だ。ディスプレイがわずかにコンパクト化されたことで、2画面表示の際にも片手で操作がしやすくなるので、女性に新しいXperiaの魅力をアピールする端末になりそうだ。2画面や折り曲げのような刺激的なギミックはないが、デザインやカメラ機能などをとことんブラッシュアップした、「今すぐに欲しいスマホ」としての完成度を極めた堅実な端末に仕上がっている。
山本 敦

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