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【iPhone 7徹底レビュー】6sと比較/ジェットブラック/ホームボタンの変更/防水検証/イヤホンジャック廃止/カメラ性能アップ

2016-09-16 17:39:27
 ついに発売となった「iPhone 7」。本稿では旧機種のiPhone 6sと一部比較も交えながらアップルの最新スマートフォンの実力を検証しよう。

 今回はiPhone 7の特徴について、アップルが9月7日に開催した新製品発表会で上級副社長のフィル・シラー氏が新モデルの進化点として取り上げた部分を重点的にチェックしてみた。なお同日には5.5インチの「iPhone 7 Plus」が発売されていることは多くの方がご存知だと思うが、同機のレビューはまた機会を改めてお届けしたい。

■細かなところをチューンアップしたデザイン。ポイントは「ジェットブラックを選ぶかどうか」

 本体には4.7インチのディスプレイを搭載。質量はiPhone 6sより7の方が5gほど軽くなっているが、手に持ってその差が明らかにわかるほどではない。ケースを付けてしまえば大差は感じないだろう。

 背面を見るとアンテナの感度を確保するために横一文字に入っていた樹脂製のラインがなくなっている。バックパネルがすっきりとした。今回は人気のジェットブラックを借りてチェックしているが、こちらのモデルは背面と側面、アンテナ線の樹脂パーツまでが“真っ黒”なので、それぞれのギャップがさらに判別しづらい。良い意味で一体感のあるデザインだ。ゴールドやシルバーなど明るい色のモデルをチェックすると、背面のエッジに沿って樹脂のパーツが配置し直されているのがわかる。横一線のアンテナとどちらが好みに感じるかは意見が分かれるかもしれない。

 フロントガラスは2.5Dの滑らかな曲線を設けて、側面、バックパネルへとシームレスにつながる。ジェットブラックはディスプレイを消灯すると、正面からの姿がまさしく真っ黒になる。対して、6sのスペースグレイは、ブラックのベゼルのサイドに本体のフレームの色がわずかにチラリと見える。2台を横に並べてみると、皮肉にも一体感のあるデザインに仕上げた7のジェットブラックの方が、目の錯覚によりやや横広になったように見えるみたいで、筆者がiPhone 7を自宅に持ち帰ってiPhone 6sを並べて家人に見せびらかしていたところ、「へえ、iPhone 7は横幅が広がったんだ」と疑惑が持ち上がり、サイズは変わっていないことを説得するのに一苦労した。

 ジェットブラックのiPhone 7は、精密な9段階の酸化被膜処理と研磨加工による、いわゆるピアノブラック仕上げを採用した独特の艶感が魅力だ。反面、予想していたことだが、指紋が付着すると目立つ。短いハンドリング期間のため実験できていないが、使い続けると細かいキズが目立ってくるかもしれない。できればケースを付けて使うのがベターだが、このセクシーなブラックの魅力は存分にアピールしたいだけに悩ましい。

■操作感がかなり変わったホームボタン

 アップルが開催した製品発表会の直後から論争を巻き起こしている「ホームボタン」は、実機に触れると確かにiPhone 6sから大きく変わった。物理ボタンによるクリックではなく、本体に内蔵するモーターによりユーザーの指に振動を返すことで、あたかもボタンをクリックしたかのような触感を伝えるという仕組みが採用されている。最新のMacBookのタッチパッドやApple Watchの背面から伝わってくるフィードバックを体験したことのある方であれば、どんな感じか伝わるだろう。あるいはアップル「Magic Mouse」の、左右ボタンではなく上部のシェルそのものが上下に動いてカチッとクリックするような操作感に似ている。

 iPhoneやiPadのホームボタンは一日の間に何度もクリックする箇所なので、故障も多いのだという。ならばホームボタンの構造や動作そのものを変えてしまうことでこれを克服するというアプローチから、熟考の末に生まれた仕様なのだろうが、これを嫌うユーザーがいてもおかしくはない。筆者の場合、ちょっと慣れれば今までより心地よく感じられるようになるのではと思い始めていたが、テーブルの上に置いてボタンを操作してみたところ、振動の返しが浅くて違和感を感じた。未だ自分の中で結論は出ていない。いっそのこと、この“ホームボタンのようなもの”である丸いサークルを取ってしまい、デザインを大きく変えてくれた方があきらめが付いたのかもしれない。

 画面を押し込んで得られる3D Touchの戻り感と、操作へのレスポンスはiPhone 6sよりもやや向上したように感じる。

■防水対応に!雨の日のジョギングやキッチンにも活躍の場が広がる

 iPhone 7とiPhone 7 Plusは歴代iPhoneで初めて、本体を防水・防塵仕様とした。国際電気標準会議「IEC」や日本工業規格「JIS」が定めている保護等級「IP67」に相当する性能を備えており、特に防水性能は一定の水圧を受けた状態で30分ほど、水の中に浸かっていても、本体に影響のないレベルを達成したという。いきなりの飛躍を遂げた格好だ。

 試しに恐る恐る水道水をiPhoneにかけてみるが、ディスプレイ側はおろか、側面端子部に水が侵入しても本体は問題なく動作する。キッチンで水仕事をしながら、うっかりシンクにiPhoneを落としてしまっても大丈夫。冷えたペットボトルを入れた買い物袋にiPhoneをまとめて放り込むことも躊躇なくできそうだ。

 ただ、iPhoneを不必要に長時間水中に沈めておくことは禁物だし、濡らした後は極力乾かす習慣も身につけたい。また防水性能が発揮できるのは真水が相手の時だけ。海水や温泉のお湯には耐性がないので、気をつけて使うべきだ。

■カメラ機能は大幅向上。ただ、出っ張りが……。

 カメラについては、その性能を比較する前に背面の“出っ張り”についてのコメントを避けて通るわけに行かないだろう。筆者もiPhone 6、iPhone 6sの頃は超然たる立場でこの出っ張りを気にもとめないようにしてきたが、さすがにiPhone 7のこれは甘受しがたい。パッと見でもだいぶ目立つ。レンズの周囲、背面パネルのメタルごとグンと盛り上がってしまった。平たいテーブルの上に置いてみると、カメラの部分をピークにして明らかなギャップが生まれる。iPhoneにはケースを付けないネイキッドスタイル派の方々にとってはストレスを感じてしまうかもしれない。

 iPhone 7に搭載された最新の「A10Fusion」チップの性能により、カメラプリの起動や写真が撮れるまでのプロセスがより小気味良くなったように感じる。メインのiSightカメラはイメージセンサーの画素数は12MPとiPhone 6sから変わらないが、レンズの回口率がF2.2からF1.8に向上してより明るい画像がキャプチャーできるようになった。光学式手ブレ補正も4.7インチのiPhoneに初めて搭載されている。

 試しに野菜を撮影してみたが、見比べてみると、iPhone 7で撮影した画像の方が野菜のフチに当たる光の艶めきが豊かで、発色もより鮮やかに出る。壁面の細かな凹凸のコントラスト感も、iPhone 7の方がディティールを再現できるので立体感とリアリティが際立つ。

■セルフィーがきれいに撮れるFaceTime HDカメラ

 一方、iPhoneのインカメラであるFaceTime HDカメラはスペック自体が大きく向上している。こちらはシンプルにセンサーの解像度が5MPから7MPに伸びているので、ディティールの精彩感が緻密になり、空気感が伝わりやすい。色合いも一段とナチュラルに表現できるようだ。さらにインカメの側にも自動手ブレ補正が搭載されたので、自分撮りの際にiPhoneを持つ手がぷるぷると振えて細かい手ブレが写真を台無しにする経験も減りそうだ。インカメでLive Photosも撮れるようになったので、写真の表現幅も広がる。

 カメラに関わるところでは、おそらくiPhone 7からよりパワフルなステレオスピーカーが内蔵されたためか、シャッター音が大きくなってしまった。公共マナーのことを考えればシャッター音は必要だが、あまりシャッター音が大きすぎると写真を撮ること自体に気後れしてしまう。もう少しボリュームを下げることも検討して欲しい。

■色再現が豊かになったディスプレイ

 新しいiPhone 7には、米国ハリウッドの映画スタジオが規格化するDCI-P3の色再現範囲を満たす広色域ディスプレイが採用された。iPhone 6sまでサポートしていたPC用液晶モニターなどが基準としているフルsRGB規格よりも色範囲が広くなっているので、写真や映像が見た目に近いリアリティで楽しめるというわけだ。さらに画面の明るさも最大約25%ほどアップしている。ディスプレイ設定から、明るさの自動調節をオフにして、輝度値を最大値に設定してから見比べてみても、iPhone 7のディスプレイは発色がよく、メリハリのある映像が楽しめるスマホになった印象だ。

■Lightning直結のポータブルリスニング環境は整えたい

 イヤホンジャックが非搭載になったことはiPhone 6sからの大きな変更点の一つだ。パッケージを開封すると、Lightning端子から通常のアナログイヤホン端子への変換アダプターが同梱されている。この小さなアダプターの中に、音楽信号をデジタルからアナログに変換するDAコンバーターやアンプが搭載されているとは思えない。どのような仕組みで動作しているのか気になるところだが、取りあえず手持ちのイヤホンを装着してみても、テクニカルには普通に音楽再生が楽しめた。ただ、音質はお世辞にも良いとは言えない。試しにiPhone 6sに同じアダプターを付けて、イヤホン端子直結の場合と聴き比べてみると、アダプターを介した音が平板なものに感じられてしまう。

 アダプターの長さが思いのほか短いので、イヤホンケーブルが長くなって煩わしく感じることはないが、もう一つの問題はこのアダプターをうっかりなくしてしまうと音楽再生そのものができなくなること。やはり同梱されているLightning仕様のEarPodsなど、Lightning直結タイプのイヤホンはお気に入りのものを一つ導入した方が良さそうだ。

 同梱されているイヤホン「EarPods with Lightning Connector」は、これまでのアナログ接続のEarPodsとチューニングのコンセプトは変わっていない。ただ、ステレオイメージも明快になって、中高域の精彩感は少し上がったように聞こえる。デジタル接続になった利点と言える。

 今回の時点ではまだアップル純正の新しいワイヤレスイヤホン「AirPods」が借りられなかったので、通常のBluetoothヘッドホンを試したところ、いままで通り設定画面から機器を選択してペアリングする作業が必要だ。NFCによるワンタッチペアリングはやはり搭載されていなかった。NFC対応のイヤホンやヘッドホン、スピーカーも増えているので、アップルには今後の対応をぜひ検討して欲しい。

 ステレオスピーカーは音圧がかなり上がっているので、NetflixなどVOD動画を自宅で再生してみると、効果音やセリフがよりハッキリときこえて気持ちがいい。音のつながりもスムーズになっている。旅先などでカジュアルにオーディオ・ビジュアルのコンテンツを楽しむぶんには十分にその役割を果たしてくれるだろう。

■Apple Payのローンチに期待

 電子決済機能「Apple Pay」がFeliCaに対応して、いよいよiPhone 7/7 Plusから日本国内でも使えるようになることは大きなトピックスの一つだが、残念ながらスタートまでまだ1ヶ月ほどある。ガラケーの時代からおサイフケータイを活用していたが、iPhoneで使えなかったため、仕方なくAndroidスマホを選んでいたという方にとっては、いよいよiPhoneに乗り換える時がやってきたかもしれない。Apple Payにクレジットカードやプリペイドカードを登録しておけば、支払いにドコモのiDやQUICPayの電子マネーが使えるショップでスムーズな買い物を楽しめる。

 なおホームボタンのギミックが変わっても、指紋認証は今まで通りか、あるいはそれ以上に素速く正確に反応するので、ECサイトでのショッピングもスムーズだ。また交通系カードもSuicaが登録できるようになる予定なので、iPhoneがますますユーザーの生活に密着することになりそうだ。

 ホームボタンの変更やイヤホンジャックの消失など、これまで長くiPhoneを使い続けてきたユーザーにとっては、残念に感じられるアップデートも沢山ある端末だが、いずれもこれがiPhoneの旧来ユーザーが離れていく引き金になることはなさそうだ。慣れれば乗り越えられそうな気がする。

 新しいiPhone 7は、新色のジェットブラック以外は外観の大きな変化は乏しく、周囲に新しいiPhoneを手に入れたことをアピールしづらい部分はある。でも同時に防水や電子決済対応などユーザーの生活に快適さをもたらす、中味の変更点が多くある。カメラ機能についてもiPhone 6sの完成度がかなり高いので、比較軸で並べてしまうと差分は小さく見えるかもしれないが、誰でも手軽に、質の高い写真が撮れるスマホになったという意味では、“はじめてのスマホ”として選ぶのにも向いていると言えなくもない。iPhoneの普及がきっかけになって、電子マネーを使いこなせるユーザーが増えれば、日本国内のITインフラにまた革新をもたらすスマホになるのかもしれない。

協力:アップル・ジャパン
山本 敦

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